ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 3065番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/24
これから脚光を浴びる学力は作文力 as/3065.html
森川林 2017/10/12 06:06 


 現在の入試は、国数英理社などの主要教科の試験が中心になっています。
 これらの教科の中でも、特に差がつくのは数学と英語です。
 反対に、あまり差がつかないのは国語です。

 なぜかと言うと、数学と英語は知っているかどうかという知識の差が点数の差となって現れるからです。
 数学を考える教科という人がいますが、入試の数学は考える教科というよりも、解法を数多く身につけてそれをあてはめる教科です。
 ですから、難問の解き方の解法を覚えるのに時間をかけた人の点数が上がるという仕組みになっているのです。

 こういう入試が本当の学力を評価していないのではないかという反省から、現在、入試改革が行われようとしています。
 しかし、今考えられている2020年度の入試改革は、今の採点技術の水準を前提にした不十分なものです。

 それは例えば、国語の記述の問題や作文の問題が極めて少ない字数で行われるというところなどに表れています。
 しかも、その少ない字数の記述式の問題であっても、実際に採点するとなると採点する側の負担は○×式の試験に比べて比較にならないほど大きなものになります。
 だから、中途半端に記述式の問題を出すよりも、○×式でのテストの方がコストと効果を考えた場合、ずっとよいものだというのが今の採点の技術の水準です。

 ところが人工知能を利用すれば、作文小論文の採点が一瞬で人間よりも正確にできる時代がやってくるのです。
 これについては、私にも確かな見通しがあります。
 人工知能だけの採点では不安があるという場合は、しばらくは、人工知能の採点で第一次の合格枠を絞り、その狭められた枠の中で人間が採点するという方法も考えられます。
 しかし、いずれは、大学入試程度の小論文であれば、人工知能だけで十分な評価ができるというようになるでしょう。

 この人工知能による作文小論文採点が行われるようになると、国数英理社の教科の試験は、現在のようにガラパゴス化した難問ではなくなります。
 高校の教科書レベルの学習が、全教科にわたってしっかり行われているかどうかというごく普通のものになってきます。

 作文力小論文力というのは、言葉を変えて言えば考える力と表現する力です。
 この考える力思考力と、表現する力作文力さえあれば、他の教科の勉強は、基礎となる学力さえあれば、必要に応じていくらでも進めていけるようになります。
 だから、教科の学力は、全教科にわたる基礎学力がついていればそれで十分なのです。

 このように考えると、これから脚光を浴びる本当の学力は作文力ということになります。

 しかし、今の作文指導のほとんどは、小学校は小学校の生活作文で完結していて、中学はまた中学の作文で完結し、大学入試の小論文はそれだけで完結するという連続性のないものになっています。

 必要なのは小学校低学年の生活作文のレベルから考える要素が段階的に入っていき、小学生の作文が、自然に中学生、高校生、そして社会人の作文力につながっていくような指導の流れを作ることです。

 これが、言葉の森が35年前から行っている作文教育です。
 だから、一人の先生が、ある生徒を小学生から高校生まで指導するということがあるのです。
 こういう作文指導を行っているのは、今のところ言葉の森だけだと思います。

 子供の教育に求められるものは、時代によって変化します。
 江戸時代は、読み書き算盤と並んで、馬術や剣術が教育の中心でした。
 しかし、今、馬術や剣術を習っているような子は、趣味の世界をのぞいてはまずいません。

 現代の教育は、制限時間内に多数の難問を解く受験教育が中心になっています。
 このため、解法を身につけるとか、捨てる難問を見極めるとかいう本来の学力とは関係のない技術が重視されています。

 しかし、これからは人工知能をはじめとした科学技術の発展によって、そういう不自然な教育が是正される時代がやってきます。
 そのときに必要になるのが、作文力を中心とした本当の学力なのです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20171012 1 
 言葉の森が作文教室を始めたとき、全国で、作文を教えているような教室はどこにもあありませんでした。
 だから、すべてオリジナルに、小学生から社会人まで一貫して学べるような教材を作ったのです。
 この教材の基本は、今でもほとんど変わっていません。。


nane 20171012 1 
 人工知能(AI)の導入で変わるのは、職業だけではありません。
 教育の内容も大きく変わります。
 今、進められている2020年度からの入試改革も、今考えられている水準よりも更に大きく変わります。
 それは、辞書になる教育から、辞書を使える教育へという、教育の本来の姿に戻ることなのです。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
作文教育(134) 未来の教育(31) 

記事 3064番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/4/24
意欲的な勉強ができる仕組み as/3064.html
森川林 2017/10/11 06:07 


 勉強で一番大事なことは、意欲をもって取り組むことです。
 試験の前日の勉強の能率は、普段の勉強とは何倍も違います。
 受験の一年間の勉強の密度は、受験がまだ意識に上る前の勉強とやはり何倍も違います。

