KotobanomoriNo.759

 

言葉の森新聞

 

2002年7月4週号

文責 中根克明(森川林)

  清書はペン書きで(重要)

 7月4週は清書です。これまでに書いた作文のうち、上手に書けたものを書き直して提出してください。

 この清書は、印刷して同学年の生徒に配布し、インターネットの限定ページに掲載します。清書の返却はしませんので、ご了承ください。

 清書の際の注意点

(1)習った漢字は全部使って書きましょう。

(2)たとえや書き出しなど表現の工夫できるところは書き加えておきましょう。

(3)手書きの人は黒のペンで書きましょう。(ホームページから送信する場合を除く)

 特に、(3)のペン書きは、新しいやり方ですので、ご注意ください。

 これまで、清書を読み込むスキャナーの性能上、鉛筆書きの原稿で文字に濃淡のあるものがきれいに読み込めないという現象が発生していました。そのため、今後、清書は黒インクによるペン書きに統一させていただきます。

 小学生の場合は、ペン書きに慣れていないので書きにくいと思いますが、昔の小学生は墨と筆で書いていたことを考えて(笑)我慢してください。

 ペン書きの文字を修整するには、修整シールを使うのが便利です。住所ラベルの空いているところを修整シールがわりにお使いください。使い方は、住所ラベルに書いてあります。

  作文の進度をオープンソース方式で

 前学期から進級方式を復活しましたが、その際、認定機関として「日本作文検定協会」を設置することにしました。これは、言葉の森に限らず、読書作文教育に関心のある方の自由な参加によるオープンな組織として発展させていく予定です。

 具体的には、ウェブ上で、読書や作文の進度について話し合いのできる場を設け、そこでの討論をもとに進度や評価を決めていくというやり方を考えています。

  インターネットの画面に直接作文を書かないように

 パソコンで書いた作文を送る人が増えてきました。しかし、一部に、インターネットの画面に直接作文を書き込んで送信している人もいるようです。画面に直接書き込んでいると、何かの拍子にブラウザが落ちる場合があります。そうすると、せっかく途中まで書いていた作文が消えてしまいます。

 作文はワードなどで別に書いておき、その保存した画面をコピーして、「作文の丘」などに張りつけて送信するようにしてください

  宿題の読書感想文の書き方

   (この記事は昨年の言葉の森新聞に掲載したものに、一部手直しを加えたものです)

   いまの感想文指導には無理がある

 感想文が楽に書けるようになるのは、年齢的には小学5年生からです。小学1〜4年生は、全体の構成を考えて書くという能力がまだ育っていませんから、大人が全体の方向づけをしなければ自分で本の流れに合わせて感想文の流れを考えていくという書き方はできません。

 また、小学1〜4年生の場合、似た話がうまく見つかる場合と見つからない場合とでは、作品の出来に大きな差が出てきます。大人(親や先生)が近くにいて、「この次はこんなことを書いたらいいよ」とときどきアドバイスをしてあげなければまとまった作品を書くことはできません。

 なぜ学校のふだんの授業で感想文を指導せずに、夏休みの宿題というかたちで感想文を書かせるかというと、感想文は(特に低中学年の場合は)、一人ひとり別のアドバイスをしなければならないからで、30人から40人を相手にした一斉指導ではそういうアドバイスはできないからです。

   子供まかせでは書けない

 「なんでもいいから自分で好きな本を選んで、自分で好きなように書いてごらん」ということでは、感想文は書けません。小学生の場合は、大人がなんのアドバイスもせずに感想文を書かせるぐらいなら、感想文を書くことそのものをしない方がいいのです。単に字数を埋めるだけの感想文は、何の勉強にもなりません。

   じょうずな感想文を書くコツはあるが

 書くからには、じょうずな感想文を書いて、コンクールなどに入選したいとはだれもが思うことです。作品の出来具合の半分は、似た話などの題材の部分に支えられています。また、もう半分は、感想の部分の一般化の深まりに支えられています。ですから、感動のある似た話が連想できるような本を選び、感想の部分で大人の人が一般化の手助けをしてあげれば、じょうずな感想文が書けます。

