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コメント欄
「ユダヤ人とイスラエルを同列に論じるのはおかしい」というご指摘があったので、そのお返事です。
確かに、ユダヤ人=イスラエル国籍ではありません。
ノーベル賞の国別の受賞者で言えば、アメリカやイギリスが上位で、イスラエルはずっと下です。だから、いろいろな国籍のユダヤ人ということになります。
とは思ったのですが、ユダヤ人の教育の特徴は、家庭における教育にあると言われています。
家庭で読書や話し合いや聖書の朗読を大事にする文化があり、それがユダヤ人の学力の背景にあるのです。
すると、そういう家庭文化を共有するはずのイスラエルの子供たちの学力も、平均的にはもっと高いはずだと思われるはずですがそうではありません。
だから、平均的な学力の高さと、突出した創造力とは、似ているが別のものだと考えられるのです。
今の日本の教育の問題は、平均的な学力を高めることに力を入れすぎていることです。
だから、大学で学生に書かせるレポートも、どれだけいろいろな文献をきちんと引用できているかで評価されています。
独創的なことを述べると、「十年早い」と言われるような文化が日本の学問の世界にはあるのだと思います。
引き続き、コメントがあり、「イスラエルには、多様な民族多様な言語がある」という話でしt。
そこで、再度、お返事。
なるほど、そういう事情があるのですね。
子供時代にどういう言語環境で育つかということは、かなり重要だと思います。
母語を確実に定着させる環境があるということが大事なのでしょうね。
ところで、学力テストで上位を占めた秋田県、福井県などの教育と、大学入試に向けた受験勉強向けの教育とはかなり違います。
更に、受験勉強向けの教育と、ノーベル賞向けの教育(というものがあった場合)も、かなり違うと思います。
PISAで測られる学力は、学力テストの教育と受験勉強の教育の中間ぐらいにあるものだと思います。
つまり、基礎的なところでは、家庭の教育的な環境に支えられているが、ある程度は学校などの組織的な取り組みで向上するものです。
日本におけるPISAの学力の問題点は、その平均的な成績よりも、下位のグループの成績が低下し、学力格差が大きくなっていることです。
だから、下位の学力を上げるための家庭と学校の取り組みが必要なのですが、仮にそれが上がって平均点が上がったとしても、それで安泰というわけではありません。
PISAの点数や受験勉強の点数が上がることの延長に、創造的な学力があるのではないからです。
むしろ、今の問題は、受験勉強向けの無駄を省いた勉強で、学力の厚みのない、成績だけがよい子が増えているように思えることです。
だから、日本のこれからの教育の目標は、下位を引き上げることと、上位をより創造的な学力に発展させていくことであって、平均的な学力を高めることではないと思っています。
(話が広がりましたが)
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