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災難に逢う時節には災難に逢うがよく候
森川林 2018/12/06 20:24 

 笑い話かと思うくらい、NTTコミュニケーションズの電話の切り替えが、あれこれ意味不明の技術的な理由で全くできない状態になっています。
 よくそれだけできない条件が重なったと思うほどです。

 たまたま、携帯に転送していた回線だけが1本生きていたので、それでかろうじて電話の受け付けができています。

 ここでふと思ったのは、人間はこういう三次元のトラブルをいろいろ経験するために生きているのだろうということでした。
 かつて勝海舟は、辞書を買うお金がないので、持っている人から借りて、夜中に全部書き写しました。
 しかも、その書き写した1冊を売って家計の足しにしたので、結局2冊書き写すことになりました。

 今ならコピー機があるし、ネットでいくらでも辞書の代わりができますが、その当時は、書き写すしかないというところに、その時代を生きる人の経験があったのだと思います。

 現代を生きる私たちは、ついトラブルがないことやスムーズにうまくいくことがよいと思いがちですが、本当は、何でもうまく行く状況では、人間の生きる意味は希薄になります。

 では、トラブルには、どのように対応していけばよいのでしょうか。
 ひとつは、そのトラブルを創造的に克服することです。
 しかし、トラブルのほとんどは、簡単には克服できないのが普通です。

 だから、もうひとつは、そのトラブルを楽しむことです。
 楽しむとは、しみじみとそのトラブルを味わうことです。
 そして、それを苦にしないことです。
 更に、そういうトラブルを経験できたことに感謝さえすることです。

 トラブルの原因はいろいろありますが、悪いのは相手でも自分でも運勢でもありません。
 それは、起こるべくして起こり、それが自分や相手や宇宙の経験を豊かにしたということなのです。


 災難に逢う時節には災難に逢うがよく候。
 死ぬる時節には死ぬがよく候。
 これはこれ災難をのがるる妙法にて候。

  良寛


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森川林 2018年12月6日 20時53分  
 山中鹿之介は、「我に艱難辛苦を与え賜え」と月に祈りました。
 「葉隠」の山本常朝は、犬死が最も価値ある死に方だと言いました。
 近代は、意味ある生き方だけが前面に出た時代でした。
 しかし、人間の本質には、意味を超えた実存的な面もまたあるのです。
 それが良寛の「災難に逢う時節には災難に逢うがよく候」の意味です。



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