マインドマップ風の構成図で、作文の材料を広げる方法ができました。あとは、この材料を眺めて書く順番を決め、一気に書くだけです。
このときに、与えられた構成にあてはめて書くというのが、構成作文という書き方です。これは、今、言葉の森で教えている項目表の作文と同じです。
与えられた構成で書く作文指導というのは、欧米などでは広く行われているようですが、日本では一般的ではありません。それは、日本の作文指導が、事実中心の文章を書くこと中心に行われてきたためです。説明文や意見文を書くときになると、この構成をもとにして書く書き方が生きてきます。
構成をもとにして書く方法の利点は、いくつかあります。第一は、教えやすく評価しやすいことです。第二は、考えを深める練習になることです。第三は、書きやすいことです。
言葉の森の作文のヒントは、この構成に沿って書かれています。これは、受験コースのヒントも同様です。入試問題のヒントも、構成の仕方をもとにして説明すると、生徒はすぐに理解して書き出すことができます。
構成に沿って書く書き方は、文章を書くスピードを向上させます。また、忙しいときは、構成の枠組みだけを書いておき、あとで時間があるときに間の中身を埋めていくという書き方もできるようになります。
しかし、ここで一つ問題が出てきます。それは、どんなに速く書けるといっても、文章を書く作業というのは、読む作業に比べてやはり非常に時間がかかるということです。文章を読むだけであれば、普通は分速400字ぐらいです。意識的に速読をすれば分速1200字ぐらいまでは速く読むことができます。これに対して、文章を書くスピードは、手書きでもパソコン書きでも、普通は分速20字(時速1200字)ぐらいです。猛スピードで書いても、分速60字がやっとでしょう。書くというのは、それだけ時間がかかるのです。
そこで、将来登場する書き方は、音声入力になってくることが予想されます。材料と構成が決まっているのであれば、音声入力で、読むのと同じぐらいのスピードで書けるようになるでしょう。
ところが、ここでもう一つ考えなければならないことがあります。それは、たくさん書けばよいというのではないということです。特に、現代のように大量の情報に取り囲まれている時代には、たくさん書くよりも、価値あることを無駄なく美しく書くことが重要になってきます。
そこで出てくるもう一つの作文の方法が四行詩です。
日本には、ふとひらめいた考えを俳句や和歌にして書き表す文化があります。しかし、俳句や和歌は、情景や心情の描写には向いていますが、説明や意見を表現するにはあまり向いていません。それは、説明や意見はどうしても漢語が多くなり、漢語は五七五のリズムに乗りにくいからです。しかし、ちょっとしたひらめきのようなものは、制約がある方が形にして残しやすいことも確かです。そこで、四行詩には、次のような制約を設けています。第一は、四行に収めること(これは必ずしも四文でなくてもかまいません)、第二は、必ず新しい発見や創造があること、第三は、できれば美しい比喩や名言があること、です。
この四行詩は、作文指導のシステムには入れにくいものですが、こういうノウハウを知っていれば、将来必ず役に立つと思います。
233-0015 横浜市港南区日限山4-4-9
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