これまでは、物の時代でした。物の豊かさや生活の利便性が多くの人の求めるもので、それらを提供するものが、主に工業製品でした。
工業製品には、設備や資本が必要なので、物やサービスを売って利益を出し、それを再投資することが社会の流れの大きなサイクルになっていました。
しかし、物やサービスが行き渡るようになると、(行き渡り方がまだ不十分だとしても)人間の喜びは、物ではなく、自分の個性を発揮することに向けられるようになります。
ところが、個性は、その人の能力の水準によって開花の水準も異なってきます。例えば、食物を食べることは誰にとっても喜びですが、そこに表れる喜びの個性は、動物的な水準の個性です。人間の個性は、向上とセットになっていなければ、人間的な個性としては開花しません。
これからの社会は、多くの人が、自分の個性の発見と創造を求めて、自分自身を向上させることに向かう社会です。そして、何かを学ぶ人がいるということは、その何かを教える人がいるということですから、社会全体として学ぶことと教えることが組み合わさる形で進んでいきます。
経済の時代には、学ぶことは、個性を生かすことではなく利益を出すことに結びついていましたから、学ぶジャンル自体がきわめて狭く限られていました。
しかし、文化の時代の「学ぶこと」は、多様性に満ちていますから、学ぶ人と同じくらいに教える人も必要になります。(つづく)
233-0015 横浜市港南区日限山4-4-9
●言葉の森オンラインスクール 電話045-353-9061
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。教育論文化論(255) 森林プロジェクト(50)
コメント欄
コメントフォーム
創造と発表の新しい学力
受講案内の郵送(無料)をご希望の方は、こちらをごらんください。
(広告規定に基づく表示:受講案内の郵送を希望される方はご住所お名前などの送信が必要です)
電話通信の無料体験学習をご希望の方は、こちらをごらんください。
(無料体験学習をお申し込みの方に、勉強に役立つ小冊子をお送りします。)●Online作文教室 言葉の森 「特定商取引に関する法律」に基づく表示」 「プライバシーポリシー」