問題集をやったときの○付けは、子供自身にさせるとよい、という記事を以前書きました。
しかも、その○付けは、1ページ全部解き終わってからやるよりも、1問から数問解いたらすぐに○付けをする方がいいのです。なぜかというと、その方が×の場合のフィードバックが早いので、×だったところの理解が定着するからです。だから、答えを横に置いておいて問題を解くぐらいがちょうどいいのです。
ところが、多くの子は、1ページ全部解き終わってから、まとめて答え合わせをしようとします。すると、勉強の中心が問題を解くことになってしまい、答え合わせはその勉強のおまけのような形になってきます。
問題を解いて、もしその答えが合っていた場合、その問題を解くために費やした時間は、ただの作業の時間ですから、無駄の時間だったことになります。1時間算数の問題を解いていたとしても、その答えが全部合っていたとしたら、その1時間は何もしなかったことと同じです。
しかし、だからと言って、難しい問題で×が続くような勉強は長続きしません。×が続く勉強は、肉体的にも精神的にも疲労するので、受験勉強として自覚して取り組むのでなければできません。
したがって、いちばんよいのは、易しい問題で解き方に慣れることができて、ときどき難しい問題があって×がつくようなレベルの問題集です。そして、その×のところは、解法を見て自分なりに理解し、その解き方を身近なお父さんやお母さんに説明するのです。その説明は下手でもかまいません。自分なりに説明しようとすることが大事なのですから、聞いている人は、たとえその説明が要領を得ないものであっても、説明したこと自体を認めてあげる必要があります。
×の問題は、1回ではできるようにならないのが普通です。しばらくして同じ問題をやると、やはり×になります。そこで、また解法を見て自分なりに理解します。そういうことを繰り返しているうちに、自然に解けるようになっていくのです。
自分で○付けをさせると、子供が先に答えを見てしまうので勉強にならないのではないか、と心配されるお母さんも多いと思います。
しかし、そこがいちばん大事なのです。
何も言わずにただ子供に○付けをさせるとしたら、子供が答えを見て、その答えを写して勉強をしたことにしてしまう、ということはあり得ます。
だから、事前に、次のようなことを言っておくのです。
「勉強というのは、自分の力をつけるためにやるのだから、○になることが大事なのではなく、なぜ×だったのかと考えることが大事なんだよ。だから、少しでもわからなかったらできるだけ×にしておくんだよ」
こういう原則的なことを言うと、子供はすぐにその原則になじみます。すると、その勉強だけでなく、生活全体に一つの柱のようなものができてくるのです。
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コメント欄
最終的に自分で勉強できる習慣をつけるため、小さいころから姿勢をしっかり教えておくことが大切ですね。
また、自分で説明させるというのは深い理解への王道だと思います。それを注意せずすべて受け入れる親の姿勢も大切ですね。
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