小学校中学年で作文が苦手だという子のお母さんからから問い合わせがありました。家庭でできる作文の勉強にはどういうものがあるでしょうか、という質問です。
それは、ある意味でとても簡単です。読書と対話の時間を確保していくということだからです。そして、できればその子の書いた文章のいいところをどんどん褒めてあげることです。
普通、小学校低中学年では、作文は苦手になりません。書くことは楽しいことですし、また、この時期は、本を読むことも楽しいことだからです。
作文が苦手だと思っているのは、作文を比較されたことがあるからです。例えば、学校や塾で、「この上手な子のように書きなさい」などと言われたからです(笑)。
作文は、小手先の技術だけですぐうまくなるものではなく、その子のそれまでの読書、対話、経験、そして文章を書く機会の総合化されたものです。特に、読書量の差は大人が考える以上に大きいものです。
日常の会話は、どの子も同じような語彙を使って話していますが、抽象的な話題になると使える語彙の幅はかなり違ってきます。
小学校低中学年で作文が上手だと思われている子は、ひとことで言えば語彙の豊富な子です。語彙が少なければ、どんなによい経験をしてもそれをうまく表現することはできません。
ところが、語彙力は、漢字の学習のようにそれだけを単独で取り上げてできるものではありません。語彙力ドリルのようなもので身につけることはできないのです。
語彙力は、読書や日常の対話を通して、実際の文章の中でその語彙を味わって理解することによって身につきます。
この語彙力が最もよく表れているのが、森リンの点数です。特に、表現語彙の点数は、その子の語彙力とほぼ比例しています。そして、それは学力の可能性とも比例しています。
特に、中学生や高校生の論説的な文章では、森リンの点数はそのままその子の学力と同じと考えてもよいと思います。
では、家庭でこのような語彙力や作文力をつけるためには、どうしたらいいのでしょうか。(つづく)
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