言葉の森では今、家庭学習を中心にした全教科の学習を進める計画を立てています。「作文プラス家庭学習」という形で、子供たちの本当の学力を育てていく予定です。
まず最初に、なぜ作文の勉強が大事かということについて説明します。
これから日本の社会で必要になる学力は、創造性のある学力です。また、創造性を発揮する土台として、読解力と思考力が大切になってきます。この創造力を伸ばす勉強には、作文の勉強が最も相性がいいと思われます。なぜかというと、作文には、構成、題材、表現、主題それぞれの項目に創造力を伸ばす仕組みがあるからです。
(詳しくは、 「創造性を育てる作文1」
https://www.mori7.com/as/1542.html )
また、現実的なことを言えば、今後日本では少子化で入試問題が大きく変化していくことが予想されます。少なくとも、現在のような覚えた知識をただ再現するだけの試験、又は解法を記憶してそれをあてはめるような試験は次第に減っていきます。
日本の大学では、まだこの記憶力を中心とした試験の形態が残っていますが、勉強はこれからグローバル時代に入ります。特に、大学教育においては、インターネットを利用して、自宅にいながらにして世界中の学びたい教科を学習できる条件が広がっています。このような中で、日本の大学も入学試験の形を大きく変化させていかざるを得ません。そうでなければ、日本の大学は世界と同じ基準で生き残ることができなくなるからです。
これまでの入試で必要とされていた学力は、創造する学力ではなく、多数の資料をまとめて整理するというどちらかと言えば機械的な学力でした。それがこれから大きく変わっていくのです。
ですから、作文の勉強は、当面の入試のために必要な人ももちろんいますが、入試に必要ないという場合でも、これからますますその能力が要求されるようになり、やがて創造力を伸ばすという教育の本来の目的から見て、学力の中心となっていくと思われます。
そういう作文の学習が、小学校高学年以上になると、学校でほとんど行われていないのは、作文を教える必要がないからではなく、教えることが難しくまたそれ以上に評価することが難しいという理由によるものです。
言葉の森では、このような考えから作文指導に特化した教育を行ってきました。そして、独学では勉強を進めにくい作文の指導に力を入れるとともに、その反対に、独学でも勉強できる教科の学習は本人に任せていました。
小中高の英数国理社などの教科は、教科書と参考書さえあれば、基本的に誰でも自分ひとりで学べるものです。まして今日のように多くの優れた参考書や問題集がある環境では、独学は更に容易になっています。
ところが、教材や教育機会が多様になるにつれて、かえって独学という形の学習がしにくい状況が生まれてきました。ひとことで言えば、教材が多様すぎて、どう取捨選択したらいいのかわからないという状態が生まれてきたのです。
そのため、子供たちの教育は、かつてのように学校で基本を教えてもらえば、あとは家庭で簡単な宿題をやって学力がつくという牧歌的なものではなくなり、小学校低学年からさまざまな教材や塾を掛け持ちするようなものになってきました。その結果、勉強が多忙になる一方、そのわりには本当の学力がつかず、むしろ長時間の勉強によって勉強の本来の面白さを感じられない子供たちが増えているという状況が生まれてきたのです。
そこで、言葉の森では、作文の学習を中心とした指導をする一方、音読、暗唱、対話のような家庭学習を更に発展させる形で、本来独学で学んだ方が能率のよい英語、数学、国語などの学習もカバーする計画を立てるようにしたのです。 (つづく)
233-0015 横浜市港南区日限山4-4-9
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