■4級の3 やまとうたは、ひとのこころをたねとして(古今集序文)
【1】やまとうたは、ひとのこころをたねとして、よろづのことのはとぞなれりける。
世の
中にある
人、こと、わざ、しげきものなれば、
心におも
ふことを、
見るもの、きくものにつけて、い
ひいだせるなり。【2】
花になくうぐ
ひす、
水にすむか
はづのこ
ゑをきけば、いきとしいけるもの、いづれかうたをよまざりける。【3】ちからをもいれずして、あめつちをうごかし、めに
見えぬおに
神をもあ
はれとおも
はせ、
をとこ
をむなのなかをもや
はらげ、たけきもののふの
心をもなぐさむるは、うたなり。
【4】このうた、あめつちのひらけはじまりける
時より、いできにけり。[あまのうきはしのしたにて、め
神を神となりたま
へる
事をい
へるうたなり。]【5】しかあれども、
世につた
はることは、ひさかたのあめにしては、したてるひめにはじまり[したてるひめとは、あめわかみこのめなり、
せうとの
神のかたち、
をかたににうつりて、かがやくをよめるえびす
哥なるべし、これらはもじのかずもさだまらず、うたの
やうにもあらぬことども
也。]【6】あらかねのつちにては、すさの
をのみことよりぞ、おこりける。ちはやぶる
神世には、うたのもじもさだまらず、すな
ほにして、
事の
心わきがたかりけらし。【7】ひとの
世となりて、すさの
をのみことよりぞ、みそもじあまりひともじはよみける。[すさの
をのみことは、あまてる
おほむ神のこのかみ
也、
女とすみたま
はむとて、いづものくにに
宮づくりした
まふ時に、その
所にやいろのくものたつを
見てよみたま
へる
也、やくもたついづもや
へがきつまごめにや
へがきつくるそのや
へがきを。]【8】かくてぞ、
花をめで、とりをうらやみ、かすみをあ
はれび、つゆをかなしぶ
心、ことばお
ほく、さまざまになりにける。【9】と
ほき
所も、いでたつあしもとよりはじまりて、
年月をわたり、たかき
山も、ふもとのちりひぢよりなりて、あまぐもたなびくまでお
ひのぼれるごとくに、このうたも、かくのごとくなるべし。
(
古今集序文)
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