ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 3499番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/5/8
言い方のニュアンスに日本文化がある as/3499.html
森川林 2019/01/12 06:34 

 よくある例ですが、海外、例えばフランスなどで交通事故を起こしたとき、日本人が(自分が特に悪いわけでもないのに)、「すみません」と言ってしまうと、その言質をとられ裁判で不利になるそうです。

 しかし、普通の日本人であれば、というよりも、日本文化を身につけている人であれば、事故の責任がどちらにあるかということよりも、相手の気持ちを考えて、とっさに、「すみません」という言葉が出てくるものです。

 ところが、日本でも、そうでない人はいるのです。
 ときどき感じるのは、「こちらはお客様だぞ」という態度で話してくる人です。
 知人に話す場合Gは、それなりのニュアンスというものがあります。それと同じように話せばいいのですが、いかにも相手よりも自分の方が偉いという態度で話すのです。

 それで、私は、いけないことですが、ときどき喧嘩をしてしまいます(笑)。
 ずっと以前、ふりかえか何かで、早朝に電話をしてほしいと言ってきた海外在住の保護者の方がいました。
 私は、それでは講師が負担がかかるので、別の方法を提案しましたが、その人は、「客である生徒と、そちらの先生とでどちらが大事なんですか」などという言い方をしたのです。
 それで、私は、「もちろん大事なのは講師の方です」と言ったら、その後何かいろいろ話しましたが、結局そのふりかえはしないことになりました。

 これがもし、知人に何かを頼むとしたら、相手に負担をかけるような依頼は自然に遠慮するはずです。
 もし頼むとしても、本当に申し訳ないがというニュアンスで話をするはずです。
 それが、いかにも当然の権利のように言うところに、日本文化とは異なるものを感じたのです。

 これは、子供たちの作文についても言えます。
 一方的に相手を批判するような文章は、考えの浅さとともに、相手に対する配慮のなさを表しています。
 中学生以上の作文の、「反対意見に対する理解」というのも、この、考えを深めるためと、相手のよいところを理解するための練習です。
 書き方は、「確かに、(自分の考えとは違う)こういう考え方にも理解できる点はあるが」という形です。
 このように書くことによって、相手の立場に対しても理解を広げていくのです。
 欧米の作文指導では、こういう指導はあまりないと思います。

 ところで、一応ことわっておきますが、私は喧嘩をしたような相手に対しても、全くその気持ちをあとまで残しません。
 人間というものは、いろいろな場面でいろいろなことを言うものですし、常に変化していくものですから、一度や二度のことで良いとか悪いとか決めるものではないからです。三度や四度になっても同じです。
 相手はどう思っているかしりませんが、本当はみんないい人で、たまたま場面場面で違う役割を演じることがあるというだけだと思っています。

 よくある例ですが、海外、例えばフランスなどで交通事故を起こしたとき、日本人が(自分が特に悪いわけでもないのに)、「すみません」と言ってしまうと、その言質をとられ裁判で不利になるそうです。

 しかし、普通の日本人であれば、というよりも、日本文化を身につけている人であれば、事故の責任がどちらにあるかということよりも、相手の気持ちを考えて、とっさに、「すみません」という言葉が出てくるものです。

 ところが、日本でも、そうでない人はいるのです。
 ときどき感じるのは、「こちらはお客様だぞ」という態度で話してくる人です。
 知人に話す場合Gは、それなりのニュアンスというものがあります。それと同じように話せばいいのですが、いかにも相手よりも自分の方が偉いという態度で話すのです。

 それで、私は、いけないことですが、ときどき喧嘩をしてしまいます(笑)。
 ずっと以前、ふりかえか何かで、早朝に電話をしてほしいと言ってきた海外在住の保護者の方がいました。
 私は、それでは講師が負担がかかるので、別の方法を提案しましたが、その人は、「客である生徒と、そちらの先生とでどちらが大事なんですか」などという言い方をしたのです。
 それで、私は、「もちろん大事なのは講師の方です」と言ったら、その後何かいろいろ話しましたが、結局そのふりかえはしないことになりました。

 これがもし、知人に何かを頼むとしたら、相手に負担をかけるような依頼は自然に遠慮するはずです。
 もし頼むとしても、本当に申し訳ないがというニュアンスで話をするはずです。
 それが、いかにも当然の権利のように言うところに、日本文化とは異なるものを感じたのです。

