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本当に読書第一、勉強第二でいいんですか as/3362.html
森川林 2018/07/06 09:43 

 勉強は第三でもいいぐらいです(笑)。
 先日、発表学習コースのミニ保護者懇談会で、小学3年生の子の保護者の方から、次のような質問がありました。
「本当に、読書だけでいいんですか」
 その子は、それまでは、家庭学習である程度難しい算数の考える問題などをする時間があったそうですが、今の家庭学習はほとんど読書だけの毎日だそうです。
 もちろん、それでいいのです。

 私の考えは、小学校低中学年で考える問題などやっても意味がないというものです。
 なぜかというと、それは本当の意味で考える問題ではなく、パズルを解くような考える問題か、あるいは設定がややこしいだけの難問だからです。

 勉強をする毎日の習慣をつけておくことは大切ですが、それは習慣を作ることが主な目的です。
 毎日決まった時間に机に向かうことができていれば、短時間でもそれで十分なのです。

 もちろん、今の学年で、少し難しい問題をテストで出された場合、長い時間勉強をしている子はその問題がすぐに解けるのでテストの成績がよくなります。
 勉強時間が短く、読書だけをしている子は、解くのに時間がかかるので、大体点数は悪くなります。
 しかし、ここで目先のテストの点数に目を奪われてはいけないのです。

 その子の本当の学力がどのへんにあるかということは、小学校のテストの成績ではわかりません。
 その子の学力は、親子の対話の中でおのずからわかります。
 親が話したことをそれなりに理解し、自分の考えたことをそれなりに言える子であれば、学力は全く問題ありません。
 そして、その学力を育てる根本が読書なのです。

 ということを書いているとき、ちょうど「月刊致知」8月号が届いたので、何気なくページをめくっていたら、偶然次のような記事がありました。

 今年4月に、川島隆太東北大教授が座長を務める仙台市のプロジェクトで、「読書習慣と学力」の関係を示したデータが出されたそうです。これは、小学5年生から中学3年生までを対象にした3年間分のデータをもとにしたものです。
 このデータによると、読書時間が長いほど成績がよく、1日に1時間から2時間読書をする子は、読書をしない子に比べてかなり高い成績を残していることがわかりました。
 そして、1日の勉強時間が30分から2時間未満であっても、1日に10分以上の読書をすれば、読書をせずに1日2時間以上勉強している子供より偏差値が高くなっていることもわかったのです。
「読み聞かせが明日の教育をひらく」(泡渕栄人)より

 もちろん、読書は年齢に応じて発展させていく必要があります。
 それは、先日、「答えのない勉強としての読書――子供の読書生活をどう発展させるか(その1)」でも書きましたが、毎読、多読、難読という発展段階です。

 最初は、何しろ毎日、1日も欠かさずに本を読む習慣をつけることです。これが毎読です。

 次は、何しろ好きな本をたくさん読むことです。これが多読です。
 中には大人から見てくだらないと思われるような本であっても、本人が熱中しているのであればそれを認めてあげることです。
 ただし、ここで言う読書の定義は、字のスペースが絵のスペースよりも大きいものとしますから、マンガ、学習マンガ、絵本、図鑑、雑誌などは含みません。それらは読書ではなく娯楽として読んでいけばいいいのです。
 この多読の時期に、その子の読書力よりも難しい本を読ませようとすると、かえって読書の絶対量が減ってしまいます。

 多読の段階のあとは、難しい本を読むことです。これが難読です。
 小中学生の場合は、説明文や意見文の本で、高校生以上の場合は古今の名著と呼ばれる古典です。
 時には、易しい本を10冊読むより難しい本を1冊読む方が時間がかかることがあります。
 しかし、易しい本を10冊読むよりも、難しい本を1冊読む方が本当の学力につながります。
 そして、難しい本を1冊読み切ることは、易しい本をどれだけたくさん読んでも代替することのできない質的な変化をその人にもたらすことがあるのです。

 話は代わりますが、今、寺オン作文コースや、発表学習コースでは、45分の授業のあとに、子供どうしの読書紹介の時間を設けています。
 まだ始めたばかりですが、子供たちは、先生がいない中、お互いに上手に司会をして読書紹介を進めているようです。
 こういう本の紹介という企画は、家庭でも、近所の友達数人とグループを作ってやっていくことができます。

 家庭で孤独に問題集を解くような勉強をするよりも、友達と読んでいる本を紹介し合うような勉強の方が、その子の本当の実力につながっていくのです。

 勉強は第三でもいいぐらいです(笑)。
 先日、発表学習コースのミニ保護者懇談会で、小学3年生の子の保護者の方から、次のような質問がありました。
「本当に、読書だけでいいんですか」
 その子は、それまでは、家庭学習である程度難しい算数の考える問題などをする時間があったそうですが、今の家庭学習はほとんど読書だけの毎日だそうです。
 もちろん、それでいいのです。

 私の考えは、小学校低中学年で考える問題などやっても意味がないというものです。
 なぜかというと、それは本当の意味で考える問題ではなく、パズルを解くような考える問題か、あるいは設定がややこしいだけの難問だからです。

 勉強をする毎日の習慣をつけておくことは大切ですが、それは習慣を作ることが主な目的です。
 毎日決まった時間に机に向かうことができていれば、短時間でもそれで十分なのです。

