引き続き、天外伺朗さんの本からの話です。
山田昭男さんの会社では、伝票のチェックなどを省略していました。そして、社員には、「どんどんごまかせよ」と言っていたそうです。それで、ごまかしは全くと言っていいほどなく、岐阜県で利益率1位の会社だったのです。
天外さんの解説によると、「ごまかせよ」と言うのは、相手がごまかさない人間だということを前提にしているので、それを聞いた社員は無意識のうちにごまかすようなことはしなくなるというのです。
こういう例は、よくあります。
日経新聞の「私の履歴書」などで、「親から勉強しろと言われたことは一度もなかった」と、子供時代を述懐する人がよくいます。
むしろ、親からしっかり勉強させられたということで立派になった人はあまりいないのではないかとさえ思います。
「勉強しなさい」と、親が言うことは、その子供を、「言わなきゃ勉強をするわけない」と思っているところから来ています。
すると、子供は無意識のうちに、自分を勉強をしない存在として受け止めるので、逆に勉強しなくなるのです。
では、どうしたらいいかというと、「しっかり遊びなさい。勉強なんていつでもできるんだから」と言うのがいいのだと思います。
せめて、「よく学び、よく遊べ」の、遊びを重点にするぐらいがちょうどいいのです。
しかし、これは、すぐにできる人と、なかなかできない人とがいると思います。
なかなかできない人は、天外さんの話によれば、自分自身が無条件に受容された経験が少ないからだそうです。
だから、子供をコントロールしていないと不安になるのです。
できるだけ、子供をコントロールせず、子供が自主的にやるような形に仕向けていくことが、これからの子育ての最も工夫するところになると思います。
▽参考資料
「日本一労働時間が短い“超ホワイト企業”は利益率業界一!」 山田昭男のリーダー学 (人間性経営学シリーズ)
http://amzn.asia/0W5y2w6
233-0015 横浜市港南区日限山4-4-9
●言葉の森オンラインスクール 電話045-353-9061
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誰でも、相手が喜ぶことをしたいという気持ちがあるので、相手の無意識のメッセージをその人の期待していることとして受け取ります。
親が、「勉強しなさいよ」と言うと、子供は親の「どうせ勉強しないんだから」という無意識のメッセージの方を、これもまた無意識のうち受け取ってしまうのです。
褒められてよくなる子はいるが、叱られてよくなる子はいないというのは、こういう事情があるからです。
褒めていればよくなるというのは、特に、日本人の特性のように思います。
もともと、できるだけさぼろうとか、人の見ていないところでは手を抜こうなどということの少ない人がほとんどだからです。
子供の教育も、その特性を生かしていくことです。
勉強しなさいと言わないと、平気で一日中ゲームをします。放っておくことはできません。
勉強しなさいとと言っても言わなくても、やらない子はやらないのだと思います。
もうひとつの方でも書きましたが、それは子供の問題ではないのです。
もっと大きなところに問題があります。
今度、保護者懇談会で質問をしてください。
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