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4級の暗唱検定用長文(3)  2016年3月30日  No.2562
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■4級の3 やまとうたは、ひとのこころをたねとして(古今集序文)

【1】やまとうたは、ひとのこころをたねとして、よろづのことのはとぞなれりける。なかにあるひと、こと、わざ、しげきものなれば、こころにおもことを、見るみ もの、きくものにつけて、いいだせるなり。【2】はなになくうぐす、みずにすむかづのこをきけば、いきとしいけるもの、いづれかうたをよまざりける。【3】ちからをもいれずして、あめつちをうごかし、めに見えみ ぬおにがみをもあれとおもせ、とこをむなおん のなかをもやらげ、たけきもののふのこころをもなぐさむるは、うたなり。 
【4】このうた、あめつちのひらけはじまりけるときより、いできにけり。[あまのうきはしのしたにて、めがみを神おがみとなりたまことをいるうたなり。]【5】しかあれども、世によ つたることは、ひさかたのあめにしては、したてるひめにはじまり[したてるひめとは、あめわかみこのめなり、せうしょうとのかみのかたち、かたににうつりて、かがやくをよめるえびすうたなるべし、これらはもじのかずもさだまらず、うたのやうようにもあらぬことどもなり。]【6】あらかねのつちにては、すさののみことよりぞ、おこりける。ちはやぶるかみには、うたのもじもさだまらず、すなにして、ことこころわきがたかりけらし。【7】ひとのとなりて、すさののみことよりぞ、みそもじあまりひともじはよみける。[すさののみことは、あまてるおほむおおんかみのこのかみなりとすみたまはむわんとて、いづものくににみやづくりしたまふもうときに、そのところにやいろのくものたつをてよみたまなり、やくもたついづもやがきつまごめにやがきつくるそのやがきを。]【8】かくてぞ、はなをめで、とりをうらやみ、かすみをあれび、つゆをかなしぶこころ、ことばおく、さまざまになりにける。【9】とところも、いでたつあしもとよりはじまりて、年月としつきをわたり、たかきやまも、ふもとのちりひぢよりなりて、あまぐもたなびくまでおのぼれるごとくに、このうたも、かくのごとくなるべし。

古今集こきんしゅう序文じょぶん

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