記事 3497番  最新の記事 <一つ前の記事 一つ後の記事> 2019/7/24 
「『作文下手な日本人』が生まれる歴史的な必然」を読んで
森川林 2019/01/11 07:12 

 東洋経済オンラインの記事に、「『作文下手な日本人』が生まれる歴史的な必然――なぜ、日本人は論理的な文章を書けないのか」が載っているのをたまたま見たので、その感想です。
https://toyokeizai.net/articles/-/259129

 ここに書かれていることは、そのとおりです。

 かつて、木下是雄氏の「理科系の作文技術」という本がありました。81刷100万部のベストセラーだそうです。

 今は、その漫画版も出ています。漫画版の方は、元の本とはかなり印象が違うように思いますから、元の本を読むのがいいと思います。
https://tinyurl.com/yamfplw4

 「理科系の作文技術」のような本がよく読まれたということは、日本の作文教育に疑問を感じている人が多かったからだと思います。
 特に、批判が多いのが読書感想文です。

 読書感想文は、小5以上で、具体的な指導のもとに行えば、とてもいい勉強になります。
 それが、言葉の森で行っている読書感想文指導です。

 しかし、今の学校教育で行われている読書感想文は、小2ぐらいで宿題として出され、しかもほとんどの場合何の指導もありません。
 だから、読書感想文で力がついたとか、楽しく書けたとかいうことがないのです。

 読書感想文の宿題に対する批判が幅広くあるにもかかわらず、この宿題が続くのは、そこに教育利権のようなものがあるからです。
 読書感想文の宿題は、子供の教育のために出されているのではなく、ノルマとして又は惰性として出されているのです。

 言葉の森でも、よく小学校低学年の生徒のお母さんから、読書感想文の宿題が出されているので書き方を教えてほしいという相談が入ることがあります。

 小2の生徒にも、感想文の書き方を教えることはできます。そして、しっかり教えれば入選するような読書感想文も書けます。
 しかし、それでその子の何らかの学力が伸びるということはありません。
 その反対に、面倒なことをやらされたという感覚だけが残り、それがやがて作文嫌いのもとになっていくのです。

 以前、やはり小2ぐらいでよく書ける生徒が、宿題として出した読書感想文を先生に褒められ、いろいろ手直しをさせられて、その結果読書感想文コンクールに入賞したことがあります。
 その生徒が、小6のころに言った言葉は、「あちこち直されて、自分の文章ではなくなったみたいで、そんなに嬉しくなかった」でした。

 言葉の森では、低学年の生徒の保護者から読書感想文の宿題の相談を受けたときは、次のように言っています。
「子供にそんな苦労をさせる必要はないので、お母さんがその宿題を書いてください(笑)。その分、子供には好きな本を読ませてあげてください」
 また、コンクールに応募することになった作品の添削を頼まれたときは、直すのは基本的に誤字だけ、表現をもっと工夫したらいいところは、「ここはもう一工夫」と書くだけです。こちらで、いい表現の仕方を教えることはありません。ところが、「もう一工夫」と書くだけで、ほとんどの子はその部分を上手に書き直してくるのです。

 さて、もとの「『作文下手な日本人』が生まれる歴史的な必然」に戻ると、その内容は、日本では読書感想文と行事作文がほとんどで、説明文のような論理的な文章の指導がないということです。
 これは、日本の作文教育には大体あてはまると思います。

 しかし、言葉の森の作文指導は、論説文を書くことを目標にした意見文と説明文と事実文(生活作文)の指導で、その中に小3からの長文を読んでの感想文指導が入ります。
 だから、感想文や事実中心の行事作文を書く延長に、説明文、意見文の指導があるという構造になっているのです。

 なぜこういうことが可能かというと、それは次のような作文に対する考え方があるからです。
 説明文や意見文的な作文を論理的な作文と呼び、行事作文や生活作文的な作文を描写的な作文と呼ぶとすると、この論理的な作文か、描写的な作文かという対比の先にもっと大事なものがあることがわかります。
 それが、作文を通して育てる個性、知性、感性という理念です。

