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算数数学の苦手な子は、夏休み中に1冊の問題集の解答を完璧に覚える勉強を――しかし、もっと大事なのは読書によって自分の考えを広げること
森川林 2024/04/03 12:40 

ハナカイドウ

 算数数学の苦手な子がいます。
 苦手な原因は、前の学年でやるべき基礎ができていないことです。

 また、できない子の多くは、勉強の仕方でも、できる問題だけを作業的にやっています。
 だから、できない問題は、いつまでもできません。

 どうしたら、できない問題ができるようになるかというと、それは、できなかった問題の解法を丸ごと覚えることです。
 だから、解答をいつも横に置いて勉強を進めていくといいのです。


 ところで、今の受験のための算数数学には、ただ生徒に点数の差をつけるだけの問題もあります。
 テストの目的が、生徒の実力をつけるためではなく、生徒の間に点数の差をつけるためになっているのです。

 教える先生の多くが、そういうテストをくぐり抜けてきた人なので、そういう勉強を教えることがいいことだと思って授業をしています。


 算数数学を得意にするためには、今の学年、又は、その前の学年の問題集を1冊、夏休み中に完璧に仕上げることです。


 しかし、算数数学ができるようになっても、受験には役立ちますが、人生にはあまり役立ちません。

 例えば、因数分解には、いろいろなパターンがありますが、そういうパターンをいくら知っていても、それが勉強以外の何かの役に立つということはありません。

 因数分解で解を見つけるかわりに、根の公式を使えば、答えは計算で求めることができます。
 この公式を作った人は偉いと思いますが、普通の人は、必要に応じてこういう公式を利用すればいいのです。

 同じような公式として、誰でも利用しているのが、三角形の面積、台形の面積、円の面積、球の体積などです。
 もし、球の体積を忘れたとしても、それは調べればいいだけです。
 なぜ忘れたかというと、日常生活で使う必要がなかったからです。


 では、どういう勉強が役に立つかというと、それは幅広い読書です。
 子供たちは、家庭と学校と友達という狭い枠の中で生活しています。

 社会は無限と言っていいほど広いのに、子供たちの住む世界は、狭い与えられた枠に限定されています。
 この枠を超えるものが、読書です。

 枠を超える読書は、物語文の読書よりも、主に説明文の読書です。
 中学生や高校生が読む本は、ちくまプリマー新書や岩波ジュニア新書などにたくさんあります。
 大学生や社会人になったら、もっと読書の幅を広げることができます。

 自分らしい人生を見つけるためには、勉強に力を入れる以上に、読書に力を入れていくことなのです。
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