 これは、子供たちの作文についても言えます。
 一方的に相手を批判するような文章は、考えの浅さとともに、相手に対する配慮のなさを表しています。
 中学生以上の作文の、「反対意見に対する理解」というのも、この、考えを深めるためと、相手のよいところを理解するための練習です。
 書き方は、「確かに、(自分の考えとは違う)こういう考え方にも理解できる点はあるが」という形です。
 このように書くことによって、相手の立場に対しても理解を広げていくのです。
 欧米の作文指導では、こういう指導はあまりないと思います。

 ところで、一応ことわっておきますが、私は喧嘩をしたような相手に対しても、全くその気持ちをあとまで残しません。
 人間というものは、いろいろな場面でいろいろなことを言うものですし、常に変化していくものですから、一度や二度のことで良いとか悪いとか決めるものではないからです。三度や四度になっても同じです。
 相手はどう思っているかしりませんが、本当はみんないい人で、たまたま場面場面で違う役割を演じることがあるというだけだと思っています。


 国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

コメント欄

森川林 2019年1月12日 6時36分  
 多様な文末表現の指導なども、日本的な作文指導のひとつです。
 英語では、「○○は△△である」という単純な言い方がほとんどです。
 日本語では、主に相手に対する配慮から、「である」だけでなく、「だろう」「と思われる」「かもしれない」「のはずだ」「と言いたい」などさまざまな語尾の変化があります。
 これが、日本語が論理的でないひとつの理由とされることがありますが、論理は文章の中身にあるのであって、語尾は単なる配慮です。


nane 2019年1月12日 6時43分  
 欧米の作文指導を一度研究したことがあるのですが、偶然、言葉の森が中学生以上に行っている作文指導とかなり似ていました。。
 中1でやっている、意見を書いてその理由を述べるというような構成の仕方です。
 しかし、中2でやっている総合家の主題というのはなかったようです。


コメントフォーム
言い方のニュアンスに日本文化がある 森川林 20190112 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
えおかき (スパム投稿を防ぐために五十音表の「えおかき」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
生き方(41) 作文教育(134) 
コメント1~10件
優しい母が減っ 森川林
 娘さんの友達から怖がられているというお母さん、コメントあり 3:12
優しい母が減っ 娘の友達
娘は中3。私は自称甘い母親です。世の中の厳しい先輩ママたちか 5/7
学習グラフのペ 森川林
言葉の森の今後の方針は、デジタルなデータをアナログで送信する 5/6
森リンベストの 森川林
じすけ君、ありがとう。 統合失調症のような、また似たような 4/21
森リンベストの じすけ
こわばんは 今日は元気一杯、体験発表をさせて頂きます。 4/20
国語読解問題の 森川林
 あるとき、高3の元生徒から、「国語の成績が悪いのでどうした 3/28
今日は読書3冊 森川林
苫米地さんの「日本転生」は必読書。 3/25
共感力とは何か 森川林
言葉の森のライバルというのはない。 森林プロジェクトで 3/23
3月保護者懇談 森川林
 いろいろ盛りだくさんの内容ですが、いちばんのポイントは、中 3/22
中学生、高校生 森川林
 意見文の書き方で、もうひとつあった。  それは、複数の意 3/14
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
マスクしない、 森川林
マスクしない、ワクチン打たない、消毒しない。 人類は、何十 5/7
まだ夜なのに、 森川林
まだ夜なのに、小鳥が鳴いている。 元気がよくていいや。 5/7
夜の山道を車で 森川林
夜の山道を車で走っていると、なぜか左側が暗い。 降りてみる 5/7
競争から創造へ 森川林
競争で勝つということは、負ける相手がいるということだ。 大 5/6
人はみな、未来 森川林
人は皆、未来に生きている。 親がレールを敷こうとしている未 5/4
Re: 読会検 森川林
 千個というのは、立方体のことなので、例えば、1辺が1ミクロ 5/3
なぜ、作文クラ 森川林
なぜ、作文クラスを作文個別より優先するのか。 それは、言葉 5/3
釈迦は言った。 森川林
釈迦は言った。 ――自灯明(じとうみょう)―― 人間は、 5/3
読会検定4月  あかそよ
問題3 Bが〇だと思いました。なぜなら、五段落目の一番最後 5/1
近所のローソン 森川林
毎日新聞を見たけど、記事はまだ載っていまでした。 4/25

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習