日大アメフト部の事件が問題になっていますが、ここで親が考えなければならないことは、こういう場面は長い人生の中では誰にでもあり得るということです。
そのときの子供の選択を決めるのは、幼少期の子育ての中で親が伝えたものしかありません。
今の世の中は、学校も社会も文化も、こういう肝心の教育については何も関与しません。
だから、親だけが子供に、「損の道か、得の道か迷ったら、損の道を行け」と教えることができるのです。
いつか日本の社会全体が、そういう本来の日本の文化を取り戻すと思います。
しかし、今は、家庭だけが日本文化を継承する場所になっています。
「葉隠」の中にある一節も同じことと伝えています。
それは、生きるか死ぬか迷ったら死を選べということです。
ここにあるのは、損得や生死を超えたもっと大きなものがあるという人生に対する信頼感です。
そういうものを子供時代に伝えるのが、親の役割なのだと思います。
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成績を上げるとか、体力をつけるとかいう教育は誰でもできます。
親だけができる教育が、文化を伝える教育です。
今のメディアが流す文化の多くは目先の話が中心です。
子供に遠くを見る目を教えるのが、親の役割です。
日本のロケットの父と言われる糸川英夫氏が、高校3年生のとき、音楽にするか理科にするか進路の選択に迷い母親に相談したところ、母の言ったひとことは、「自分の好きな方を選べ。しかし、入試の難易度で決めるな」という言葉だけでした。
親が言うのは、損か得かということではないのです。
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