 しかし、こういうかたちで親や先生がアドバイスをすることは、子供にとってはあまりうれしいことではありません。また、親や先生に支えられてじょうずな作文を書いても、教育的な意義はありません。ですから、感想文の目標はじょうずな作品を書くことにではなく、ひとまとまりの本を読み、ひとまとまりの文章を書く練習をするということに置くべきです。

   書き方の手順「まず本選び」

 まず本選びですが、子供が「この本、おもしろいから書きたい」と言うような本が必ずしも書きやすい本であるとは限りません。子供が自分なりに似た話を見つけることができたり、想像をふくらませたりできるような本が書きやすい本です。この本選びは、大人がアドバイスをした方がいいようです。少なくとも、子供には「似た話や想像した話が書けるような本が、感想文の本としては書きやすいよ」と言ってあげるといいと思います。

   書き方の手順「次に字数配分」

 感想文の宿題は、原稿用紙3枚程度(400字詰めで1200字)の分量で指定されることが多いようです。これだけの分量を1日で書くというのは大変です。無理のない字数配分は、1日1枚(400字)です。感想文の宿題をするために、4日間の予定を立てて、1日目に400字以上、2日目も400字以上、3日目も400字以上と書いていって、4日目に全体を通して要らないところを削り、清書するという予定を立てれば無理なく書くことができます。

   書き方の手順「1日目の400字」

 本のはじめの方から一ヶ所、似た話や想像した話の書けそうな場所を選び、そこを引用し、自分の似た話を書き、最後に「たぶん」「きっと」「もしかしたら」などという言葉を利用しながら、自分の感想を書きます。

 本の引用(1)

 ↓

 似た話(1)(もし…だったらと想像してもよい)(たとえも入れる)

 ↓

 感想(1)(たぶん、きっと、もしかしたらなどと考えてみる)

   書き方の手順「2日目の400字」

 2日目も同じです。本の中ほどから一ヶ所、似た話の書けそうな場所を選び、そこを引用し、似た話を書き、感想を書いていきます。

 本の引用(2)

 ↓

 似た話(2)

 ↓

 感想(2)

   書き方の手順「3日目の400字」

 3日目も同じように、本の終わりのほうから一ヶ所選んで書いていきますが、最後の感想のところがちょっと違います。1日目、2日目は、引用した小さな箇所の感想でしたが、3日目は本全体についての感想を書いていきます。

 小学5・6年生の生徒の場合、この感想は、「○○は(人間にとって)……である」というような一般化した大きな感想を書いてまとめます。この感想の部分は、お母さんやお父さんと話し合いをして、子供自身の考えを深めていくといいと思います。そして、「私はこれから」などという言葉を使い、この本から得たことを自分のこれからの生き方にどうつなげていくかを考えてまとめます。中学生の場合は、結びの5行に「光る表現」を入れていくとよいでしょう。

 本の引用(3)

 ↓

 似た話(3)

 ↓

 大きな感想(○○は人間にとって……。私はこれから)

   書き方の手順「4日目の清書」

 4日目は清書です。お母さんやお父さんが全体を通して読んであげると、要らないところが見つかると思います(書いた人自身には、要らない部分というものはなかなかわかりません。これは大人でも同じです)。この要らない部分を削ります。次に、書き出しの部分に本の引用として情景描写の部分を入れられれば、書き出しの工夫ができます。これは無理のない範囲でやっていくといいでしょう。

   書き方の手順「できたらほめる」

 書いている途中でも、書き終えたあとでも、親や先生が「これは、おもしろいね」「それは、いいね」と、子供の書いた内容のいいところやおもしろいところをどんどん認めてあげることが大切です。多少おかしいところや変なところがあっても、子供が書いた内容をできるだけ尊重してあげてください。これと反対に「これは、こうした方がいいんじゃない?」「そこは、ちょっとおかしいんじゃない?」などという否定的なアドバイスをすると、勉強でいちばん大事な子供の意欲をそぐことになります。大事なことは、いい作品を仕上げることではなく、手順にそってできるだけ自力で書く力をつけることです。

