英語の成績は、真面目さに比例していると言われるので、勉強を真面目にしている生徒が英語の成績もよいというのは当然のことで、全く問題ありません。
しかし、問題のある生徒もいます。その問題があるのは、英語が得意すぎる生徒です。
なぜ得意すぎるかというと、小さいころから英語に力を入れていたからです。
その結果、肝心の日本語が不十分なまま英語だけが得意になったという生徒がいて、それが年々増えているようなのです。
コンピュータの発達の今後の延長線を考えれば誰でもわかることですが、いずれ自動翻訳機が実用化されます。
そうなったとき、英語が得意だということは、何の優位性にもなりません。
しかも、日本人のほとんどは、これからも日本の国を中心にして仕事をします。
海外で仕事をする場合でも、その仕事のもともとの基盤は日本になっていることが多いのです。
英語がどんなに得意であっても、日本人どうしのやりとりで、日本語が正しく使えなければ、質のよい仕事はできません。
そしてまた、英語がどれほど得意であっても、それは周りの日本人と比較した場合の得意さであって、もともとのネイティブの欧米人よりも得意だということはありません。
だから、子供に幼児期から英語教育をさせるなどというのは、大きな勘違いなのです。
幼児期に海外に移住するとか、家庭でも英語で話をしているとか、幼稚園の英語教室が盛況だとか、勘違いの例は枚挙に暇がありません。
それを、マスメディアがもてはやしさえしています。
今の英語教育ブームに乗せられて、子供に熱心な英語教育をした人の中には、将来、日本語力の不十分さに気づいて後悔する人が必ず出てくると思います。
熱心にやらなければ、害はありませんが、その場合は何かのプラスになることもありません。
だから、幼児期は、英語教育などに走らずに、豊かな日本語と愛情を、親子の対話を通してたっぷり与えることに力を注いていくべきなのです。
▽参考図書「英語の早期教育・社内公用語は百害あって一利なし 」(渡部昇一)
http://www.amazon.co.jp/dp/4198637822
英語の勉強をしなくてよいというのではありません。正しい時期と正しい方法ですることが大事なのです。