ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 4094番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/5/16
オンライン教育は少人数クラスと結びついて初めて効果を発揮する as/4094.html
森川林 2020/06/01 06:16 

 新型コロナウイルスによる学校の休校に対応するために、急速にオンラインビジネスやオンライン学習のニーズが生まれました。
 Teamsの利用者は、2020年3月の1週間で1日当たりのアクティブユーザー数が1200万人増え、合計4400万人になったそうです。
 一方、Zoomの利用者も、2019年12月に1000万人だった1日当たりのアクティブユーザー数が2020年3月には2億人に達したそうです(TechTarget)

 しかし、、現在行われているオンライン学習のほとんどは、単なるビデオ授業であったり、これまでリアルな教育で行っていた授業をそのまま動画として流すものなので、子供たち特に低学年の子供たちの学習意欲を引き出すものになっていません。

 言葉の森では、設立当初から作文の電話指導による「オンライン」教育を行ってきましたが、2013年から、試験的に5人程度の少人数のオンラインクラスを作り、子供たちどうしの対話のある触れ合えるオンライン教育を模索してきた。

 このオンラインシステムには、最初のころはGoogleハングアウトやスカイプを使っていましたが、2017年からZoomを使う形のオンライン教育に切り替えました。
 理由は、性能面でZoomの方が優れていたためです。

 しかし、パソコン操作が苦手という保護者が多く、生徒数はずっと150名程度で推移してきました。

 ところが、2020年3月から、東京都をはじめとする7都府県の学校休校措置が始まり、この休校に対応するため3月8日から国語、算数数学、英語、読書、図工などのオンラインスクールを開始したところ、新規の参加者が増え連日のべ100名の人が朝のオンラインスクールに参加するようになりました。

 オンライン学習は、他の学校や塾でも行われるようになりましたが、言葉の森の場合は5人程度の生徒数を維持し、先生による生徒の個別の指導もあるオンライン学習ですから、1コマ45~60分550円という有料の企画でありながら保護者から参加型の学習によって子供が意欲的に取り組んでいるという高い評価を受けました。

 言葉の森のオンライン教育と他のオンライン教育との違いは、言葉の森の場合は、低学年の生徒が喜んで参加していたことです。
 オンライン教育の先進国と言われているアメリカでも、実質は授業をただオンラインの動画で流すだけなので、低学年の生徒は授業に集中できないという問題が指摘されていました。

 オンライン教育は、リアルの教育ができないからやむを得ずその代替手段として行われるものではなく、リアル教育ではできないオンライン独自の特徴を生かして行われて初めて意味あるものになります。

 そのオンライン独自の特徴とは、同質の少人数のグループの対話と交流のある教育が可能になるということです。
 つまり、オンライン教育に参加する子供たちが、いつの間にかそこで親しい勉強友達になることを目指したオンライン教育だということです。
 そのための参加生徒数の上限は、5名程度です。

 これまでの経験で、生徒数が4~6名であれば、全員が発言し密度の濃い授業ができることがわかりました。
 これが7名になると、かなり忙しく授業をしなければならなくなります。
 しかし、3名以下になると、友達どうしの交流が少ない、やや寂しい授業になります。

 また、学年がほぼ同じで、同性の集団であれば話がはずみますが、そうでないと生徒どうしの自然な交流が少なくなります。
 さらに、授業の形態も、正しい答えを教えるような詰め込み学習的なものではなく、生徒一人ひとりが参加し発言するような性質のものにする必要があります。

 言葉の森の考えるオンライン教育の理想は、小学校低学年のころからオンラインスクールで仲よくなった子供たちが、小学校高学年になっても同じように勉強を続け、中学生になっても、高校生になっても、さらに大学生になっても、社会人になっても同レベルの知的交流を続けていけることです。
 もちろん、途中でクラス替えがあったり、新しい教科による新しい出会いがあったりするでしょうが、学習を通じて交流するというつながりは続いていきます。

 学習を通しての交流を続けるためには、互いに切磋琢磨し、同じレベルの学習を維持しなければなりません。
 その切磋琢磨が今でも既に表れているのが、生徒どうしの読書紹介です。

 少人数のクラスで、ある生徒が面白そうな本を紹介すると、ほかの生徒もその本に関心を持つようになります。
 また、高学年になるにつれて、一人ひとりができるだけ自分なりにレベルの高い本を紹介するようになります。
 毎回、それぞれが自分の読んでいる本を紹介するだけで、読書の質も量も上がっていくのです。

 しかし、この読書紹介と、その読書に対するそれぞれの質問と感想の時間を確保するためには、生徒数が5名程度である必要があります。

 だから、オンライン教育は、少人数クラスと結びついて初めてその効果を十分に発揮できるようになります。
 8人以上の生徒を相手にしたオンライン教育は、よほどうまく運営しない限り、単にリアルな授業をオンラインで流すだけになります。

