家庭学習における子供の褒め方叱り方 作文の赤ペン添削の理論と方法 ファイルからデータベースへ=物から情報へという流れは、教育にも大きな影響を与える 貝原益軒を現代の教育に生かすには 小4の5月の読解問題への質問

記事 523番  最新の記事 <一つ前の記事 一つ後の記事> 2018/7/18 
読書のしすぎという相談
森川林 2009/06/14 09:51 



 小学校高学年の子のお母さんから、本を読みすぎることについての質問がありました。

 その子は、家でも学校でもいつでも本を読んでいるというのです。学校から帰ってきてもすぐに本を読み始めるそうです。

 小学校時代は、勉強よりも読書優先の生活の方が力がつきますから、本が好きだということはよいことです。しかし、このように読みすぎるのは何か不自然な感じがします。そこで、お母さんも相談をしてきたのでしょう。


 一般に、読書というものは、人生がうまくいっていないときにするという面があります。毎日の生活が幸せに満ちていれば、本を読む必要性はあまり感じません。

 勝海舟も、自伝の中で、自分が初めて本格的に本を読んだのは蟄居(ちっきょ)の時代だったと述べています。

 読書は、自分の人生に満足できないものがあり、求めるものがあるからするという面と、その裏返しとして、自分の今の人生から逃避したいからするという面があります。


 そこで、その子は、学校生活で友達があまりいないために、その現実から逃がれることを読書に求めているのではないかと思いました。これは、いじめというほどのことではなく、友達と楽しく遊ぶ関係が作りにくいということです。

 しかし、そういう子も、成長する中でやがて本当に仲のいい友達ができるはずですから、今友達がいるかいないかということあまり気にする必要はありません。

 ただ、本人は心の中で友達と楽しく遊べないことを悩んでいるわけですから、家庭で、その子にとって楽しい人間関係を作ってあげることが大切です。

 例えば、家族でどこかに遊びに出かける、家族で何かイベントを企画する、というようなことです。

 現在の社会では、KYという言葉に見られるように、他人からどう思われているかということを気にする傾向があります。しかし、他人の目にはあまりとらわれず、自分らしく生きていけば必ずその自分らしさに共鳴してくれる他人と出会うものだというふうに長い目で考えていけばいいのです。

 ただし、友達の関係があまりない子は、やはり人間関係の技術がうまく身についていない面もあります。そこで、家族との遊びの中で、友達と遊ぶときのコツをお父さんやお母さんが先輩の立場から少しずつ教えてあげることです。


 子供の問題で大事なことは、一緒にいる家族です。身近に見ている親がいちばんよく事情を把握していて、またいちばん根本的な決断ができます。

 この子も、優しく心配してくれるお母さんがいるというだけで、もう問題はほぼ解決していると思いました。


(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)


マインドマップ風構成図
 記事のもととなった構成図です。



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
読書(95) 質問と意見(39) 

コメント欄

メロス 2009年6月29日 17時55分  
拝読して、「家の娘とまったく同じ!」と思いました。先生が書かれたアドバイス通りの運びとなり、今は読書好き、国語が得意の中3です。
つい先日のことです。
「あのころは話す友達がいなかったから本ばかり読んでいた」と母に打ち明けてくれました。もっとかかわってあげれば良かったと、少々反省しています。
彼女は今も毎日相当な量の読書をしていますが、中学では、やはり読書好きの親友ができ、毎日充実している様子です。

森川林 2009年6月29日 21時13分  
 そうですね。
 その時代は苦しかったと思いますが、それがその子の心の豊かさになっていったのだと思います。
 若いときは友達がいるかいないかということが大きな問題となりますが、自分らしく生きていれば、自然にそういう友達と出会うようになるのでしょうね。

コメントフォーム
読書のしすぎという相談 森川林 20090614 に対するコメント

▽コメントはここにお書きください。
きくけこ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「きくけこ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

(za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
メルマガの配信
▼バックナンバー
○一般用 ダイジェスト版
○生徒用 完全版

Facebookページ
言葉の森作文ネットワーク
いいね! 17,226件
新着コメント1~3件
経験と学問と創 nane
 答えのある勉強は、人工知能がカバーして 7/13
経験と学問と創 森川林
 小学生時代の勉強は、楽しくやるものです 7/13
森林プロジェク nane
 寺子屋オンラインも森林プロジェクトも、 7/12
……次のコメント

