記事 3499番  最新の記事 <一つ前の記事 一つ後の記事> 2019/7/24 
言い方のニュアンスに日本文化がある
森川林 2019/01/12 06:34 

 よくある例ですが、海外、例えばフランスなどで交通事故を起こしたとき、日本人が(自分が特に悪いわけでもないのに)、「すみません」と言ってしまうと、その言質をとられ裁判で不利になるそうです。

 しかし、普通の日本人であれば、というよりも、日本文化を身につけている人であれば、事故の責任がどちらにあるかということよりも、相手の気持ちを考えて、とっさに、「すみません」という言葉が出てくるものです。

 ところが、日本でも、そうでない人はいるのです。
 ときどき感じるのは、「こちらはお客様だぞ」という態度で話してくる人です。
 知人に話す場合Gは、それなりのニュアンスというものがあります。それと同じように話せばいいのですが、いかにも相手よりも自分の方が偉いという態度で話すのです。

 それで、私は、いけないことですが、ときどき喧嘩をしてしまいます(笑)。
 ずっと以前、ふりかえか何かで、早朝に電話をしてほしいと言ってきた海外在住の保護者の方がいました。
 私は、それでは講師が負担がかかるので、別の方法を提案しましたが、その人は、「客である生徒と、そちらの先生とでどちらが大事なんですか」などという言い方をしたのです。
 それで、私は、「もちろん大事なのは講師の方です」と言ったら、その後何かいろいろ話しましたが、結局そのふりかえはしないことになりました。

 これがもし、知人に何かを頼むとしたら、相手に負担をかけるような依頼は自然に遠慮するはずです。
 もし頼むとしても、本当に申し訳ないがというニュアンスで話をするはずです。
 それが、いかにも当然の権利のように言うところに、日本文化とは異なるものを感じたのです。

 これは、子供たちの作文についても言えます。
 一方的に相手を批判するような文章は、考えの浅さとともに、相手に対する配慮のなさを表しています。
 中学生以上の作文の、「反対意見に対する理解」というのも、この、考えを深めるためと、相手のよいところを理解するための練習です。
 書き方は、「確かに、(自分の考えとは違う)こういう考え方にも理解できる点はあるが」という形です。
 このように書くことによって、相手の立場に対しても理解を広げていくのです。
 欧米の作文指導では、こういう指導はあまりないと思います。

 ところで、一応ことわっておきますが、私は喧嘩をしたような相手に対しても、全くその気持ちをあとまで残しません。
 人間というものは、いろいろな場面でいろいろなことを言うものですし、常に変化していくものですから、一度や二度のことで良いとか悪いとか決めるものではないからです。三度や四度になっても同じです。
 相手はどう思っているかしりませんが、本当はみんないい人で、たまたま場面場面で違う役割を演じることがあるというだけだと思っています。


■言葉の森の教室紹介
面白い勉強で実力がつくオンラインの学習【動画】

コメント欄

森川林 2019年1月12日 6時36分  
 多様な文末表現の指導なども、日本的な作文指導のひとつです。
 英語では、「○○は△△である」という単純な言い方がほとんどです。
 日本語では、主に相手に対する配慮から、「である」だけでなく、「だろう」「と思われる」「かもしれない」「のはずだ」「と言いたい」などさまざまな語尾の変化があります。
 これが、日本語が論理的でないひとつの理由とされることがありますが、論理は文章の中身にあるのであって、語尾は単なる配慮です。


nane 2019年1月12日 6時43分  
 欧米の作文指導を一度研究したことがあるのですが、偶然、言葉の森が中学生以上に行っている作文指導とかなり似ていました。。
 中1でやっている、意見を書いてその理由を述べるというような構成の仕方です。
 しかし、中2でやっている総合家の主題というのはなかったようです。


コメントフォーム
言い方のニュアンスに日本文化がある 森川林 20190112 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
のはひふ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「のはひふ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

(za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
メルマガの配信
▼バックナンバー
○一般用 ダイジェスト版
○生徒用 完全版

Facebookページ
言葉の森作文ネットワーク
いいね! 17,226件
新着コメント1~3件
音読は文章を文 nane
 黙読は、速読ができます。  それは、 5:46
音読は文章を文 森川林
 文章を情報処理として読むためには黙読が 5:46
音読の学年 nane
 音読をさせて、読み間違える字や、つっか 7/23
……次のコメント

