ここで取り上げるマインドマップは、本家のマインドマップではありません。自己流のマインドマップです。ですから、のちほどこれを構成図という名前に改めます。
私は、マインドマップの本を読んだときに、自分がこれまで何かを考えるときに自然に行っていた方法がとても似ていることに気づきました。
そして、その方法を意識的にやってみると、作文が飛躍的に書きやすくなることがわかりました。その理由は、一つは、これまで考えながら書いていたものを、考えることと書くことの二つに分離できたためにどちらの能率が上がったからです。もう一つは、書く前に、考えがほとんど網羅されているので、全体の見通しを広く持って書けるようになったからです。
自己流のマインドマップには、本家のマインドマップとの方法の違いがいくつかあります。
第一に、カラーペンではなく、シャーペンで書いています。いつでもすぐに使え、気軽に修正できるからです。
第二に、A3サイズの大きな紙やパソコンソフトではなく、A4の5ミリ方眼罫のルーズリーフを使っています。これも、いつでも持ち運びができるからです。
第三に、イメージと単語ではなく、短い文で書きます。これは、すぐに書けて内容もよくわかるからです。
なぜ、こういう違いが出てきたかというと、マインドマップは当初記憶法のツールとして開発され、その後創造的思考のツールという役割が加わったからです。そのために、きれいに整理するという面が強く出てきました。それに対して、私がこれまでやっていた方法は、思考する過程を外に出すための方法だったので、見やすさよりも、書くための手軽さが優先されたのです。
では、この自己流のマインドマップは、学校などの作文指導でよく行われている構成メモという方法とは違うのか、という疑問があると思います。
構成メモには、思考の過程が持つ乱雑さはありません。しかし、これが構成メモの最大の欠点なのです。普通行われている構成メモは、作文を書く前に、書いたあとのあらすじを説明させるようなものです。書くことがすっかり頭に入っている場合は、メモを先に書くということもありえますが、通常は書き出す前に書いたあとのあらすじはわかりません。構成メモは、作文を書くときに何の助けにもならないばかりか、作文を書く前にもう一段高いハードルを置いているようなものです。
しかし、自己流のマインドマップの目的は、構成メモが目指している目的と共通していますから、この自己流マインドマップを「構成図」という名前で呼びたいと思います。マインドマップは、商標になっているからです。
この構成図で、思考の過程を充実させ、そのあとその思考の結果を整理するために作文を書いていくというのが、これからの作文指導の流れになっていくと思います。(つづく)
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