相撲でも、柔道でも、いろいろな技があります。上手投げ、一本背負い、大内刈りなど。
それらの技が型として作られているので、型の練習をすることが技を身につける練習になります。
ただの力や体の大きさで相手に勝つのではありません。技で勝つので、小さい者が大きい者を倒すこともできるのです。
力よりも技が物を言うのが、人間の動物と違うところです。
この技の型に相当するものが、作文で言うと構成や表現の項目です。
言葉の森では、作文のテーマに合わせていくつかの型を組み合わせて書く練習します。
例えば、複数の実例と一般化の主題、複数の理由と是非の主題、複数の意見と総合化の主題、複数の方法と当為の主題、複数の原因と社会問題の主題など。
こういう型の練習をしていると、作文試験の本番でも自然に構成のしっかりした文章を書くようになります。
力で書くのではなく技で書くのが、言葉の森の勉強法です。
しかし、技が効果を発揮するためには、それなりの力も必要です。
作文において力に相当するものは、豊富な語彙力です。
本をよく読んでいる子は作文もうまいというのは、読書によって語彙力がついているからです。
小学生の作文でよくあるのが、せっかくいい話を書いているのに、そのまとめの感想で、「楽しかった」「嬉しかった」「面白かった」などの平凡な言葉を使ってしまうことです。
読書の好きな子は、こういう平凡なまとめ方をすると、自分の中に何か納得できなものを感じるらしく、自然にもう一工夫をした書き方をします。
作文の勉強は、半分は作文の型の勉強で、もう半分は読書によって語彙力をつける勉強なのです。