 説明中心の論理的な作文にしても、事実中心の描写的な作文にしても、共通するのは個性と知性と感性、言い換えれば、創造性と思考力と共感性を育てることが目標なのです。
 そして、その重要な鍵となるのが、小学生の場合は特に、作文の準備における保護者との対話です。作文の課題をもとに親子で体験談や感想を話し合うことが、子供たちの個性、知性、感性を育てる重要な要素となっているのです。

 この親子の対話のほかに重要なのが、読書と音読です。つまり、書く力をつける以前に読む力をつけることです。
 だから、言葉の森では、ただ作文を書いて添削するだけの作文指導ではなく、作文を書く以前の準備、親子の対話、読書、長文の音読と暗唱に力を入れているのです。


■言葉の森の教室紹介
面白い勉強で実力がつくオンラインの学習【動画】

 東洋経済オンラインの記事に、「『作文下手な日本人』が生まれる歴史的な必然――なぜ、日本人は論理的な文章を書けないのか」が載っているのをたまたま見たので、その感想です。
https://toyokeizai.net/articles/-/259129

 ここに書かれていることは、そのとおりです。

 かつて、木下是雄氏の「理科系の作文技術」という本がありました。81刷100万部のベストセラーだそうです。

 今は、その漫画版も出ています。漫画版の方は、元の本とはかなり印象が違うように思いますから、元の本を読むのがいいと思います。
https://tinyurl.com/yamfplw4

 「理科系の作文技術」のような本がよく読まれたということは、日本の作文教育に疑問を感じている人が多かったからだと思います。
 特に、批判が多いのが読書感想文です。

 読書感想文は、小5以上で、具体的な指導のもとに行えば、とてもいい勉強になります。
 それが、言葉の森で行っている読書感想文指導です。

 しかし、今の学校教育で行われている読書感想文は、小2ぐらいで宿題として出され、しかもほとんどの場合何の指導もありません。
 だから、読書感想文で力がついたとか、楽しく書けたとかいうことがないのです。

 読書感想文の宿題に対する批判が幅広くあるにもかかわらず、この宿題が続くのは、そこに教育利権のようなものがあるからです。
 読書感想文の宿題は、子供の教育のために出されているのではなく、ノルマとして又は惰性として出されているのです。

 言葉の森でも、よく小学校低学年の生徒のお母さんから、読書感想文の宿題が出されているので書き方を教えてほしいという相談が入ることがあります。

 小2の生徒にも、感想文の書き方を教えることはできます。そして、しっかり教えれば入選するような読書感想文も書けます。
 しかし、それでその子の何らかの学力が伸びるということはありません。
 その反対に、面倒なことをやらされたという感覚だけが残り、それがやがて作文嫌いのもとになっていくのです。

 以前、やはり小2ぐらいでよく書ける生徒が、宿題として出した読書感想文を先生に褒められ、いろいろ手直しをさせられて、その結果読書感想文コンクールに入賞したことがあります。
 その生徒が、小6のころに言った言葉は、「あちこち直されて、自分の文章ではなくなったみたいで、そんなに嬉しくなかった」でした。

 言葉の森では、低学年の生徒の保護者から読書感想文の宿題の相談を受けたときは、次のように言っています。
「子供にそんな苦労をさせる必要はないので、お母さんがその宿題を書いてください(笑)。その分、子供には好きな本を読ませてあげてください」
 また、コンクールに応募することになった作品の添削を頼まれたときは、直すのは基本的に誤字だけ、表現をもっと工夫したらいいところは、「ここはもう一工夫」と書くだけです。こちらで、いい表現の仕方を教えることはありません。ところが、「もう一工夫」と書くだけで、ほとんどの子はその部分を上手に書き直してくるのです。

 さて、もとの「『作文下手な日本人』が生まれる歴史的な必然」に戻ると、その内容は、日本では読書感想文と行事作文がほとんどで、説明文のような論理的な文章の指導がないということです。
 これは、日本の作文教育には大体あてはまると思います。

 しかし、言葉の森の作文指導は、論説文を書くことを目標にした意見文と説明文と事実文(生活作文)の指導で、その中に小3からの長文を読んでの感想文指導が入ります。
 だから、感想文や事実中心の行事作文を書く延長に、説明文、意見文の指導があるという構造になっているのです。