   教室では宿題の感想文の個別指導はしませんのでご了承ください。

 感想文の指導には、生徒ひとりずつ異なるアドバイスが要求されます。更に作品として完成させるためには、書いている途中にも頻繁にアドバイスをする必要が出てきます。このような対応は、普段の勉強の中ではできませんので、夏休みの宿題のための感想文指導は、教室では行ないません

 宿題として感想文を提出しなければならないという事情のある方は、教室で練習した長文の感想文で似た話のよく書けたものをベースにして、ご家庭で書き直していかれるといいと思います。

  光る表現(幼長−小5) 2002年7月4週号

●まりりんさん(いほけ/幼長)の作文より(すず先生/7.1週)

 かざりつけもしました。かみでつくったわっかとかさんかくのピンクとあかのかざりなどは まるでほうせきみたいにかんじました。評:ささのはに、ほうせきみたいなかざりをしたのね。とってもすてきないいかたをかんがえたね。

●元基さん(いへぬ/小2)の作文より(はるな先生/7.1週)

 ナスを炒め(いため)たとき、ぼくは油を入れすぎて、目の下にはねたとき、ぼくはいたそうなかおで「いた、いたたたた、めっちゃいたかった」といったら、・・・・・(中略)それでできてあじみをしたら、ぼくは、ほっぺたがおちるようなかおで「すごいおいしい。たねがぷつぷつしてそれから、かわがかりかりしておいしすぎる」といいました。(講評);たとえのひょうげんと、声、顔、動作のあらわしかたがとてもじょうずです。本当においしそう!!

●裕子さん(いせて/小3)の作文より(メグ先生/7.2週)

 お母さんとその女の子の二人でしゅだいかも作ったそうです。まだおぼえていて、歌ってくれました。たぶん、お母さんは、心に今もすごくのこるくらい楽しかったのかなあと思いました。歌ってくれたときは、まるで小さいころのお母さんに会いに行った気分になりました。【評】お母さんの気持ちを想像して書くことができたね。たとえもすてきです。

●さくらんぼさん(いそら/小3)の作文より(めもま先生/7.2週)

 わたしたちは、学校で「ソーランぶし」というおどりをおどっています。その歌はまるで、まつりの音楽みたいでした。(評)祭り太鼓のような勢いのあるソーラン節の音楽を思い起こすと、夏の暑さも吹き飛びそう!!

●理沙さん(いたて/小3)の作文より(ゆえ先生/7.1週)

 なれている人たちは、体をまげて、スピードをコントロールしたり、速くすべれるように、ねころがってすべっていたけれど、私は、初めてなので、いちばんゆっくりのすべ方をしようと思いました。◆評◆まわりの人のようすを、理沙さんらしくじっくりと観察(かんさつ)していますね!二回目にすべるときには、理沙さんもねころがったり、体をまげたりしたのかな?

●理沙さん(いたて/小3)の作文より(ゆえ先生/7.2週)

 私は、組立終わって、できたーっと思いました。私は、思い出してやっていると、できたのです。それから、二、三回やりましたが、何回やってもできました。私は、かんぜんに覚えた、やったーっと思いました。◆評◆かんぜんに覚えることができて、うれしくてたまらない気持ちが、とてもよくことばにあらわれています。ひとりではじめて作ったくす玉、先生も見てみたいな。きっと、いい記念(きねん)になったのでしょうね!