オープン教育 1~10件
オープンの川
過去の記事

過去の1~30件目を表示
■家庭学習における子供の褒め方叱り方 6月13日
■作文の赤ペン添削の理論と方法 6月12日
■ファイルからデータベースへ=物から情報へという流れは、教育にも大きな影響を与える 6月11日
■貝原益軒を現代の教育に生かすには 6月10日
■小4の5月の読解問題への質問 6月9日
■入選清書の掲載を正しく表示しなおしました 6月9日
■日本の教育の原点、貝原益軒の「和俗童子訓」 6月9日
■公立中高一貫校の受験対策は、低学年の作文の家庭学習から 6月8日
■読解力をつけるには 6月7日
■受験に役立つ、題材で勝負する作文の書き方 6月6日
■コンクールに入選する作文、読書感想文の書き方 6月5日
■中学受験の学力の土台を作る家庭学習と作文 6月4日
■受験にも役立つ上手な作文の書き方 6月3日
■言葉の森の教室の特徴 6月2日
■1200字の作文が10分で書ける音声入力という方法 6月1日
■良書の貸出と結びつけた付箋読書(付箋読書という本の読み方(その5)) 5月31日
■思考と作文を分けて取り組むための構成図と音声入力(付箋読書という本の読み方(その4)) 5月30日
■付箋読書という本の読み方(その3) 5月29日
■付箋読書という本の読み方(その2) 5月28日
■付箋読書という本の読み方(その1) 5月27日
■自習をスムーズにさせるコツ(その2) 5月26日
■自習をスムーズにさせるコツ(その1) 5月25日
■構成図のフォーマット 5月24日
■構成図とマインドマップの違い 5月23日
■構成図を使った作文指導(その1) 5月22日
■公立中高一貫校の対策は考える力をつけること(その3) 5月21日
■公立中高一貫校の対策は考える力をつけること(その2) 5月20日
■公立中高一貫校の対策は考える力をつけること(その1) 5月19日
■頭をよくするガンマ型の文章(その3) 5月18日
■頭をよくするガンマ型の文章(その2) 5月17日
……前の30件
HPの記事検索
ホームページの全記事

 言葉の森新聞

Google+ページ
言葉の森作文オンエア

Twitter
言葉の森@kotomori

RSS
RSSリーダー

代表プロフィール
森川林(本名中根克明)

講師ブログ
言葉の森の講師のブログ

算数の通信教育
できた君の算数クラブ

カテゴリー
全カテゴリー
ICT教育(1)
遊び(6)
新しい産業(23)
暗唱(121)
生き方(41)
息抜き(19)
いじめ(1)
インターネット(25)
英語教育(10)
オープン教育(24)
親子作文コース(9)
オンエア講座(41)
音声入力(10)
音読(22)
オンライン作文(2)
外国人と日本語(4)
科学(5)
学問コース(1)
学力テスト(2)
合宿(14)
家庭学習(92)
家庭で教える作文(55)
漢字(17)
帰国子女(12)
教育技術(5)
教育論文化論(255)
教室の話題(26)
行事と文化(1)
ゲーム的教育(4)
合格情報(27)
高校入試作文小論文(10)
構成図(25)
公立中高一貫校(63)
国語問題(15)
国語力読解力(155)
子育て(117)
言の葉クラブ(2)
言葉の森サイト(41)
言葉の森の特徴(83)
言葉の森のビジョン(51)
子供たちの作文(59)
作文教育(134)
作文検定試験(4)
作文の書き方(108)
算数・数学(22)
自習検定試験(10)
自習表(5)
自然災害(1)
実行課題(9)
質問と意見(39)
受験作文小論文(89)
小学校低学年(79)
森林プロジェクト(50)
政治経済(63)
生徒父母向け記事(61)
生徒父母連絡(78)
全教科指導(2)
センター試験(7)
創造力(9)
大学入試(14)
対話(45)
他の教室との違い(22)
知のパラダイム(15)
中学生の勉强(21)
中高一貫校(11)
寺子屋オンライン(101)
読書(95)
読書感想文(19)
読書実験クラブ(9)
友達サイト(7)
日本(39)
日本語脳(15)
発達障害(1)
東日本大震災(15)
facebook(29)
facebookの記事(165)
プレゼン作文発表会(20)
プログラミング教育(5)
勉強の仕方(119)
未来の教育(31)
MOOC(2)
無の文化(9)
メディア(8)
森の学校オンライン(2)
森リン(103)
問題集読書(33)
読み物(1)
四行詩(13)
未分類(378)

QRコード






 
小学生、中学生、高校生の作文(2007年4月まで)
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

Donate with IndieSquare