ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 受験作文と入試小論文の未来の姿。学力の中心は、考える力と創造する力になる。進んだ学校では、AI技術によって作文や面接を評価するようになる。しかし、その先の未来は、入試自体がなくなる可能性 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 5016番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/6/11
受験作文と入試小論文の未来の姿。学力の中心は、考える力と創造する力になる。進んだ学校では、AI技術によって作文や面接を評価するようになる。しかし、その先の未来は、入試自体がなくなる可能性 as/5016.html
森川林 2024/03/13 03:31 

スミレ



 公立中高一貫校の受験作文の課題は、昔は牧歌的なものでした。
 「小学校時代の思い出」というような誰もが書ける課題が出されていたのです。

 しかし、こういう課題は、事前の準備ができれば、誰でも上手に書くことができます。
 そのため、次第に、文章を読ませてその感想を書かせるようなかたちの作文課題になりました。

 しかも、複数の文章を読ませて、その共通性の面から感想を書かせるような凝った課題を出すようところが増えてきたのです。

 この理由の第一は、採点が大変だったからです(笑)。
 易しい課題で合格圏内にある作文をすべて読むというのでは、採点者の負担が大きすぎます。
 そこで、難しい課題で、一応時間内に規定の字数まで書けた作文に絞って、採点をするという試験の方法になったのです。


 かなり昔、東大と京大が、学部によってですが、入試に小論文の課題を出した時期がありました。
 それらの問題は、かなりいい問題だと評判がよかったのですが、やがてその入試はなくなりました。
 理由のひとつは、問題を作るのが大変だったからです。
 もうひとつの理由は、やはり採点が大変だったからです。


 採点の負担を解決する方法は簡単です。
 文章の自動採点を導入すればよいのです。
 そうすれば、問題の作成も、それほど凝る必要はなくなります。

 現在、ChatGPTは、文章を要約することも、簡単なメモを文章化することも、長い文章を短くすることも、長くすることも、日本語で書くことも、英語で書くことも、関西弁で書くことも自由にできます。
 このAI技術を応用すれば、文章の採点はすぐにできます。
 その方法は、こうです。

 作文には、小学生の書いたものから、中学生の書いたもの、高校生の書いたもの、大学生の書いたものなどいろいろな年齢の生徒が書いたものがデータとして多数あります。
 それらを読み取って、その作文が、何年生ぐらいの生徒が書いたものかを推測させればいいのです。
 すると、大学入試の作文でも、中学生レベルのものから、高校生レベルのものや、とっくに大学生レベルになっているものまで幅広くあることがわかります。

 ただし、こういう評価をするためには、作文の字数は1200字以上であることが必要です。
 字数が短いと、誤差が大きくなるからです。
 また、できれば、1本の作文ではなく、数本の作文を書かせる必要があります。

 書く生徒は大変ですが(^^ゞ、採点する方はAIですから、一瞬にしてできます。


 この試験を実施するためには、手書きOCRの機能はまだ不十分でしょうから、試験会場ではポメラのような端末を配備して、全員が一斉に作文のテキスト入力をする必要があります。

 いずれ、大学入試では、こういうデジタル作文試験が導入されるようになると思います。
 高校入試や中学入試でも、できないことはありません。


 更に先のことを考えると、口頭試問もAIで評価することができます。
 AIで、大体の基準以上になった人だけを、人間が実際に作文を読んだり、面接をしたりすればいいのです。


 しかし、更に先のことを考えると、そのうちに、入試で生徒を採点すること自体が必要でなくなります。
 それは、将来の学校は、オンライン化するからです。

 現在、入試があるのは、リアルな学校に入ろうとするからで、リアルな学校には決まった数の座席しかないからです。
 その座席の数に合わせて入試が行われています。

 しかし、オンラインであれば、デジタルの座席の枠に制限はありません。
 学生どうしの交流の場としては、時どき遠足やサマーキャンプを行えばいいのです。
 これが、大学の人気を最も左右するイベントになるかもしれません。

 オンライン化された学校では、国境はありません。
 Zoomの授業でも、翻訳機能を使えば、どの国の人でも参加できます。
 遠足やサマーキャンプのリアルな交流の場では、ポケトークのようなものを使えばいいのです。
 こういう機器は、今後もっと進化してウェアラブルになり、使用している感覚がなくなります。