 知識を詰め込む形の学習であれば、人数が多くても進めることができますが、生徒一人ひとりの発言と参加を促す形の授業であれば、5名程度の生徒数というのは重要な条件になります。
 そして、これから必要とされる学力は、思考力や創造力や共感力という一人ひとりの発言と参加を必要とする学力なのです。

 新型コロナウイルスによる学校の休校に対応するために、急速にオンラインビジネスやオンライン学習のニーズが生まれました。
 Teamsの利用者は、2020年3月の1週間で1日当たりのアクティブユーザー数が1200万人増え、合計4400万人になったそうです。
 一方、Zoomの利用者も、2019年12月に1000万人だった1日当たりのアクティブユーザー数が2020年3月には2億人に達したそうです(TechTarget)

 しかし、、現在行われているオンライン学習のほとんどは、単なるビデオ授業であったり、これまでリアルな教育で行っていた授業をそのまま動画として流すものなので、子供たち特に低学年の子供たちの学習意欲を引き出すものになっていません。

 言葉の森では、設立当初から作文の電話指導による「オンライン」教育を行ってきましたが、2013年から、試験的に5人程度の少人数のオンラインクラスを作り、子供たちどうしの対話のある触れ合えるオンライン教育を模索してきた。

 このオンラインシステムには、最初のころはGoogleハングアウトやスカイプを使っていましたが、2017年からZoomを使う形のオンライン教育に切り替えました。
 理由は、性能面でZoomの方が優れていたためです。

 しかし、パソコン操作が苦手という保護者が多く、生徒数はずっと150名程度で推移してきました。

 ところが、2020年3月から、東京都をはじめとする7都府県の学校休校措置が始まり、この休校に対応するため3月8日から国語、算数数学、英語、読書、図工などのオンラインスクールを開始したところ、新規の参加者が増え連日のべ100名の人が朝のオンラインスクールに参加するようになりました。

 オンライン学習は、他の学校や塾でも行われるようになりましたが、言葉の森の場合は5人程度の生徒数を維持し、先生による生徒の個別の指導もあるオンライン学習ですから、1コマ45~60分550円という有料の企画でありながら保護者から参加型の学習によって子供が意欲的に取り組んでいるという高い評価を受けました。

 言葉の森のオンライン教育と他のオンライン教育との違いは、言葉の森の場合は、低学年の生徒が喜んで参加していたことです。
 オンライン教育の先進国と言われているアメリカでも、実質は授業をただオンラインの動画で流すだけなので、低学年の生徒は授業に集中できないという問題が指摘されていました。

 オンライン教育は、リアルの教育ができないからやむを得ずその代替手段として行われるものではなく、リアル教育ではできないオンライン独自の特徴を生かして行われて初めて意味あるものになります。

 そのオンライン独自の特徴とは、同質の少人数のグループの対話と交流のある教育が可能になるということです。
 つまり、オンライン教育に参加する子供たちが、いつの間にかそこで親しい勉強友達になることを目指したオンライン教育だということです。
 そのための参加生徒数の上限は、5名程度です。

 これまでの経験で、生徒数が4~6名であれば、全員が発言し密度の濃い授業ができることがわかりました。
 これが7名になると、かなり忙しく授業をしなければならなくなります。
 しかし、3名以下になると、友達どうしの交流が少ない、やや寂しい授業になります。

 また、学年がほぼ同じで、同性の集団であれば話がはずみますが、そうでないと生徒どうしの自然な交流が少なくなります。
 さらに、授業の形態も、正しい答えを教えるような詰め込み学習的なものではなく、生徒一人ひとりが参加し発言するような性質のものにする必要があります。

 言葉の森の考えるオンライン教育の理想は、小学校低学年のころからオンラインスクールで仲よくなった子供たちが、小学校高学年になっても同じように勉強を続け、中学生になっても、高校生になっても、さらに大学生になっても、社会人になっても同レベルの知的交流を続けていけることです。
 もちろん、途中でクラス替えがあったり、新しい教科による新しい出会いがあったりするでしょうが、学習を通じて交流するというつながりは続いていきます。

 学習を通しての交流を続けるためには、互いに切磋琢磨し、同じレベルの学習を維持しなければなりません。
 その切磋琢磨が今でも既に表れているのが、生徒どうしの読書紹介です。

 少人数のクラスで、ある生徒が面白そうな本を紹介すると、ほかの生徒もその本に関心を持つようになります。
 また、高学年になるにつれて、一人ひとりができるだけ自分なりにレベルの高い本を紹介するようになります。
 毎回、それぞれが自分の読んでいる本を紹介するだけで、読書の質も量も上がっていくのです。

