これまでの全記事
中学生の作文学習は小論文の前段階  2014年3月7日  No.2098
ホームページの記事は→2098



 作文力、読解力のうち、意見文を書く力と論説文を読みとる力は、中学生以降に本格的にのびる分野です。小学生の間に既に意見文を書いたり読んだりする段階にまで進んでいる生徒もいますが、全体的にみて、構成の形式を身につけたり文章を要約をしたりすることが精一杯で、内容のある意見文を書ける生徒は限られています。これは、表現力、読解力に、まだ、本人の内面的な成長がともなっていないためです。

 小学6年生までに学習する生活文中心の作文と物語文中心の読書は、作文力、読解力の半分にすぎず、もう半分は、中学生以降の意見文、論説文の練習によって完成します。

 しかし、実際には、中学、高校では、作文、読書の学習はほとんどなく、あるとしても、その多くは、小学校の延長のようなかたちでおこなわれています。また、中学生の時期は、作文の学習がいちばん続けにくい時期でもあります。その理由は、(1)中学生の時期が、無邪気に出来事を書くわけにもいかず、かといって、自由に意見文を書くほどには語彙が充分ではないという過渡的な時期にあたること、(2)宿題や定期テストなど、外から拘束される勉強の時間が比較的多くなり、自主的な勉強の時間がとりにくくなること、(3)中学校自体も、作文や読書の指導をほとんどしなくなるので、学習の意義やきっかけを見つけにくくなること、などという事情があるからです。

 現在の受験体制のなかで行なわれる勉強は、人生にとって価値のある分野というよりも、点数の差がつきやすい分野に重点が置かれがちです。基礎的な知識を身につけるという点で、点数で測られるような勉強も大切ですが、生涯にわたって役立つのは、考える力、読書する力、発表する力など、点数の差のつけにくい、したがって現在の受験体制の中では、重点の置かれにくい分野です。

 しかし、最近では、大学入試でも小論文や面接が重視されてくるなど、単なる知識の量よりも、それらの知識を活用する力を評価するようになってきました。中学生での作文、読書の学習は、小学生の学習の延長としてではなく、高校生以降の小論文学習や論説文読書の先取りであるという前向きの姿勢をもって取り組んでいくことが大切です。

 中学生が、作文、読書の学習を継続していけるように、言葉の森では、学習の時間に弾力性をもたせています。具体的には、(1)曜日や時間の変更や振替は、いつでもできるようにしています。(2)テスト期間中の欠席は、その前後にふりかえることができるようにしています。(3)ホームページの動画によるヒントなどを充実させ、先生の説明を受けられないときでも作文を書けるようにしています。

 3月から4月にかけては、決まった時間に授業を受けることがむずかしいことも多いと思いますので、出席できるときに出席するというかたちにして、新しい生活のペースを早く作っていってください。


233-0015 横浜市港南区日限山4-4-9言葉の森オンラインスクール 電話045-353-9061
 
 同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
高校入試作文小論文(10) 

 コメント欄
コメントフォーム

中学生の作文学習は小論文の前段階 森川林 20140307 に対するコメント

▽コメントはここにお書きください。 お名前(ペンネーム):

 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。



受講案内の郵送(無料)をご希望の方は、こちらをごらんください。
(広告規定に基づく表示:受講案内の郵送を希望される方はご住所お名前などの送信が必要です)

電話通信の無料体験学習をご希望の方は、こちらをごらんください。
(無料体験学習をお申し込みの方に、勉強に役立つ小冊子をお送りします。)

Online作文教室 言葉の森 「特定商取引に関する法律」に基づく表示」 「プライバシーポリシー」