●ゆきんこさん(いとせ/小3)の作文より(きりこ先生/7.2週)

 あたるといたい太さで長さは二階の高さから地面にぶらさがっているぐらいの長さです。<つなの太さと長さが上手に説明できましたね。

●大和さん(いぬむ/小3)の作文より(ゆうこ先生/7.1週)

 そぼろみたいな丸になったうどんのかたまりを見て先生から、「うまい」と言われました。そして、九人ぐらい来て「なんで見にくるのー?」とぼくのメンバーが言ったら、「だって先生に言われたんだもん」と言いかえされて、見せてあげました。自分でさわっても、つるつるしてて、きもちよかったです。【評】←「手打ちうどん」の感触(かんしょく)ですね。おいしく作れて大せいこう♪

●ウサリンさん(いねめ/小3)の作文より(ゆうこ先生/7.2週)

 前回りは、始めにつばめが電線にとまっているようなポーズをとり、グルリンと回ります。そしてさいごに、着地します。着地する時は音を立てないようにします。【評】グルリンと回るのはかんたんですが、文しょうでせつめいするのはたいへんでしたよね!じょうずに書けましたね!!

●ジェリーさん(いひな/小3)の作文より(はるな先生/7.2週)

 <<え10み>>でも、やっぱり全部の作品がかわいく見えて、私がお母さんに誉められて、嬉しくなればなるほど手紙は益々美しく、かわいく見えました。 (講評);できばえを誉められると、本当に豊かな気分になるものですね。そして、作品づくりへの大きな自信にとつながっていきます。そのことが、とてもすなおに表現できました。

●とねちゃんさん(いほに/小3)の作文より(メグ先生/7.2週)

 (長なわは)一人ではなく二人で回して何十人もあつまってとぶのです。まるでにじがひっくりかえっているようです。【評】自分らしいたとえをつかうことができたね。<<え1689み>>

●ハリー・ポッタさん(ありる/小4)の作文より(すず先生/7.1週)

 「うでをのばして。」と言われ、いつものようにのばそうとすると、グキッという音を立てたように思われました。そして、ひじにくぎをさされたように、痛みを感じました。評:「ひじにくぎをさされたよう。」わぁ、なんだかすごく痛そう!!

●スマイリーさん(いのめ/小4)の作文より(メグ先生/7.3週)

 21世紀は、私たちの時代です。新しい物をどんどん取り入れて、古い物も残していけたら良いと思います。【評】新しい物を取り入れるだけではなく、古い物も大切にしていきたいですね。

●彩花さん(いへゆ/小4)の作文より(ふじのみや先生/7.2週)

 (あーあ、じゅぎょうが四十分くらいあるんやったら休みじかんも、せめて二十分くらいは、とってほしいなぁ) 【評】思ったことを、すなおに文にしていますね。先生も子どものころよく同じことを考えました。

 

●MIZUさん(いみち/小4)の作文より(ゆえ先生/7.3週)

 もしじしんが起きて、 落ちたりしたら、ガラスがわれて、けがをするかもしれないし、 かじになるかもしれないからです。◆評◆たしかに、あぶない!今の時代の、電気のあかりなら、じしんのときもけがはしないですみますね。パソコンをつかえるのも電気のおかげだし、100年前の巳之さんたちに、今の生活を見せてあげたいですね!

●ロベルト・カルさん(いやあ/小4)の作文より(ふじのみや先生/7.2週)

 うまくキャッチできた時はまるで心がなにかすかっとしたようでした。【評】「すかっと」が、ボールを受けた時の気持ちをぴったりあらわしているね。

●たけっちさん(いるた/小4)の作文より(はるな先生/7.2週)

 サッカーでたまに「がんばったね」といわれるのが、ぼくにとっていちばんうれしいことです。だから、ぼくもたまにすごいシュートを決めるときがあります。そのときが、ぼくにとってさいこうにうれしいです。(講評);周りの人にほめられると、本当にうれしくなって、ファイトがわきますよね。張り切ってシュートを決め、好結果(こうけっか)をだしたときのあなたの笑顔が目に浮かぶようです。

●ビーバーさん(あにい/小5)の作文より(メグ先生/7.2週)

 日本人は中途半端なので、それに流されないで、中途半端なところを一つずつ直していきたいと思う。【評】日本人は周りに流されやすいところもあるものね。

●ナッチさん(あめか/小5)の作文より(メグ先生/7.3週)

