言葉の森は、設立当初は、受験とか成績ということをあまり意識せずにずっと作文の勉強を教えてきました。
だから、最初のころ言葉の森に参加した生徒は、みんな受験や成績にあまり関係のない子たちでした。勉強のよくできる子や、、小中高一貫校に通っていて受験の心配のない子が多かったのです。
その傾向は今でもあります。特に小学校低学年の子は、何か必要に迫られて作文の勉強をするというよりも、書くことが好きだから、又は面白そうだからという動機で作文の勉強を始める人が多いようです。
しかし、そういう子供たちも大きくなれば、みんな入試に直面します。
小学生のころ教えていた生徒が、中学生や高校生になると、時どき入試の相談を受けるようになりした。
最初は、大学入試に小論文があるという生徒に、その大学の入試傾向に対応した文章の書き方を説明するようにしていました。
言葉の森は、もともとは、大学生の作文指導からスタートした教室なので、受験小論文のノウハウは豊富だったのです。
ところが、そのうち、国語の読解力をつけたいという生徒が増えてきました。
実は、国語の得意な生徒は、国語の勉強をしたから得意になったというのではありません。国語力は教わってつくものではなく、国語的な生活環境や生活習慣の中でつくのです。
だから、国語の勉強を教えるとしたら、それは授業で教えるのではなく、家庭での自習として教えることが中心になります。
ところが、国語の苦手な生徒は、家庭で国語的な生活習慣がなかったから苦手になったということも多いので、国語の自習を続けること自体が難しいということもわかってきました。
国語の苦手な生徒は、毎日の読書だけで成績が上がります。普通の生徒は、毎日の音読だけで成績が上がります。得意な生徒は、毎日の問題集読書だけで成績が上がります。しかし、こういう形の残らない勉強は、毎日続けること自体が難しいのです。
毎日続けるということは、これまでの習慣の代わりに新しい習慣をつけるということですから、年齢が上がるほど難しくなります。週に1、2回やることと、毎日やることとは、日数の違いではなく質の違いになるのです。
そこで考えたのが別の方法です。(つづく)