 リアルな海外留学というのは、そのうちに死語になります。
 そのかわり、リアルな海外遠足や海外合宿が普通になってくると思います。


 以上、だいぶ先のことまで書きましたが、大事なことは、これからの勉強は、知識の詰め込みと再現ではなく、考える力が中心になるということです。
 更に、考える力に創造力の加わったものが、本当の学力になるということです。

 今、小中高生と保護者のみなさんは、そういう未来の姿を想定して、子供の教育を、考える力と創造する力を育てる方向に向けていくことが大事になっていると思います。


※意見文の書き方の記事を書こうとしましたが、その前提として受験作文の話を書いたら、それだけが長くなってしまいました。
 意見文の書き方については、次回の記事に載せます。


 低学年から学力の基礎を作る
幼長、小1、小2、小3の基礎学力をひとつの講座で学ぶ。
読書の習慣、国語算数の勉強、暗唱の学習、創造発表の練習をオンラインで。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
未来の教育(31) 森リン(103) 

コメント欄

森川林 2024年3月13日 4時11分  
将来の作文入試は、デジタル入力になり、AIで自動採点するようになる。更にその先は、入試自体がなくなる。
受験作文と入試小論文の未来の姿。学力の中心は、考える力と創造する力になる。進んだ学校では、AI技術によって作文や面接を評価するようになる。しかし、その先の未来は、入試自体がなくなる可能性


コメントフォーム
受験作文と入試小論文の未来の姿。学力の中心は、考える力と創造する力になる。進んだ学校では、AI技術によって作文や面接を評価するようになる。しかし、その先の未来は、入試自体がなくなる可能性 森川林 20240313 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
ひふへほ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「ひふへほ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
未来の教育(31) 森リン(103) 
コメント1~10件
毎週作文を書く 森川林
作文の勉強というのは、負担の大きい勉強です。 だからこそ、 8:5
読書を阻むもの 森川林
暇なときは読書をすればいいのですが、今は、スマホで情報に流さ 6/10
国語の読解検定 森川林
国語読解の問題は、適当に解いて「当たった」「外れた」と言って 6/9
デジタル教科書 森川林
デジタル教科書という考えがありますが、教科書とか自分の好きな 6/8
国語読解クラス 森川林
 国語力は、知識として身につけるのではなく、国語力を育てる生 6/7
国語力はテクニ 森川林
「国語力をつけるために、特に読書をする必要はない」という耳あ 6/6
リアルな通学教 森川林
 未来の教育は、対話型の少人数オンラインクラスの教育になりま 6/5
クリティカル・ 森川林
西洋には、批判を通して新しい考えが生まれるという弁証的な発想 6/4
優しい母が減っ yori
私の母は、もう中学2年生なのに、スマホをもたせてくれません。 6/3
日本を復活させ 森川林
 日本を復活させる道筋は、創造教育文化国家を目指すこと。 6/1
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Re: 無題 森川林
 こちらで入れ直しておきました。  ×になったところは、お 6/11
無題 笹の葉
まちがって白紙でそうしんしてしまったのでここに記載します。 6/10
岡田斗司夫さん 森川林
岡田斗司夫さんの話が面白い。 【最新動画】2025年問題っ 6/9
同調圧力と方便 森川林
 なぜ、子供を褒めることが大事かというと、子供は褒め言葉に同 6/9
Re: 読会検 森川林
お返事遅れて失礼。 しっかり、読んでいてえらい! 問 6/7
歌はいいなあ 森川林
志村けんと八代亜紀が面白い https://www.you 6/3
大事なのは、結 森川林
大事なのは、結果よりも動機だ。 自分は、日本を守るために仕 6/2
読会検定5月  あかそよ
いつもありがとうございます。 問題3 AB共に、「兄ち 5/31
臨死体験で見た 森川林
臨死体験で見た「宇宙の真実」とは?【山納銀之輔さん前編】 5/28
Re: 読解検 森川林
 いい質問です。  このように質問する人は、国語の力がつく 5/23

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習