新しいメディアが登場したとき、最初の世代は、それに翻弄されます。そして、その最初の世代の試行錯誤のあとに、次の世代はそのメディアとうまく距離を保ってつきあえるようになります。
昔、テレビが普及し始めたころは、テレビ漬けの子供がいました。今は、そういう子はほとんどいません。
その後、ゲームが普及すると、朝から晩までゲームをする子もいました。今でもそれに似たことをしている子はいますが、次の世代は、ゲームをもっとうまくコントロールできるようになるでしょう。
今、普及し始めたばかりで子供が溺れてしまうものが、スマホとSNSです。
こういう新しいメディアには、どのように対処したらいいのでしょうか。
新しいメディアを禁止するということは、誰でも考えつきますが、それでは問題の解決にはなりません。
自由にやらせてコントロールする力をつけるというのが正しい方法です。
そのためには、親自身がスマホやSNSを積極的に利用することです。
そして、その面白さと限界を知った上で、子供には、「よく遊び、よく学べ」の精神で取り組むことを教えるのです。
こういうことがスムーズに行くためには、小学校の低学年のころから、子供のやりたいことをどんどんやらせ、子供が自分でコントロールする力をつけていく必要があります。
小学校低学年のころは、誰でも親の言うことを素直に聞くので、親はつい気軽に禁止したり強制したりしてしまいがちです。
しかし、そういう一方的な親子関係で育った子が自立して自分の意見を言うようになると、今度は、柔軟な親子の対話をすることができなくなるのです。
だから、親は、子供が小さいころから、漫画やテレビやゲームとうまくつきあうコツを身につけさせておく必要があります。
もし、子供がゲームにあまり興味がなかったら、それをいいことにせずに、親の方からゲームをすすめてみるぐらいの働きかけが必要です。
これからの世の中は、子供がひとりでたくましく生きていかなければなりません。
無難な子育てをするのではなく、自主性を育てることを優先していく必要があるのです。