オープン教育 1~3件
オープンの川
鳥の村 1~3件
鳥の村
虹の谷 1~3件
虹の谷
過去の記事

過去の1~30件目を表示
■音読は文章を文脈の中で読む読み方 7月24日
■音読の学年 7月23日
■保護者懇談交流会のリンク先を直しました 7月22日
■先生の役割 7月21日
■7.4週の授業の動画をアップロードしました 7月20日
■幼児から小3までは日本語脳を育てる時期――英語脳は日本語の土台が確立してから 7月20日
■保護者懇談交流会7月のお知らせ 7月19日
■勉強はたくさんやるよりも毎日やることを優先して 7月19日
■暗唱の仕方のコツ――大事なのは繰り返しの音読だけ 7月18日
■7.3週の授業の動画をアップロード 7月17日
■算数は考えない勉強――図形問題を解く力をどうつけるか 7月17日
■7月の読解検定は、7月28日(日)10:00~(お申込みの締切は18日) 7月16日
■サマーキャンプの追加情報(2) 7月16日
■サマーキャンプの追加情報 7月15日
■サマーキャンプの案内一部変更――マイカーのチェックイン・アウトは6:00~12:00に――参加申し込みはまだ受付中 7月12日
■個性の発見と創造が教育の第一目標となる時代 7月12日
■社会人のための文章講座――社会人作文クラス 7月11日
■勉強の本来の姿は自主学習――家庭で学ぶからこそ能率がよい【動画あり】 7月10日
■小学校高学年や中学生の生徒が作文の課題をためない方法 7月9日
■問題集読書と読解検定と自主学習クラスで国語力を高める 7月8日
■中学入試ハイパー作文7.3週「日本人や日本について考えたこと」 7月8日
■7.2週の授業の動画を「鳥の村」にアップロードしました 7月7日
■サマーキャンプの読書感想文予習シート 7月7日
■日曜朝9時の作文クラス募集中――寺オン作文クラスの授業の様子【動画】 7月7日
■アクティブラーニングを超える発表学習――個性の発見と創造、そして知的なコミュニケーション 7月5日
■国語の成績を上げるコツ 7月4日
■実力をつけるコツは毎日同じことを同じように続けること 7月3日
■教えない授業で子供が伸びる――自主学習クラスの勉強の仕方 7月3日
■読書感想文の宿題をサマーキャンプで仕上げる 7月2日
■寺子屋オンライン案内を作り直しました――7月からは父母面談や父母懇談会もしやすくなります 7月1日
……前の30件
HPの記事検索
ホームページの全記事

 言葉の森新聞

Twitter
言葉の森@kotomori

RSS
RSSフィード

代表プロフィール
森川林(本名中根克明)

講師ブログ
言葉の森の講師のブログ

算数の通信教育
できた君の算数クラブ

カテゴリー
全カテゴリー
ICT教育(1)
遊び(6)
新しい産業(23)
暗唱(121)
生き方(41)
息抜き(19)
いじめ(1)
インターネット(25)
英語教育(10)
オープン教育(24)
親子作文コース(9)
オンエア講座(41)
音声入力(10)
音読(22)
外国人と日本語(4)
科学(5)
学問コース(1)
学力テスト(2)
合宿(14)
家庭学習(92)
家庭で教える作文(55)
漢字(17)
帰国子女(12)
教育技術(5)
教育論文化論(255)
教室の話題(26)
行事と文化(1)
ゲーム的教育(4)
合格情報(27)
高校入試作文小論文(10)
構成図(25)
公立中高一貫校(63)
国語問題(15)
国語力読解力(155)
子育て(117)
言の葉クラブ(2)
言葉の森サイト(41)
言葉の森の特徴(83)
言葉の森のビジョン(51)
子供たちの作文(59)
作文教育(134)
作文検定試験(4)
作文の書き方(108)
算数・数学(22)
自習検定試験(10)
自習表(5)
自然災害(1)
実行課題(9)
質問と意見(39)
受験作文小論文(89)
小学校低学年(79)
森林プロジェクト(50)
政治経済(63)
生徒父母向け記事(61)
生徒父母連絡(78)
全教科指導(2)
センター試験(7)
創造力(9)
大学入試(14)
対話(45)
他の教室との違い(22)
知のパラダイム(15)
中学生の勉强(21)
中高一貫校(11)
寺オン作文クラス(2)
寺子屋オンライン(101)
読書(95)
読書感想文(19)
読書実験クラブ(9)
友達サイト(7)
日本(39)
日本語脳(15)
発達障害(1)
発表交流会(20)
東日本大震災(15)
facebook(29)
facebookの記事(165)
プログラミング教育(5)
勉強の仕方(119)
未来の教育(31)
MOOC(2)
無の文化(9)
メディア(8)
森の学校オンライン(2)
森リン(103)
問題集読書(33)
読み物(1)
四行詩(13)
未分類(378)

QRコード






 
小学生、中学生、高校生の作文(2007年4月まで)
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。