この記事は、「
実力をつけるためのわかりやすい自習」の続きです。
これからの教育に求められる方向の第一は、受験や競争に勝つことを中心にした教育から、本当の実力をつけるための教育を目指すということでした。
第二は、外部に委託する教育ではなく、家庭や地域を中心とした自分で学ぶ教育を目指すということでした。
今回は、この第二の、他人任せの教育から自分で学ぶ教育へという話です。
他人任せの教育の弊害を感じるのは、小学校高学年や中学生になってから家庭学習の習慣がなくなる子をよく見ているからです。
例えば、それは読書に現れます。それまで夕方必ず読書の時間を確保していた子が、塾に通い出すようになってから、塾に行く曜日は読書をしなくなります。塾によっては、夕方から夜の9時や10時頃まで勉強させるところがあるからです。
読書というのは、毎日の習慣なので、週に何回か家で本を読まない日があると、時間のあるときでも本を読もうという気が起こらなくなります。ほぼ毎日読むか、ほぼ毎日読まないかという差が大きくなりやすいのが読書です。
読書がそのような感じですから、塾に通い出すと、毎日の音読や暗唱なども当然できなくなります。毎日の短時間の自習が続けられるとすれば、それは朝ご飯前の時間を確保している場合などに限られてきます。
昔の四谷大塚の学習方法は、勉強は家でするもので塾はテストによって今後の勉強のデータを提供するものだという考え方でした。ところが、その後すべてお任せする形の塾が登場しました。そして、やがて競争上どの塾もそういう形で生徒を教えるようになっていきました。
お金を払えば塾ですべて面倒を見てくれるので、この道を選択すると親も子供も自分で勉強の仕方を工夫するということが次第にできなくなってきます。その結果、中学受験で塾に頼ると、高校入試でも大学入試でも塾や予備校に頼るようになります。
もちろん、偏差値のデータなどは家庭では手に入らないものですから、塾や予備校を利用するのはいいのです。しかし、勉強の中身まですべて任せしまえば、自分の力で工夫して何かを切り開くということができなくなります。
塾に任せるという形の学習が、かえって自分で工夫する家庭での学習という生活パターンを崩す原因になっています。とは言っても、小中学生は、まだ自分で計画を立てて勉強することができない時期です。
いちばんいいのは、塾がそれぞれの子供に対して家庭学習のメニューを作り、塾のテストでその進捗状況チェックするという役割を果たすことです。もちろん、それは学校でやれれば、もっといいと思います。今は、塾も学校も勉強を教えすぎるのです。
塾や学校が無駄の多い一斉授業をやめて、テストによるチェックと、個々の生徒に対する勉強メニューの提示という役割を果たせば、勉強の基本は家庭での自主的な学習になり、もっと短時間で能率のよいしかも自主性を育てる学習ができるようになると思います。
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