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微妙になりつつある中学受験という選択肢――むしろ家庭学習で中高一貫校並みの勉強を  2016年7月1日  No.2613
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 子供に中学受験をさせるべきかどうか迷っている家庭は多いと思います。
 そういう迷いに答える出版物もいくつか出ていますが、あまり多くありません。
 中学受験の得失をかなり客観的に取材したものもありますが、その取材時よりも加速度的に現在の状況は変化しているようです。

 中学受験のプラス面は、大学入試に有利になることです。
 今はまだ就職は、大学のブランド名で左右されるところがありますから、名前の通った大学にいることはかなり有利です。
 もちろん、仕事を始めたら学歴はもう関係ありません。同窓生の人脈ということはあるかもしれませんが、仕事は基本的に実力の世界です。

 私立高と公立高を比べると、公立高には勉強面で約1年の遅れがあります。だから、公立高でも1年浪人する覚悟であれば、私立高に行ったことと変わりません。しかし、今の社会では一浪してまで目指す大学に行くという人は少なくなっていると思います。
 そういう点では、進学実績の高い私立中学に入るのは、大学合格とその後の就職に関しては有利な選択になると思います。

 公立校が荒れているから私立を選びたいという人もいると思いますが、学校の荒れは子供の勉強にはあまり関係ありません。というのは、中学高校の勉強では先生に教わって力がつくのではなく、自分でやって力がつくものだからです。
 私立中でも勉強しなくなる子はたくさんいますし、たとえ荒れた公立中でも勉強する子はちゃんとします。すべて本人次第です。

 中学受験のマイナス面は、パズルの解き方を身につけるような条件反射的な学力の詰め込みをしてしまうことです。その結果、考える力が低下し、勉強に対する喜びがなくなり、勉強以外の読書や経験の厚みが不足するという問題が出てきます。今の受験は、そういう詰め込みに耐える子の方が合格するようになっているのです。
 その結果、一流と言われる大学に入っていながら、本当の学力という点ではかなり怪しい人も最近は増えているようです。

 これは、公立中高一貫校の入試でも、残念ながら次第にそういう傾向になりつつあるようです。
 また、塾に通って公立中高一貫校の受験を目指すと、その公立中高一貫校の受験にとどまらず自然に私立中も併願するようになります。すると、やはり同じように考えない勉強の詰め込みになります。
 そして、この傾向は、最近更に加速しているようなのです。

 そこで、私が今考えているのは、中学の受験はしないが、家庭で中高一貫校と同じような勉強、特に数学の先取りをしてしまうことです。
 今の小学校高学年の勉強にしても、中学生の勉強にしても、勉強内容が易しすぎるので、普通に学力のある子にはかなり物足りない授業になっています。しかし、そこで受験を目指すのではなく、家庭で国語も数学も英語も学校よりも先のレベルの問題もやってしまうようにするのです。

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