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創造性を育てる作文  2007年1月9日  No.115
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 新年にあたって、勉強の方向を考えるために、今回はちょっと難しく作文の意義について書いてみます。
 書くことは、最初はただ自分の現実を表すことにすぎません。「今日の朝ごはんは納豆と玉子焼きでした」というような文です。
 しかし、多くの経験を積み、多くの本を読むことによって、自分の現実そのものが次第に豊かになってきます。また、自分の使える言葉も、次第に豊かになってきます。
 書くことと現実の間には、もともと小さな隙間があります。それは、作文は現実の一部分しか表すことができないからです。朝ごはんの納豆にはカラシやしょうゆもついていたはずです。しかし、その調子で細かく書いていくときりがありません。
 しかし、現実と表現の両方が豊かになるにつれて、やがて、作文と現実の間に新しい隙間ができてきます。それは、書くことによって、まだ現れていない現実を明らかにするような意味での隙間です。このとき、書くことは、現実を表すことから一歩進んで本質を表すことにつながっていきます。
 作文が創造的であるというのは、このような意味です。それは、表現の創造であるとともに、あるべき未来の創造でもあります。豊かな創造を生み出すためには、経験や読書という自分の現実そのものも豊かにしていく必要があります。その上で、書くことを通して、自分の現実をより一層豊かにする方向を見つけていくのです。
 今年も、大きな展望を持って言葉の森の勉強をがんばっていきましょう。

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