 もちろん、今の学年で、少し難しい問題をテストで出された場合、長い時間勉強をしている子はその問題がすぐに解けるのでテストの成績がよくなります。
 勉強時間が短く、読書だけをしている子は、解くのに時間がかかるので、大体点数は悪くなります。
 しかし、ここで目先のテストの点数に目を奪われてはいけないのです。

 その子の本当の学力がどのへんにあるかということは、小学校のテストの成績ではわかりません。
 その子の学力は、親子の対話の中でおのずからわかります。
 親が話したことをそれなりに理解し、自分の考えたことをそれなりに言える子であれば、学力は全く問題ありません。
 そして、その学力を育てる根本が読書なのです。

 ということを書いているとき、ちょうど「月刊致知」8月号が届いたので、何気なくページをめくっていたら、偶然次のような記事がありました。

 今年4月に、川島隆太東北大教授が座長を務める仙台市のプロジェクトで、「読書習慣と学力」の関係を示したデータが出されたそうです。これは、小学5年生から中学3年生までを対象にした3年間分のデータをもとにしたものです。
 このデータによると、読書時間が長いほど成績がよく、1日に1時間から2時間読書をする子は、読書をしない子に比べてかなり高い成績を残していることがわかりました。
 そして、1日の勉強時間が30分から2時間未満であっても、1日に10分以上の読書をすれば、読書をせずに1日2時間以上勉強している子供より偏差値が高くなっていることもわかったのです。
「読み聞かせが明日の教育をひらく」(泡渕栄人)より

 もちろん、読書は年齢に応じて発展させていく必要があります。
 それは、先日、「答えのない勉強としての読書――子供の読書生活をどう発展させるか(その1)」でも書きましたが、毎読、多読、難読という発展段階です。

 最初は、何しろ毎日、1日も欠かさずに本を読む習慣をつけることです。これが毎読です。

 次は、何しろ好きな本をたくさん読むことです。これが多読です。
 中には大人から見てくだらないと思われるような本であっても、本人が熱中しているのであればそれを認めてあげることです。
 ただし、ここで言う読書の定義は、字のスペースが絵のスペースよりも大きいものとしますから、マンガ、学習マンガ、絵本、図鑑、雑誌などは含みません。それらは読書ではなく娯楽として読んでいけばいいいのです。
 この多読の時期に、その子の読書力よりも難しい本を読ませようとすると、かえって読書の絶対量が減ってしまいます。

 多読の段階のあとは、難しい本を読むことです。これが難読です。
 小中学生の場合は、説明文や意見文の本で、高校生以上の場合は古今の名著と呼ばれる古典です。
 時には、易しい本を10冊読むより難しい本を1冊読む方が時間がかかることがあります。
 しかし、易しい本を10冊読むよりも、難しい本を1冊読む方が本当の学力につながります。
 そして、難しい本を1冊読み切ることは、易しい本をどれだけたくさん読んでも代替することのできない質的な変化をその人にもたらすことがあるのです。

 話は代わりますが、今、寺オン作文コースや、発表学習コースでは、45分の授業のあとに、子供どうしの読書紹介の時間を設けています。
 まだ始めたばかりですが、子供たちは、先生がいない中、お互いに上手に司会をして読書紹介を進めているようです。
 こういう本の紹介という企画は、家庭でも、近所の友達数人とグループを作ってやっていくことができます。

 家庭で孤独に問題集を解くような勉強をするよりも、友達と読んでいる本を紹介し合うような勉強の方が、その子の本当の実力につながっていくのです。


 国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

コメント欄

森川林 2018年7月6日 10時11分  
 読書は、なぜ勉強よりも学力がつくのでしょうか。
 それは、学力とは思考力であり、思考力とは日本語力であり、日本語力を育てるものは読書だからです。
 今行われている勉強のほとんどは、テスト形式の勉強です。
 テスト形式の勉強で問われるものは、知識です。
 算数数学の問題も、難問になればなるほど解き方の知識が必要になります。
 勉強とは、知識をつけるものであり、読書とは、学力をつけるものなのです。


nane 2018年7月6日 10時24分  
 読書好きな子であれば、誰でも、夢中で読んでいて、近く呼ばれても気が付かなかったというような経験を持っています。
 また、親に早く寝るように言われても、どうしても続きが読みたくなり、隠れて読み続けたというような経験を持っています。
 こういう経験があることが、多読の目安です。
 親や先生に言われて、しぶしぶ薬でも飲むかのように読んでいるときは、まだ多読に段階に達していないのです。
 しかし、これをすぐに多読にさせようとするのではなく、まず毎読(毎日読書)を気長に続けていくことです。


都筑のふくちゃん 2018年7月6日 11時18分 sawa1205 
普段、読書が好きだっただけなので、何故、読書が第一か、というテーマは大変参考になりました。毎読、多読、難読というパターンも示唆を受けました。とにかく本を読むのが好き、ワクワクする、集中する、どうすればこれが出来るか、難しいです。74歳になったいまでも電車で座って本を読みだすと乗り越しをしてしまいます。子どもの時からの習慣としか、言いようがありません。

森川林 2018年7月6日 11時47分  
 都筑のふくちゃんさん、コメントありがとうございます。
 電車で本を読んで乗り過ごすなんてうらやましいですね。
 子供たちもそういう読書生活ができるといいのだと思います。

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本当に読書第一、勉強第二でいいんですか 森川林 20180706 に対するコメント

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