 昔、妹は、野菜だけ口に残し、飲み込まないのだ。両親がお菓子と一緒に飲み込ませようと必死だった。だが、お菓子だけ飲み込んでいたようだ。今は、野菜を沢山食べている。まるで別人のようだ。私は、人ってこんなに変われるんだということが分かった。【評】成長とともに食べ物の好みも変わっていくのですね。

●ひつじさん(あらる/小5)の作文より(メグ先生/7.2週)

 モナリザの絵は、びっしりつまっていて、私には、まるでオモチャ箱の中に入っている物のようだった。【評】上手なたとえが使えたね。

●ひつじさん(あらる/小5)の作文より(メグ先生/7.3週)

 虫かごにえさとして入れたレモンの葉がすこし時間がたってから見てみたら、もうなくなっていてその時は、すごくびっくりした。まるでアゲハのよう虫の早食い競争のようだった。【評】アゲハの幼虫は、本当にものすごい勢いで葉を食べるよね。

●直樹さん(あろら/小5)の作文より(メグ先生/7.3週)

 僕は小さい頃、やわらかい食べ物を食べている。例えばおかゆやヨーグルトだ。今は少しだけ固いお肉やお菓子を食べている。大人になると、ビールやワインなどアルコールがはいっている飲み物を飲む。それにつけておつまみもよく食べる。おじいちゃんんになるとしぶいお茶やせんべいをよく飲んだり食べたりする。【評】年齢とともに変わっていく人間の食べ物に対する好みについてわかりやすく書くことができたね。

●ハッピーさん(あろる/小5)の作文より(メグ先生/7.3週)

 私は、幼稚園のころ、クラスのみんなでカイコを飼っていたことがある。虫がすごく苦手な私にとっては、まるで地獄に落ちたような気分だった。【評】たとえがうまいね。虫が苦手な人にとってカイコは見るだけでもぞっとするでしょう。

●PINPAさん(いなに/小5)の作文より(みのり先生/7.2週)

 先生の耳からは雑草のように毛が生えていた。余白が少し残っていれば必ず長谷川先生は 「小鳥書きなさい。小鳥書きなさい。」 と言う。長谷川先生はきっと小鳥が好きなのだろう。しかし、どんなテーマのときでも余白が残っていればこの口ぐせを言う。例えば『おに』がテーマな時。もちろん鳥が回りにいてもおかしくはないがおにと鳥というのは親戚だっ

●薫さん(いねむ/小5)の作文より(すず先生/7.1週)

 悩むこと数十分。私はいきなりそふぁーから立ち上がり、それと同時に、「キャンディー!」と、叫びあげた。それはまるで、びっくり箱から人形がすごい勢いで飛び出るように、キャンディーならプリティーでかわしいし元気な感じもするので、私はキャンディーと言う名前は理想の名前だなと思った。評:かおるちゃんのハムスターのイメージにぴったりの名前が見つかったね。たしかに、花の名前じゃあちょっとおとなしすぎるよね。

●ロップイヤーさん(いほよ/小5)の作文より(メグ先生/7.3週)

 言葉も、成長とともにかわっていくのだ。たとえば小さいときは、かわいらしかった言葉も、今ではにくたらしく、まるで、せみのようだ。【評】言葉も成長とともに変わっていくものですね。

●昌尭さん(いよあ/小5)の作文より(はるな先生/7.2週)

 日本人はあいまいに応えることが多いと思う。ぼくも、友達からたのまれてできないのがわかっているのに、相手に悪いと思い生返事をしてしまうことがある。・・・・(中略)・・・・ぼくは、この話を読んで、日本人が「イエス、ノー」をはっきり言わない理由がわかった。相手を傷つけないという考えは良いと思う。けれど、国際社会では通用しないので、注意が必要だと思った。(講評);体験実例がなかなかおもしろくてよかったね。日本人のあいまいさに対するあなたの正しい考えをしっかり述べたので、大変印象的です。客観的に物事をとらえ、グローバルに考えている点が、実にすばらしい!