 しかし、この読書紹介と、その読書に対するそれぞれの質問と感想の時間を確保するためには、生徒数が5名程度である必要があります。

 だから、オンライン教育は、少人数クラスと結びついて初めてその効果を十分に発揮できるようになります。
 8人以上の生徒を相手にしたオンライン教育は、よほどうまく運営しない限り、単にリアルな授業をオンラインで流すだけになります。

 知識を詰め込む形の学習であれば、人数が多くても進めることができますが、生徒一人ひとりの発言と参加を促す形の授業であれば、5名程度の生徒数というのは重要な条件になります。
 そして、これから必要とされる学力は、思考力や創造力や共感力という一人ひとりの発言と参加を必要とする学力なのです。


 国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

コメント欄

森川林 2020年6月1日 6時42分  
 オンライン教育がどこでも普通に行われるようになりましたが、生徒数が8人以上のオンライン教育や、マンツーマンのオンライン教育は、リアルな教育をオンラインで代替したものに過ぎず、せいぜい場所の成約がなくなったというものでしかありません。
 オンラインには、リアルにはない独自の価値があります。
 それが、5人程度の少人数を維持するオンライン教育です。
 そこで生まれるのが、学習のコミュニティなのです。


nane 2020年6月1日 6時59分  
 言葉の森のオンラインは、リアルでできることをオンラインでやるのではなく、リアルでできないことをオンラインでやることを目指しています。
 だから、世間一般のオンライン教育とは、最初の発想から違います。
 それは単に時間や空間の制約を超えるという程度のことではなく、永続する学習コミュニティを日本中に作るということです。

まえ 2020年6月2日 19時39分  
朝オン、子供たちの力に驚かされることばかりでした。勉強に対する集中力はもちろん素晴らしかったのですが、違う場所で過ごしていても、すぐに仲良くなっていき、それぞれの学校のことを話したり、好きな本のことを紹介したり……。休校中という閉塞感のある毎日の中、本当に子供たちはよく頑張ったと思います。そして、自学自習で自分自身の力に自信を持ってもらえたらうれしいです!

森川林 2020年6月3日 8時6分  
 まえ先生、ありがとうございます。ああいうふうに楽しく勉強できるというのが本来の子供たちの姿なのでしょうね。授業の様子を画面から時どき見ていて、生きた勉強をしている感じがしました。
 ところで、森オンの方の午前中も、できるところがあれば試しに入れておいてください。

コメントフォーム
オンライン教育は少人数クラスと結びついて初めて効果を発揮する 森川林 20200601 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
さしすせ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「さしすせ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
オンラインスクール(0) 言葉の森のビジョン(51) 
コメント24~33件
……前のコメント
上手な作文とそ 森川林
 上手な作文とそうでない作文の差は、語彙力の差です。  そ 2/29
ChatGPT 森川林
 創造発表の勉強のネックになるのは、個性的なテーマであればあ 2/28
夏期講習でのデ 森川林
 国語の勉強の方法としていちばんいいのは、ディスカッションで 2/25
教育論に欠けて 森川林
 ボタンの掛け違いは、最後になるまでわかりません。  最初 2/18
教育論に欠けて 森川林
 しっかり勉強して、いい学校に入り、成績を上げて、目指す大学 2/18
創造発表クラス 森川林
創造発表の勉強は、知識的にやるのではなく、実験的にやることが 2/5
齋藤孝さんへの 森川林
私は、ブンブンどりむのようなレベルの低いものは誰もやらないだ 2/4
作文力の土台は 森川林
齋藤孝さんは、「齋藤孝先生が選ぶ 高校生からの読書大全」など 2/4
言葉の森は、オ 森川林
今、小123年生対象の基礎学力クラスと、小456年生対象の総 2/4
言葉の森の作文 森川林
私は、人を批判するのは好きではありません。 大事なことは、 2/3
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
通学が普通、通 森川林
通学が普通、通信はおまけ、 オンラインは特殊な例外(笑)と 5/15
ブンブンドリム 森川林
 ブンブンドリムが、「31年の実績」と書いていたので、   5/15
基礎学力、総合 森川林
 勉強は、家庭学習で十分。  しかし、勉強の進捗状況をチェ 5/13
Re: 読解検 森川林
 ご質問ありがとうございます。  こういう質問ができる 5/10
男は、というか 森川林
男は、というか、自分は、あれこれ説明はしない。 聞かれれば 5/10
大事なのは理念 森川林
大事なのは理念だ。 損得や利害ではない。 遠くの星を目指 5/10
読解検定4月中 あうせれ
問3のAが×だと思いました。←「小学校低学年らしい男の子」と 5/8
マスクしない、 森川林
マスクしない、ワクチン打たない、消毒しない。 人類は、何十 5/7
まだ夜なのに、 森川林
まだ夜なのに、小鳥が鳴いている。 元気がよくていいや。 5/7
夜の山道を車で 森川林
夜の山道を車で走っていると、なぜか左側が暗い。 降りてみる 5/7

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習