小学校低学年の生徒のお母さんから質問がありました。
「これまで、『毎日少しずつでも書いた方がいい』ということで、簡単な文の穴埋めドリルのようなことをしていましたが、そういうものは、やはりした方がいいのでしょうか」
そういうことは、全く必要ありません(笑)。
毎日文章を書くという勉強は、形が残るので、子供も親も先生も、何かしっかりやっているような印象を受けます。しかし、それはただそういう印象がするだけです。
文章の穴埋めドリルのようなことをいくらしても、まとまった文章を書く力はつきません。
そのかわり、そういう毎日の穴埋めドリルのような勉強には、大きなマイナスがあるのです。
それは、時間がかかることと、面倒なことです。
一般に、書く勉強は、読む勉強の5倍は時間がかかります。
だから、文章を1回書き写すような時間があれば、同じ文章を5回音読できます。又は、5倍の量の読書ができます。
どちらの方が力がつき、どちらの方が楽かというと、もちろん1回書くよりも、5回や5倍読む方です。
ところが、読む勉強は形が残らないので、初心者の先生ほど、つい形の残る書く勉強をさせたくなるのです。
作文の勉強は、まず毎日読むことです。
それは、ひとつには、自分の好きな本の読書です。もうひとつには、ちょっと難しい文章の音読です。
この、多読と精読によって読む力をつけると、自然に書く力の土台ができます。
そして、週に1回のペースで作文を書き、読んだ力を文章に定着させていくのです。
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毎日何かを書くという勉強は、長続きしません。
長続きさせるためには、簡単な文の穴埋めドリルのようなものさせることになります。しかし、それでは何の力もつきません。
そういうところで苦労するよりも、楽しく読む勉強をしていればいいのです。
読む力のある子は、すぐに書く力もつくからです。
それなのに、なぜ小学校低学年で日記のような書かせる勉強が多いかというと、低学年の子は親や先生の言うことを素直に聞くからです。
しかし、そういう時期こそ、読む勉強の習慣をつけておく必要があるのです。
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