 

  光る表現(小6−社) 2002年7月4週号

●友葵さん(あしも/小6)の作文より(ゆり先生/7.2週)

 私は、小さい頃、「ごはんつぶ残したら、目がつぶれてしまうよ。だから、一つぶも残さずに、食べなくちゃたねだよ。」と言われていた。その時は、「え〜!!目がつぶれたら、大変だから、食べなきゃ!」と、本気で信じていた。もし、本当だったらとっくに、ほとんどの人の目がつぶれているだろう(笑)。しかし、そういう迷信があるほど、お米はとても重要なのだ。【評:日本人にとってお米が大事ということを、分かりりやすく説明できたね。】

●茜さん(あろさ/小6)の作文より(ゆうこ先生/7.1週)

 「雨だよー。らいむの散歩ムリかなー。でも外でしからいむトイレしないし……。小雨だだから行くよ。」「ちゃんとレインコート着て、長ぐつをはいていかないと。」お母さんが注意した。もうすっかり梅雨の季節だから、雨の日でも小雨の時に行くようにしないと、散歩に何日も行けなくなってしまう。【評】長い会話文から始まる、楽しい作文の書き出しになりましたね。

●有貴さん(いおし/小6)の作文より(ふじのみや先生/7.2週)

 日本人がホットケーキミックスに目も向けなかったのは、日本人の白ご飯に対するプライドと熱意を表しているのかもしれない。【評】プライドと熱意。よい言葉を選んだね。

●たこ焼きさん(いとつ/小6)の作文より(けいこ先生/7.2週)

 本を読むことで、何のためになるのか。私は、人の人生も知れるし、その人の考えなどもわかるから、自分の参考にもなると思う。また、本というのはいろいろな時代を、自由自在飛び回ることができる。ある時は、縄文時代にタイムスリップしたり、また反対に西暦2500年にいったり・・・・・。本当にできるとしたら、ドラえもんにどこでもドアをかりて、いってみたい。(笑)しかし、どこでもドアがなくても、物語の中に入り込めばどんな時代でも、いけると思う。それでは、本がこの世からなくなってしまうと、どうなるんだろう。別に、本がなくても生きていける。でも、心が本当に豊かになるのか。……本は、自分の世界、自由の世界、人の世界、懐かしの世界、いろんなことをたくさん教えてくれる。 評:読書の楽しみを、説得力を持って論じられた。本が宝物だと言い切るたこ焼きさんならではの文章だ。

●真樹さん(いよち/小6)の作文より(ゆえ先生/7.2週)

 春になると外はとても暖かく辺り一面雪が溶けて、ふきのとうやつくしなどがひょっこりと顔を出す。ぼくはそういう季節が好きだ。 ◆評◆真樹くんが春を待ち遠しく思って、季節の小さな変化も見のがさないように注意深く観察していることが、よくわかる文章です。私は沖縄という、雪の降らない県に住んでいるのですが、この文を読んで、頭の中に春の風景が浮かんできましたよ!

●キリリさん(いよゆ/小6)の作文より(スピカ先生/7.2週)

 日本人の食生活が洋風化したと言ってもパンがご飯の代わりをできるわけではない。お米はすでに日本の食生活に地中深くまで根を下ろしていたのだ。日本人にとってお米を食べるということは、昔から続く大事な大事な文化のひとつだと思った。 評:日本の米文化について書いた作文の結び。「日本人にとってのお米」というものを見事に一般化して、それを自分らしい表現で書いてくれました。

●チェリーさん(いりひ/小6)の作文より(ゆえ先生/7.1週)

 もし、のろのろ歩いていて、テーブルからおちればケリーは興味を持って食べるということも可能であろう。まだそうと決まったわけではないが、友達が前、「家のウサギは虫食べた。」といっていたので多分そうだろう。◆評◆ケリーに「食べちゃったの?」ときいてみたいですね!この文章には、ケリーの習性を気にしないけど、ちょっとうたがって見ているチェリーさんの気持ちや表情まで、読んでいる人に想像させてくれます。とても楽しい光景ですね!

