先日、作文を手書きで書く理由についての質問がありました。そのときにお答えした内容をもとに、今後の作文の方向を考えてみました。
言葉の森では、ウィンドウズ95の前のウィンドウズ3.1の時代からパソコンを仕事に使っていました。
その後すぐに、小学生の生徒にもパソコンで作文を書かせるようにしたので、作文へのパソコン利用は、たぶん日本でいちばん早かったぐらいだと思います。
https://www.mori7.com/hana/indexhana.php
当時、パソコンで作文を書くようにした理由は、
・見た目がきれい
・編集が用意
・疲労度が少ない
・速く書ける
ということでした。
しかし、数年前に、構成図(マインドマップのようなもの)を書かせるようになったころから、手書きの方が考えを深めやすいとわかってきました。
作文には、考える過程と書く過程がありますが、考える過程は手書きで、書く過程は手書きでもパソコンでもどちらでもよく、清書したり速く書いたりする必要があるときはパソコンで、というふうな使い分けをした方がいいと思うようになりました。
手書きのメリットは、
・思考と手が一体化しているのでストレスがない(パソコンだと同音異義語の変換などでときどきブレーキがかかる)
・平面が自由に使えるので、縦横斜めに自由に書け、文字の間に記号や絵なども自由に入れられる
・今の作文試験は、まだ手書きが主流
・手書きによって初めて、うっかり間違えて覚えていた誤字がわかる
などです。
今後の作文は、どのようになっていくかというと、その一つの大きな方向がプレゼン作文です。
作文は、文章を書くことが目的なのではありません。何かを考えてそれを表現することが作文の目的です。その思考と表現の手段として文章を書くということがあります。
表現の方法を追求していけば、文章が基本であるのは変わらないとしても、そこに図や絵のようなものも当然付随するようになります。また、他人にわかりやすく伝えることを目指せば、自然に画像や動画や音楽も用いるようになるでしょう。
今のパソコンはまだ、テキスト化された文字とアナログ的な図や絵を自由に組み合わせて使うにはかなり不便です。
そこで、当面は、次のような使い方になると思います。まず、普段は、考える過程も含めて手書きで作文を書きます。清書のときは、パソコンで入力します。発表するときは、そこに図や絵や手書きの文字を組み込むようにします。
このように考えると、将来の作文は、作文+図や絵のようなものになっていくのではないかと思います。