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考えを深める構成図の書き方  2011年7月19日  No.1311
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 構成図を書くことによって、思考の能率が飛躍的に向上します。頭の中で考えるだけでは、考えが堂々巡りをしてなかなか進みません。文章を書く形で考えると、1000-2000字の文章を書くのに1時間ぐらいかかるのが普通です。ところが、構成図という形で書いていくと、わずか7-8分で、その1000-2000字に相当する内容を考えることができます。

 しかも、構成図は自由度が高いので、文章として書くよりもずっと創造的な考えがわいてきます。

 構成図というのは、思いついたことを散らし書き風に短文でメモしていく書き方です。マインドマップのように、カラーペンを使ったり、線を太くしたり、中央から放射線状に書いたりする必要はありません。ノートの左端から、考えたことを短文で書き、矢印を引き、次の短文を書き、また矢印を引き、次の短文を書くというように進めていきます。矢印はどういう方向に出してもいいので、ノート全体で平面的な図を書くような感じで短文を散らし書きにしていきます。

 この方法の利点は、シリアルな文章のように、前後の関係を考えずに書けるということです。例えば、朝ごはんのことを書いているときに、ふと全然関係のない動物園に行ったことを思い出した場合など、文章で書いている場合は、その関係のない動物園の話は書かないようにするか、あるいは、「そういえば、話が変わるが」などとつなぐ言葉を入れて書かなければなりません。文章を書く場合のいちばんの制約が、このつながりに論理的な整合性が求められしまうのです。

 ところが、構成図で矢印でつなぐだけなら、論理的なつながりは考えなくて済みます。この場合の矢印は、意味のつながりとして矢印でなく、ただ考えた順序を示すだけの矢印ですから、「朝ごはんは納豆と玉子やきだった。→動物園は暑いだろうなあ。」などと書いていけるのです。

 この構成図の利点は、自分の頭の中にあることが、文字という目に見える形でノートの上に広げられるということです。しかも文章のように、ひとつながりの時系列的な流れに制約されていないので、自分の考えがそのまま外に表れてきます。その構成図を眺めていると、自然に次々と新しい考えがわいてきます。

 文章に書く形で自分の考えを表に出すとかなり時間がかかりますが、構成図という形で表に出すと、文章を書く数分の1の時間で済みます。

 文章を書くというのは、相手にわかるように書くという面と、自分の考えを深めるために書くという面があります。構成図は、このうち、自分の考えを深めるためという要素だけを抽出したものです。構成図でたっぷり考えを深めておいて、その中の伝えたい部分だけを文章にしておけばいいのです。

 この構成図は、子供の作文にも応用できます。

 書くことがないとか、途中で書く手が止まってしまうとか、必要な字数まで長く書けないという場合、親子で一緒に構成図を書いていきます。二人で話をしながら、子供が言ったり親が言ったりしたことを、親が1枚の紙に書きだしていくのです。短文で矢印でつなぎながら散らし書き風に書いていくので、1枚の紙がすぐに埋まります。思いついたことをどんどん書いていくので、テーマに関係の薄いことでも気楽に書けます。すると、だんだんと書く内容が具体的になってきます。

 1枚が大体埋まったところで、子供に、「これで書いてごらん」と言えば、子供はすぐに作文を書きだせます。このようなやり方をしていくと、子供が自分で構成図を書く方法を身につけます。

 構成図というと、構成を考えるようなイメージがありますが、そういう設計図を書くようなしっかりしたものではありません。ただ思いついたことを散らし書きで書いていくという方法です。また、構成図は、できるだけ簡単な短文で書くのがコツです。作文と同じようなことを短い字でびっしり書くと、かえって二重手間になります。

 事実経過を書くことが中心になる生活作文の場合は、構成図はそれほど必要ではありません。だから、小学校3、4年生では、構成図の書き方を身につけておくという程度に考えておきます。説明文や意見文になると、構成図であらかじめ自分の考えを出しておいた方が書きやすくなります。



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