 この意欲を持たせる方法として行われやすいのが、競争や賞や罰で意欲づけをすることです。
 しかし、本来持っていない意欲を、競争や賞罰で持たせることは、あとになってマイナスの面を生み出すことがあります。
 また、自分の内面から出た意欲ではなく、外から与えられた意欲というものは、自分の生き方として定着しません。
 子供に、自然な意欲を持たせるにはどうしたらいいかということが勉強を進める上でのひとつの大きな課題です。

 今、思考発表クラブで、本の紹介と作文の構想図や自由な経験の発表を行っています。
 この発表には、評価も競争もありません。賞も罰もありません。
 しかし、どの子も、自分が発表したり、他の人の発表に感想を述べたりすることによって、自然に意欲的な取り組みになっています。

 これからは、こういう形のオンラインの生徒どうしが発表したり感想を述べたりする学習がだんだん増えてくると思います。

 勉強は、独学で自分のペースでやっていくやり方が最も能率がよいのですが、同時に、人間は同じような関心を持つ友達と一緒に学び合うことで意欲を持つことができます。

 自学自習型の勉強と参加交流型の勉強の組み合わせで、能率と意欲の両立する勉強をこれから作っていきたいと思っています。

 そして、こういう勉強の要になっているものが作文です。

 ここで、話が少しややこしくなりますが、作文は必ずしも文章を書くことではありません。
 文章を書いて発表するつもりで考えることが、作文の本質です。
 だから、構想図を書いてそれを発表するところまで行けば、それで作文は半分以上できたことになります。
 簡単に言えば、その構想図を読んで説明するところを音声入力でテキスト化すれば、それがそのまま作文になります。

 話し言葉の文章の密度と、書き言葉の文章の密度は違いますが、構想図を媒介することで話すことがそのまま作文に近い文章になるのです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20171011 1 
 意欲を持たせることは大事ですが、自然に持たせなければなりません。
 賞や罰で意欲づけをしようとすると、賞や罰がないと動かない子になってしまいます。
 意欲の多くは、人間との関わりの中で出てきます。
 小学校低学年の場合は、お母さんやお父さんの関心がその子の意欲になるのです。


nane 20171011 1 
 高学年になると、構想図の段階で、感想もかなり深いところまで考えています。
 子供たちの書いた構想図の例は、こちらのページにいくつか載せています。
https://www.mori7.com/as/3036.html" target="_blank">https://www.mori7.com/as/3036.html


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
発表学習クラス(0) 勉強の仕方(119) 
コメント1~10件
森リンベストの 森川林
じすけ君、ありがとう。 統合失調症のような、また似たような 4/21
森リンベストの じすけ
こわばんは 今日は元気一杯、体験発表をさせて頂きます。 4/20
国語読解問題の 森川林
 あるとき、高3の元生徒から、「国語の成績が悪いのでどうした 3/28
今日は読書3冊 森川林
苫米地さんの「日本転生」は必読書。 3/25
共感力とは何か 森川林
言葉の森のライバルというのはない。 森林プロジェクトで 3/23
3月保護者懇談 森川林
 いろいろ盛りだくさんの内容ですが、いちばんのポイントは、中 3/22
中学生、高校生 森川林
 意見文の書き方で、もうひとつあった。  それは、複数の意 3/14
【合格速報】栃 森川林
 おめでとう!  受験勉強中も、硬い説明文の本をばりばり読 3/13
受験作文と入試 森川林
将来の作文入試は、デジタル入力になり、AIで自動採点するよう 3/13
大学入試が終わ 森川林
大学生になっていちばん大事なことは学問に志すこと。 18歳 3/12
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
4月保護者懇談 森川林
シラン ●今後の「森からゆうびん」の学習デ 4/22
マスクにしても 森川林
マスクにしても、ワクチンにしても、消毒にしても、 自分たち 4/21
イエスも釈迦も 森川林
イエスも釈迦も、理想の社会を築きたいと思っていた。 しかし 4/21
日本復活の道筋 森川林
 工業製品を経済発展の原動力をした資本主義は終わりつつある。 4/17
メモ 森川林
https://www.mori7.com/za2024a0 4/16
単なる作業 森川林
勝海舟は、辞書を買うお金がなかったので、ある人から夜中だけ辞 4/8
勉強は、人に教 森川林
勉強は、人に教えてもらうのではなく、 自分で学べばよい。 4/7
タイマー勉強法 森川林
 勉強も、家事も、仕事も、やらなければならない細かいことがた 4/2
人間の役割 森川林
うちの子が1歳か2際のとき、 車で30分ほどの三浦海岸につ 4/2
舞岡のシラサギ 森川林
舞岡八幡宮に行ったら、帰りにシラサギがいた。 3/29

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習