●チェリーさん(いりひ/小6)の作文より(ゆえ先生/7.2週)

 例えば、日本人はカタツムリを食べないけれど、フランス人はカタツムリを高級料理として食べている。◆評◆よく知っていますね!ところで、カタツムリを最初に食べてみようと思った人は、すごく勇気のある人だと思うのは、先生だけかな?チェリーさんは、食べてみたことがあるのでしょうか。先生はないです。いつか食べてみたいな!

●加恵さん(られ/小6)の作文より(メグ先生/7.2週)

 日本人というものは生まれてから死ぬまで、ずっとお米と一緒に暮らすということだ。「三つ子の魂百まで」ということわざが、「お米の魂百まで」というように変わった感じだ。【評】ことわざの加工がうまいね!

●加恵さん(られ/小6)の作文より(メグ先生/7.3週)

 私は、「ローマは一日にしてならず」ということわざのように、片づけだって、毎日毎日の積み重ねが大切だと思う。人間にとって部屋をきれいにするということは、自分の心をきれいにすることでもあるということが分かった。【評】部屋は、使う人の心を反映しているのかもね。そう考えるとちょっと怖いなあ(笑)。

●田鳥倉部さん(あゆと/中1)の作文より(メグ先生/7.3週)

 親子の中で文化を伝えるということは、日本の歴史を刻むと同じことだ。その親子の間の交流がかけていたら、歴史を刻むことは出来ないのだ。だから、親子の間の交流がなければ文化は、発達しないだろう。 【評】親から子へと文化を継承していかなければ文化の発達は望めないとは鋭い意見。

●ALO-HAさん(あるわ/中1)の作文より(ひまわり先生/7.2週)

 外国語に侵食されない程度に外国語を受け入れ、日本語を大事にし、日本語の良いところと外国の言葉の良いところとをうまく合わせて使う。こういうような丁度良い按配が重要だ。 【評】「外国語をどんどん受け入れるべきだ。」「日本語を大切にするべきだ。」という二者択一的な考え方でなく、「丁度良い按配が重要」と考えたところが良いね。

 

●スヌーピーさん(いうわ/中1)の作文より(ゆり先生/7.2週)

 ファーストフードに行くと、飲み物のことで、「ストロベリーと、チョコレートと、バニラ味がありますがどれにしますか?」とたずねられる。もし、その飲み物をまだ一度も口にしたことがなくて、「ストロベリー」と言わずに「いちご」と言われていたら、私ならチョコレート味かバニラ味を注文していたと思う。なぜかというと、「ストロベリー」と聞くと「甘い味」という感じがするが、「いちご」と聞くと「すっぱい味」という感じがするからだ。私は、すっぱい飲み物より、甘い飲み物の方が好きなのでそうしていたと思う。 【評:元々は同じものを指す言葉も、段々印象がかわってくるんだね。】

●宏一郎さん(いてほ/中1)の作文より(メグ先生/7.2週)

 「英雄が歴史を作るのではなく、歴史が英雄を作る」という名言があるように歴史が言葉を作ったのだからその国の言葉はむやみに変えないほうがいい。【評】長い歴史の中で築き上げられてきた言葉は大切にしたいですね。

●真梨さん(いるい/中1)の作文より(メグ先生/7.3週)

 今、人間の枝術は進歩したとよく言うが、進歩し過ぎて人間関係、人と人との交流が少なくなってしまうのは良くないと私は思う。【評】科学技術の進歩が人と人との関係を切り離すものであってはなりませんね。

●日本太郎さん(あねひ/中2)の作文より(クマのプーさん先生/7.2週)

 大切なことは、子供を子供として扱うか、子供を半大人として扱うかではなく、本人が将来しっかりと  自立した大人になれるかどうかだと思った。【評】 自立した大人になれるかどうか、はとても大切なことですね。過保護のあまり、自立の芽を摘んでしまうことはよくありますものね。

●こめさん(いせか/中2)の作文より(ゆうこ先生/7.2週)

