これまでの全記事
子供に自分で○付けをさせたら、答えを先に見てしまうのでは、という心配をしないために  2014年9月11日  No.2214
ホームページの記事は→2214


 問題集をやったときの○付けは、子供自身にさせるとよい、という記事を以前書きました。
 しかも、その○付けは、1ページ全部解き終わってからやるよりも、1問から数問解いたらすぐに○付けをする方がいいのです。なぜかというと、その方が×の場合のフィードバックが早いので、×だったところの理解が定着するからです。だから、答えを横に置いておいて問題を解くぐらいがちょうどいいのです。

 ところが、多くの子は、1ページ全部解き終わってから、まとめて答え合わせをしようとします。すると、勉強の中心が問題を解くことになってしまい、答え合わせはその勉強のおまけのような形になってきます。
 問題を解いて、もしその答えが合っていた場合、その問題を解くために費やした時間は、ただの作業の時間ですから、無駄の時間だったことになります。1時間算数の問題を解いていたとしても、その答えが全部合っていたとしたら、その1時間は何もしなかったことと同じです。

 しかし、だからと言って、難しい問題で×が続くような勉強は長続きしません。×が続く勉強は、肉体的にも精神的にも疲労するので、受験勉強として自覚して取り組むのでなければできません。
 したがって、いちばんよいのは、易しい問題で解き方に慣れることができて、ときどき難しい問題があって×がつくようなレベルの問題集です。そして、その×のところは、解法を見て自分なりに理解し、その解き方を身近なお父さんやお母さんに説明するのです。その説明は下手でもかまいません。自分なりに説明しようとすることが大事なのですから、聞いている人は、たとえその説明が要領を得ないものであっても、説明したこと自体を認めてあげる必要があります。
 ×の問題は、1回ではできるようにならないのが普通です。しばらくして同じ問題をやると、やはり×になります。そこで、また解法を見て自分なりに理解します。そういうことを繰り返しているうちに、自然に解けるようになっていくのです。

 自分で○付けをさせると、子供が先に答えを見てしまうので勉強にならないのではないか、と心配されるお母さんも多いと思います。
 しかし、そこがいちばん大事なのです。

 何も言わずにただ子供に○付けをさせるとしたら、子供が答えを見て、その答えを写して勉強をしたことにしてしまう、ということはあり得ます。
 だから、事前に、次のようなことを言っておくのです。
 「勉強というのは、自分の力をつけるためにやるのだから、○になることが大事なのではなく、なぜ×だったのかと考えることが大事なんだよ。だから、少しでもわからなかったらできるだけ×にしておくんだよ」
 こういう原則的なことを言うと、子供はすぐにその原則になじみます。すると、その勉強だけでなく、生活全体に一つの柱のようなものができてくるのです。

233-0015 横浜市港南区日限山4-4-9言葉の森オンラインスクール 電話045-353-9061
 
 同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
家庭学習(92) 小学校低学年(79) 

 コメント欄

sizuku 20170131 51 
最終的に自分で勉強できる習慣をつけるため、小さいころから姿勢をしっかり教えておくことが大切ですね。
また、自分で説明させるというのは深い理解への王道だと思います。それを注意せずすべて受け入れる親の姿勢も大切ですね。
コメントフォーム

子供に自分で○付けをさせたら、答えを先に見てしまうのでは、という心配をしないために 森川林 20140911 に対するコメント

▽コメントはここにお書きください。 お名前(ペンネーム):

 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。



受講案内の郵送(無料)をご希望の方は、こちらをごらんください。
(広告規定に基づく表示:受講案内の郵送を希望される方はご住所お名前などの送信が必要です)

電話通信の無料体験学習をご希望の方は、こちらをごらんください。
(無料体験学習をお申し込みの方に、勉強に役立つ小冊子をお送りします。)

Online作文教室 言葉の森 「特定商取引に関する法律」に基づく表示」 「プライバシーポリシー」