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知能を高める教育(その5)  2007年9月12日  No.184
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 先々週号で「その2」、先週号で「その4」となっていましたが、これは、先々週号が、「その2」と「その3」を合体したものだったためです。したがって、「その3」はありませんでした。

 知能を高めるのが読書だとすれば、その知能の結果が表れるの作文です。特に、言葉の森の作文は、学力の集大成になるような文章力を目標としています。
 第一が構成力です。ある課題について、文章の構造を考えて書くというのは、高度な抽象力を必要とします。特に、複数の理由を書くとか、原因や対策を書くとか、複数の意見を総合化するとかいう形になると、書こうとする材料が頭の中ですっかり整理されていなければなりません。よく、頭のいい人の話は、絵や図を見るようでわかりやすいと言います。構成的に書くということは、視覚的にわかりやすい文章を書くということです。しかし、小学生のころは、この構成力が年齢的にまだ十分に育っていません。ですから、構成メモを書いてから作文を書くという作業は、小学生には無理があります。小学校低中学年のころは、むしろ中心を決めて書くことに専念していれば十分です。
 第二が表現力です。名言の引用やことわざの加工は、抽象概念どうしの組み合わせが必要です。抽象概念を組み合わせる力がある人は、どういう意見にも、名言やことわざを組み合わせることができます。小学生のころには、この組み合わせる力は、たとえの力やダジャレの力として表れます。事実と言葉の組み合わせから、言葉と言葉の組み合わせや、概念と概念の組み合わせに発展していくのが表現の練習です。
 第三は題材力です。小学生のころは、似た話や聞いた話を入れて書くという練習をしていますが、中学生や高校生になると、体験実例や社会実例を組み合わせて書く練習になります。この社会実例も、データ実例、伝記実例、昔話実例といろいろな種類があり、いずれも実例の背後にあるテーマを組み合わせるという高度な抽象能力が必要となってきます。
 第四は長文を読んで書くという難読の部分です。単に難しい文章を読むだけでなく、その文章のテーマを考えて感想文を書くという視点で読むので、これも高度な抽象能力が必要とされます。
 ですから、言葉の森で勉強しているような形の作文を自力で書ければ、その人の考える力はかなり高いということができます。これは、私が実際に生徒の作文を見ていて日々感じることです。簡単に言えば、いい文章を書ける子は頭がいいということです。そして、その文章力の土台には、高度な読書力があります。

233-0015 横浜市港南区日限山4-4-9言葉の森オンラインスクール 電話045-353-9061
 
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