今年の夏は、読書感想文の宿題についての相談がかなりありました。
なぜ学校でそういう宿題を出すのかというと、普段の授業で読書感想文の書き方についての指導をしていないからです。もし、普段の授業で感想文の書き方を教えていて、その練習を家庭でも行えるようにするということで宿題を出しているのであれば問題はないのですが、ほとんの場合はそうではないと思います。学校で感想文の書き方を教えていないから、家庭での宿題として出しているのです。
ここで問題になるのは、そういう宿題を出された小学校低学年の家庭です。子供はどう書いていいのかわかりません。親もどう教えていいのかわかりません。しかし、宿題として出されているぐらいだから、ほかの家庭では子供が自分でその感想文の宿題をやっているのだろうと思ってしまうのです。ところが、小学校の低学年で、自力で上手な読書感想文を書ける子などはひとりもいません。
これと似ているのが、小学校高学年あるいは中学生での、難しいテーマで書く作文の宿題です。毎年よくあるのが「人権」「平和」「環境」などについての作文です。これも、普段、学校の授業でそういう勉強をしたり、そのことについての作文を書いたりしている延長で、家庭でも宿題として取り組もうということならいいのですが、実際は、学校で教えていないから家庭での宿題として出しているのだと思います。
学校は、勉強を教えるところであって、点数をつけるところではありません。宿題を出す前に、授業の中できちんと指導することに取り組んでほしいと思います。
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