これは、森川林のブログの記事(11月6日)を加筆修正したものです。
今日は、暗唱と作文というテーマについて考えてみます。
暗唱という勉強が、それだけを目的としていた場合、毎日の勉強は、次第に細く狭いトンネルに入り込むような感じになるでしょう。毎回同じような勉強に、子供が飽きてしまうからです。そのため、いかに飽きずに暗唱を続けるかということも一つの問題となってきます。
しかし、そういう問題が出てくるのは、暗唱そのものが目的になっているからです。
言葉の森では、暗唱自体を目的とするのではなく、作文の中に生かす形での暗唱の勉強を考えています。それは、ただ文章を上手にわかりやすく書くためだけの作文ではなく、創造性を育てるための作文をめざしているからです。
そのためには、暗唱の成果を作文の実例として生かしていくことが大切になります。もちろん暗唱によって、表現や表記も作文の中に生かすことができます。しかし、最も大事なものは実例として生かす生かし方です。つまり、異分野の実例の組み合わせの中から新しい知を生み出すいうのが、作文の中における暗唱の位置づけです。
暗唱を作文の中に生かすというと、中国の科挙の時代のような文章の暗記と再現のようなものを考える人がいるかもしれません。しかし、そのように暗唱が先にあるのではなく、作文が先にあるのが本当の暗唱の勉強なのです。
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