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賢い子を育てる、お母さんの科学的関心 as/2794.html
森川林 2017/01/16 04:30 


 子供が、最初に接するのは、両親、特にお母さん、そしてお父さんです。
 子供は両親を通して、社会に接していきます。だから、親の関心が子供の関心に結びつくのです。

 親が科学的なものの見方に関心を持っていれば、子供もそのような関心を通して世の中を見るようになります。
 これが、賢い子を育てる出発点です。
 本を読んだり、勉強をしたりする以前に、子供が親の関心に自分の関心を重ね合わせることが大事なのです。

 しかし、もとから科学好きな親ならまだしも、多くのお母さんは科学的なことにはあまり関心がないと思います。
 そこで、使えるのが、子供向けの科学の本です。

 子供と一緒に科学の本を読んでいると、「へえ、そうなんだ」と、世の中や自然の現象についての新しい理解に感心することがあります。
 特に、自然界は、科学的な考え方の宝庫です。
 自然の中にあるものは、どれもそれなりに必要な科学的裏付けを持って成り立っているからです。

 これに対して、人間社会の現象は、にぎやかな話題が多い割に、科学的な裏付けを通して理解するということはあまりありません。

 また、一般に勉強と言われるものも、科学的なものの見方にはあまり結びつかないものがかなりあるのです。
 特に、成績にすぐに結びつくような勉強は、知識と手続きの理解でなりたっているので、それはそれでとても必要なことなのですが、子供を賢い子にするということにはあまり結びつきません。
 むしろ、勉強の時間が多すぎると、勉強以外の読書や遊びや対話の時間が減る場合もあり、その方が子供の成長にとってマイナスになることもあるのです。

 最近出た科学の本として面白いと思ったものは、「理科好きな子に育つふしぎのお話365」(誠文堂新光社)です。
 390ページもあり、結構重たいので、読み聞かせに使うとしたらお母さんはかなり大変です。
 しかし、ルビがふってあるので、ある程度お母さんが読み聞かせをして、子供が興味を持てば、続きを自分で読むようになると思います。

 科学の本の選び方として大事なことは、ただ知識が書いてあるだけでなく、因果関係のような構造が書いてあることです。
 科学の本とは少し違いますが、時事問題などでも、事実の経過が重要なのではなく、その背後にある因果関係の解説が大切です。しかし、世の中にある時事問題に関する本でそういう観点で書かれているものはあまり多くありまぜん。

 知識が大事なのではなく、その知識の背後にある科学的な関係を知ることで、知的な好奇心が刺激されることが大事なのです。

 以上のような科学的関心について考えたのは、ドクター・中松さんの「私は死んでる暇がない」を読んだのがきっかけです。
 これも、とてもいい本ですから、子供向けではありませんが、ぜひ多くの方におすすめしたいと思います。

この記事に関するコメント
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nane 20170116 1 
 今行っている、小学1~3年生を対象にした科学的な本の読み聞かせがなかなか面白いので、今度その講座をもっと広げていく予定。
 読み聞かせの得意な人は多いと思うので、そのうち募集したいと思います。


森川林 20170116 1 
 子供が最初に接するのはお母さんです。
 だから、子供を賢い子に育てようとするるなら、勉強をさせるよりも前にまずお母さんが世の中を知的な関心を持って見ることです。
 そして、その知的な好奇心を子供と共有するのです。


namura 20170116 10 
子供と一緒に関心を持つことで、親以上に子供の関心は高まりそうですね。

jun 20170116 2 
賢い子供を育てるためには、親自身が向上心を持ち、視野を広げることが大事ですね。

mae 20170116 9 
この本と同じような感じで「頭のいい子を育てるおはなし366」を持っています。ちょうど1年かけてもうすぐ読み終わるところなので、今度はこれを読み聞かせてみようと思います。

touko 20170117 77 
母親は、子育ての中で、自分の関心ごとの影響の大きさをあまり自覚できていないかもしれません。
この記事を読んで、ハッとしました。

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自主性、創造性、思考力、発表力を育てる「寺子屋オプション企画」を春から再編成 as/2793.html
森川林 2017/01/15 13:35 


 言葉の森は、これまで約35年間作文指導をしてきました。
 その中で、いろいろな実績を上げました。しかし、中に、はっきりした成果の出る子もいましたが、なかなか成果の出ない子もいました。

 その原因は何かと考えてみると、成果の出ない子は、作文の土台となる読む力が弱かったのです。
 氷山のたとえで言うと、水面よりも上の部分は、作文という形で表面の現れるところです。しかし、水面下には、その見える形よりも何倍もの読む力や学力や語彙力や経験力があったのです。

 そこで、言葉の森では、作文指導の途中の時期から、音読や暗唱の教材を作り、おすすめ図書の一覧表も作り、問題集読書のアドバイスをし、さまざまな方法で読む力をつけるアドバイスをしてきました。子供とお母さんやお父さんが、作文の課題について対話をすることの重要性も話してきました。

 ところが、ここで新たな問題が出てきました。
 それは、最初はそのアドバイスに沿って家庭学習を始めた子が、数日で飽きてやめてしまうことが多いということです。
 そして、自習を続けるかどうかで、子供と親の言い争いになったり、更には、お母さんとお父さんの言い争いになったりするようなこともありました。