 なぜこういうことが可能かというと、それは次のような作文に対する考え方があるからです。
 説明文や意見文的な作文を論理的な作文と呼び、行事作文や生活作文的な作文を描写的な作文と呼ぶとすると、この論理的な作文か、描写的な作文かという対比の先にもっと大事なものがあることがわかります。
 それが、作文を通して育てる個性、知性、感性という理念です。

 説明中心の論理的な作文にしても、事実中心の描写的な作文にしても、共通するのは個性と知性と感性、言い換えれば、創造性と思考力と共感性を育てることが目標なのです。
 そして、その重要な鍵となるのが、小学生の場合は特に、作文の準備における保護者との対話です。作文の課題をもとに親子で体験談や感想を話し合うことが、子供たちの個性、知性、感性を育てる重要な要素となっているのです。

 この親子の対話のほかに重要なのが、読書と音読です。つまり、書く力をつける以前に読む力をつけることです。
 だから、言葉の森では、ただ作文を書いて添削するだけの作文指導ではなく、作文を書く以前の準備、親子の対話、読書、長文の音読と暗唱に力を入れているのです。


■言葉の森の教室紹介
面白い勉強で実力がつくオンラインの学習【動画】

コメント欄

nane 2019年1月11日 7時38分  
 「理科系の作文技術」をamazonで見ると、「よく一緒に購入されている商品」として、「まんがでわかる 理科系の作文技術」と「【新版】日本語の作文技術」が出ていました。しかし、これらはあまりおすすめしません。
 おすすめするのは、「原稿の書き方」(尾川 正二 講談社現代新書)ですが、中古しかありませんでした。
https://tinyurl.com/y9pmw72w

森川林 2019年1月11日 7時45分  
 小学生の作文で、「数字や名前がわかるように書く」というのは、作文の評価の上ではあまり受けません。
 そういう作文を書いて学校で褒められる子というのはまずいないと思います。
 しかし、数字や名前をしっかり書く子は、中学生以降になるとかえって説明文を上手に書けるようになるのです。
 例えば、「ぼくは、○○に行くために、○時○分に、○番線から「○○」という電車に乗り、途中、○○、○○、○○という駅を通って、○時○分に○○に着きました」というような文章を書く子です(笑)。
 こういう子が、中学生、高校生になり、立派な説明文を書くようになるのです。もちろん、味のある説明文をです。


コメントフォーム
「『作文下手な日本人』が生まれる歴史的な必然」を読んで 森川林 20190111 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
ぬねのは (スパム投稿を防ぐために五十音表の「ぬねのは」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

(za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
メルマガの配信
▼バックナンバー
○一般用 ダイジェスト版
○生徒用 完全版

Facebookページ
言葉の森作文ネットワーク
いいね! 17,226件
新着コメント1~3件
音読は文章を文 nane
 黙読は、速読ができます。  それは、 5:46
音読は文章を文 森川林
 文章を情報処理として読むためには黙読が 5:46
音読の学年 nane
 音読をさせて、読み間違える字や、つっか 7/23
……次のコメント