 今、世の中には、野鳥を守るためにも、森林の伐採は避けた方がいいという意見がある。山に住む大部分の野鳥にとって、繁殖地の森林も、越冬地の森林も、消えてしまうと絶滅してしまう。野鳥の数が減ったり、絶滅したりすると、生態系が崩れ、野鳥の餌となっていた昆虫などが急激に増加したりしてしまう。もし、餌になっていたものが、農作物をたべる動物だったら、農作物が大被害を受けてしまうおそれがある。【評】長い文章が連続しますが、語句の整理が行き届き、読点をうまくつかってくれて、論理的な展開になりました。  

●たぬきさん(のと/中2)の作文より(メグ先生/7.3週)

 「大切なのは、健康らしい外見ではなく、健康自身である」という名言があるが、外見的な手助けではなく一番大事なのは本当に手助けをしようとする気持ちである。【評】誰かに手をさしのべるとき、その手が心にまで届くかどうかを考えてみる必要がありそうだね。

●しっぽさん(ほし/中2)の作文より(メグ先生/7.2週)

 親が子どもに愛情を注げば子どもはきちんとそれに応える。子どもが小さい頃から自分は愛されていないと感じたら、それはどのような育て方をしても良い子に育つことはない。子どもは弱いので、親が子どもの気持ちを支えてあげなければならないと思う。【評】いくら一人の人間とは言っても子どもは弱いもの。そんな子どもにとって親の愛情はなくてはならないものですね。

●クラシックさん(しふ/中3)の作文より(メグ先生/7.3週)

 工場の増加に伴い、発生した『公害』とよばれる、本来あってはならない魔物モンスター達が比例するように次々と種類を増やしながらまるで赤ん坊のハイハイのようにゆっくりと、この世を闊歩しはじめたのである。【評】公害がじわりじわりとこの世に広がっていくようすをたとえを使ってうまく表したね。

●幸信さん(いほや/高3)の作文より(森川林先生/7.2週)

 そうすれば競争というものが自分の生き残りために相手を蹴落とすものではなく、お互いに刺激し合うことで自分達の能力を高め社会の発展にもつながるような働きも持つ本来の姿にもどるのではないか。◆評:自作の名言になっている。こういう切れ味のいい表現を結びの5行に使うと、文章全体が光ってくるね。

●E34さん(えや/高3)の作文より(メグ先生/7.2週)

 私は“試験に役立つ知識を持った人間”ではなく“社会、そして人の役に立てる知識をもった人間”で生きていきたい。【評】頼もしい言葉です。是非がんばってください!

●UZI.SMGさん(そお/高3)の作文より(森川林先生/7.2週)

 私にとっては、テストという圧力とそれに対する反発力としての自主性、がバランスよく平衡状態を保っているときが最も充実しているようだ。このような経験から私は、「単にテストは競争本位だからダメ、否、競争原理は社会の基本だからテストは必須だ」、「自主性を中心に据えればみな勉強する、否、勉強できない人と出来る人の格差が広がる」などといった単純化された議論には問題があると思う。◆評:なるほど、自分の経験に基づいて考えを深めているので説得力がある。多くの人が共感する意見になったね。

●青ちゃんさん(ひえ/高1)の作文より(ふじのみや先生/7.1週)

 私たちは、できるかぎり、「自由」を求める。だが、それでも、守られるべき「規則」というものがあるのは、お互いの自由を、損なわないためだと思う。【評】自由を守るためには、規則の存在が大切なんだね。よく考えた!

●太公望さん(うの/高3)の作文より(メグ先生/7.2週)

 競争というものは、人間関係にひびをいれ人の心に怨念を抱かせるものではなく自己の昇華のためである。【評】見事な自作名言。

●UZI.SMGさん(そお/高3)の作文より(森川林先生/7.1週)

 僕は時々、近所で地名とその説明の立札を見たり、地域の歴史のコラムを読んだりするのだが、それは何気なくすんでいる町の奥深さを知るのが面白いからだ。やはりそうした教養を学ぶだけの心の余裕を持てるようになれば理想的だと思う。◆評:対策が自分の実際の体験に裏付けられているので、説得力があるね。

 

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