プロとアマの違いは、調子のよいときには出てこないと言われます。
調子の悪いとき、アマチュアは大きく崩れることがあります。
プロは調子の悪いときでも崩れることを最小限にとどめ、自分のペースを保つことができるというのです。
なぜこのような違いが出てくるのかというと、それは自分に対する自信に差があるからです。
プロになるまでに猛練習をしたことがある人は、ピンチになったときも、「自分はこれまでこれほどやってきたのだからこんなことを克服できないわけがない」という自分に対する確信が根底にあります。
勉強でもスポーツでも音楽でも、ある一つの分野で本当の力をつけようと思えば、限界まで無理をするぐらいに取り組む必要があるのです。
ときどき、「少し忙しいからしばらく休みたい」と言ってくる人がいます。
これは、何の習い事でもあることであり、無理をせずに休むということは、それはそれでもちろん大事なことです。
しかし、もし自分がその分野で本当の実力をつけたいと思うのであれば、無理をしても続けるということも必要なときがあるのです。
それは、その無理がその後の自信につながるからです。
作文試験のように、文章を限られた時間で書きそれを評価されるという場面は人生の中でいくつか出てきます。
知識中心の試験であれば、調子の良いときと悪いときで大きな差は出ません。
しかし、作文のようなすべてゼロから作り出すものは、調子の良いときと悪いときの差が大きく出るのです。
そして、たまたまうまく書けないときは、ほとんどペンが進まないようなことも出てきます。
そのとき、ピンチを逆転する力は、「これまで長い間やってきたのだから」、「忙しいときも休まず続けてきたのだから」という自分に対する確信のようなものなのです。
だから、子供が忙しくなり作文が書きにくい状況になったとき、保護者の方はその状況を短期的に判断せず、長期的に見て、何とか工夫して時間を捻出し、少しでも書き続けるようにするという勉強の進め方をしていくといいと思います。
そういうふうになんとかして続けようという姿勢で親が取り組んでいると、子供の勉強に対する姿勢も違ってきます。
生活全体については、無理をしないことが基本ですが、これと決めたことについては、それが勉強であっても音楽であってもスポーツであってもまた何かの趣味の分野であっても、ある程度無理をして頑張ることが大切なのです。
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無理をするかしないかということは、一律に言うことはできません。
小学生時代は、基本的には幸福に暮らすことがいちばんですから、その意味では無理をしない方がいいのです。
しかし、「無理を言う親がいてこそ子は育つ」という言葉もあります。
ある場面では、無理を言うことも必要で、それはそれぞれの家庭の価値観によるものですが、その子の生き方に関するものについては、無理をすることが必要なこともあるのです。
勉強の無理としつけの無理は違います。
勉強では無理をさせず、しつけでは無理をさせることが大事です。
例えば、算数の退屈な計算問題を何ページもさせるというのは勉強の無理です。
遅刻しないとか、物事を続けるとか、挨拶をするとか、きちんと返事をするとかいうのはしつけの無理です。
勉強で無理をさせないのは、小学生はまだ自覚して勉強する時期ではないからです。
しつけで無理をさせるのは、小学生はしつけがまだ自覚できない時期だからです。
似ていますが、微妙に違うのです。
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