オープン教育 1~3件
オープンの川
鳥の村 1~3件
鳥の村
虹の谷 1~3件
虹の谷
過去の記事

過去の31~60件目を表示
……先の30件
■国語の成績が悪いだけなら大丈夫 6月30日
■7.1週の授業の動画をアップしました――ハイパー作文コースの7.2週は「意見文」 6月28日
■暗唱は毎日欠かさずやるのが最も続けやすい――できるようにさせて褒めるのが教育、できるようにさせないで叱るのは自分勝手(笑) 6月28日
■【事務連絡】「山のたより」の公中検返却日程のプリントミス 6月27日
■読解検定裏話――7月の読解検定はサマーキャンプでも 6月27日
■【重要連絡】言葉の森の料金システムの変更といろいろな企画のお知らせ 6月26日
■STEM教育の先にあるもの――発表学習クラスの授業から 6月25日
■6月の読解検定終わる――百点は2名 6月23日
■STEM教育の先にあるもの(その1) 6月23日
■言葉の森のオンラインスクール宣言――言葉の森は、作文教室を含めたオンラインスクールとなります 6月22日
■自主学習クラスの4週目の実力試験ほかのお知らせ 6月21日
■言葉の森のオンライン学習の特徴 6月21日
■最初の定期テストで高得点――勉強は自分のペースでやるときに最も能率がよい 6月19日
■四行詩いろいろ 6月18日
■友達と一緒に「自宅」で、勉強、読書、交流ができる、対話のあるオンライスクール 6月17日
■6.4週の授業の動画をアップロードしました 6月16日
■教わらないが、いつでも質問のできる勉強が最も効率がよい 6月14日
■今の作文の勉強の仕方で本当に上達しますか――作文が苦手になる前に早めの対策を 6月13日
■公立中高一貫校受検に向けての勉強は無駄にならない 6月12日
■普通の国語のテストと読解検定は違う――国語の過去問対策はなぜ必要か 6月11日
■ウェブカメラを机上に向けて勉強する仕方 6月10日
■6.2週と6.3週の授業の動画をアップロードしました(小1~中1) 6月8日
■勉強の基本は読み書き算盤だが、実は読み書き算盤を続けることがいちば難しい――それをカバーするのが自主学習クラス 6月7日
■グループ学習と個別学習の融合――新しいオンライン教育の仕組み 6月6日
■寺子屋オンラインの「作文クラス」「発表学習クラス」の案内資料(2019年6月) 6月5日
■オンライン学習塾という考え方 6月4日
■オンライン自宅学童という考え方から、オンライン自宅小学校へ 6月3日
■発表学習クラスで創造的な勉強が好きになる 6月1日
■これまでのキャンプの記録を参加者全員にお送りしました 6月1日
■×があるほど良い試験――読解検定試験の結果返却――次回は6月23日(日) 5月31日
……前の30件
HPの記事検索
ホームページの全記事

 言葉の森新聞

Twitter
言葉の森@kotomori

RSS
RSSフィード

代表プロフィール
森川林(本名中根克明)

講師ブログ
言葉の森の講師のブログ

算数の通信教育
できた君の算数クラブ

カテゴリー
全カテゴリー
ICT教育(1)
遊び(6)
新しい産業(23)
暗唱(121)
生き方(41)
息抜き(19)
いじめ(1)
インターネット(25)
英語教育(10)
オープン教育(24)
親子作文コース(9)
オンエア講座(41)
音声入力(10)
音読(22)
外国人と日本語(4)
科学(5)
学問コース(1)
学力テスト(2)
合宿(14)
家庭学習(92)
家庭で教える作文(55)
漢字(17)
帰国子女(12)
教育技術(5)
教育論文化論(255)
教室の話題(26)
行事と文化(1)
ゲーム的教育(4)
合格情報(27)
高校入試作文小論文(10)
構成図(25)
公立中高一貫校(63)
国語問題(15)
国語力読解力(155)
子育て(117)
言の葉クラブ(2)
言葉の森サイト(41)
言葉の森の特徴(83)
言葉の森のビジョン(51)
子供たちの作文(59)
作文教育(134)
作文検定試験(4)
作文の書き方(108)
算数・数学(22)
自習検定試験(10)
自習表(5)
自然災害(1)
実行課題(9)
質問と意見(39)
受験作文小論文(89)
小学校低学年(79)
森林プロジェクト(50)
政治経済(63)
生徒父母向け記事(61)
生徒父母連絡(78)
全教科指導(2)
センター試験(7)
創造力(9)
大学入試(14)
対話(45)
他の教室との違い(22)
知のパラダイム(15)
中学生の勉强(21)
中高一貫校(11)
寺オン作文クラス(2)
寺子屋オンライン(101)
読書(95)
読書感想文(19)
読書実験クラブ(9)
友達サイト(7)
日本(39)
日本語脳(15)
発達障害(1)
発表交流会(20)
東日本大震災(15)
facebook(29)
facebookの記事(165)
プログラミング教育(5)
勉強の仕方(119)
未来の教育(31)
MOOC(2)
無の文化(9)
メディア(8)
森の学校オンライン(2)
森リン(103)
問題集読書(33)
読み物(1)
四行詩(13)
未分類(378)

QRコード






 
小学生、中学生、高校生の作文(2007年4月まで)
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。