 こちらが、「音読は大事ですから、必ず朝ごはんの前にやってください」などと言えば言うほど、「子供がやらないんです」「親子の喧嘩になってしまうんです」「もう、私もくたびれました」などという相談が増えてきたのです。
 そこで、こちらもだんだん言い方をセーブし、「音読はできるだけやってください」などと言うようになっていったのです。

 しかし、氷山の上が作文の力、氷山の下が、読む力を中心とした学力全体という構造は変わりません。
 そこで、いろいろ試行錯誤をしているうちに、googleハングアウトやskypeという、双方向のメディアがクラウドのサービスとして利用できることに気がつきました。
 これらのクラウドサービスを利用すれば、読む力をつけるための自習も、家庭に任せっぱなしにせず、先生がチェックすることができます。
 特に、国語の問題集読書などは、家庭の中だけで続けることはかなり難しいものですが、skypeのビデオメッセージなどで送ってもらうような形であれば、かなり楽できるようです。

 そこで、今後の作文指導は、氷山の上の部分は通常の作文指導、氷山の下の部分は、「寺子屋オプション企画」というふうに分けてやっていこうと考えたのです。
 しかし、これまでやってきた寺子屋オプション企画は、いろいろな講座やイベントが重なって、一部が重複したり区別がわかりにくくなったりしていました。
 また、これはたまたま時期が重なったということですが、サーバの移転に伴う引越し作業が1月から始まってしまいました。
 そこで、寺子屋オプション企画の再編成とサーバの引っ越しを兼ねて、現在行っているさまざまな企画をいったん休止し、引っ越しが終わったあとに新しい仕組みで再スタートするようにしたいと思いました。

 今後の寺子屋オプション企画の中心になるものは、3つあります。
 第一は、寺子屋オンエアです。これは、自学自習によって学ぶという企画です。
 第二は、オンエア講座です。これは、発表と交流の中で学ぶという企画です。
 第三は、自然寺子屋合宿です。これは、自然と人間との触れ合いの中で学ぶという企画です。
 このほかに、小さな企画としては、プレゼン作文発表、作文検定、暗唱検定、自習検定などがあります。
 いずれも、googleハングアウトやskypeを使うことが多いので、これらの使い方を練習する場も設けていきたいと思っています。
 この春から、作文指導と寺子屋オプション企画の二つを組み合わせて指導していく予定です。


この記事に関するコメント
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nane 20170115 1 
 オンエア○○というと、それだけで、「私はパソコンが苦手だから」とあきらめてしまう人がかなり多いのです。
 その気持はわかります(笑)。
 しかし、いずれも、「案ずるより産むが易し」です。
 もともと人間のやっていることですから、やりだせばみんな何とかなるのです。


森川林 20170115 1 
 先日、保護者の方から、「作文の勉強なのに、どうしてオンエア講座のようなものに力を入れているんですか」と質問されました。
 それは、作文だけの勉強で作文を上達させるのは限界があるからです。
 例えば、流れるような文章を書ける子は、例外なく読書好きです。
 それを、ぎくしゃくした書き方をしている子に、「この子のように書いてごらん」と言っても、かえって作文の苦手意識を強めるだけです。
 だから、作文の土台となる読む力は、作文とは別につけていかなけれがなりません。
 しかも、それを無理なく楽しく続けられるように工夫することが必要なのです。


jun 20170116 2 
新しい仕組みが楽しみです。

namura 20170117 10 
国語力は、全ての科目の土台ですね。

どんぐりかあさん 20170126  
先日、資料請求しました年長児保護者です。資料届きました、ありがとうございます。
うちの小6男児がまさしくこの記事通り、暗唱はすぐに飽き、音読のことで喧嘩になり…。1年生から続けた言葉の森の通信講座は去年やめてしまいましたが、やはり読解力が非常に乏しく、中学入学目前となった今また再開したいと親は(^_^;)思っています。
学校の宿題に忙殺され作文提出が難しくなり やはり通信を辞めてしまった高校生の娘は、受講6年間に力をつけていただいたので、小論文のテストでは労せず高得点を取っています。
中学以降の歯応えのある課題に、休み休みでも食らいついてきたからだと思います。

寺子屋オンエアのような、知らない子と繋がることはあまり好まない小6男児を、再開にどう誘導するか思案中です(^_^;

森川林 20170126  
 どんぐりかあさんさん、コメントありがとうございました。

 暗唱や音読を続けるコツは、それを始める時刻を決めること、その最中に決して注意しないこと、です。
 日によって開始時刻が変わったり、ほんのちょっとしたことでも注意すると(親は必ずと言っていいほど注意したくなるときがありますが)、続けられなくなります。

 新中1の場合、(1)高校入試でも大学入試でも今後の入試は記述力・小論文力が要求されるようになるので、本人がそういうことに気がついたら再開を促してみるといいです。(2)中学生の勉強の基本は、親が内容を把握していることです。中1になったばかりなら内容が簡単ですから、この時期から勉強を見てあげるといいと思います。
 がんばってください。

 新小1の子は、新しく始まるオンエア講座に参加すると、楽しくできると思います。これはおすすめです。

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