重陽、七草、栗ご飯
重陽とは
重陽は、旧暦9月9日の節句のことで、菊に長寿を祈る日です。陰陽思想では、奇数は陽の数、偶数は陰の数と考えます。奇数(陽の数)の中で最も大きい「9」が重なる日であることから「重陽」と呼ばれています。奇数が重なる月日は、陽の気が強すぎるため不吉とされ、それを払うための行事として節句が行われていましたが、後に、陽の重なりを吉とする考えに変わり、祝い事となりました。
邪気を払い、長寿を願って、菊の花を飾ったり、菊の花びらを浮かべた酒を酌み交わしたりしてお祝いをします。また、菊の花に綿を一晩かぶせて香りを移し、その綿で体をふいて長寿を祈ることもありました。
「菊」は長寿によく「効く」のですね。
刺し身などのつまとして添えられている菊の花は、単なる飾りではありません。菊には、体に良い成分が含まれているのです。ビタミン類も豊富で、鎮静作用、抗菌作用、解熱作用などがあります。
「食用菊の王様」と呼ばれているのは、「もってのほか」という淡い紫色の菊です。正式には「延命楽」という名前なのですが、「天皇の御紋である菊の花を食べるのはもってのほか」ということからこの名前がついたと言われています。
秋の七草
「秋の七草」をご存知ですか?
・萩・桔梗・葛・藤袴・女郎花・尾花・撫子の七つのことをいいます。
「春の七草」は、無病息災を願って1月7日に食べる「七草粥」として有名ですが、「秋の七草」は秋の野に咲く花で、お月見のころに鑑賞して楽しみます。
万葉集で山上憶良が、
「秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花」
「萩の花 尾花葛花 なでしこが花 をみなえし また藤袴 朝顔が花」
と詠んで以来、秋を代表する花として親しまれるようになりました。
栗ご飯を作ろう
重陽の節句は、「栗の節句」とも言われていました。9月9日に栗ご飯を作ってみるのもよいでしょう。
準備するもの 米2カップ 栗300g いりごま(黒)少々 酒大さじ2杯 しょう油小さじ1杯 みりん小さじ1杯 塩小さじ3/4
1.米は炊く30分以上前に洗ってざるに上げ、水気をきっておく。
2.栗はたっぷりの熱湯を注ぎ、湯が冷めるまでおいて皮を柔らかくする。渋皮ごと包丁でむき、水にさらす。
3.炊飯器に、米、水440ml、酒、しょう油、みりん、塩を入れる。
4.底からひと混ぜして平らにならし、栗を広げて入れ、普通 に炊く。
5.器によそって、黒いりごまをふる。
びっクリするくらいおいしい栗ご飯の出来上がり!
実行課題集 https://www.mori7.com/jk/ ●Online作文教室 言葉の森