これまでの全記事
お母さんとお喋りしながら作文の準備――親子で書く構想図の例【動画】  2019年3月10日  No.3619
ホームページの記事は→3619

 まだ幼稚園年長や小学1年生で、作文など書いたことがほとんどない子に、「さあ、作文を書きなさい」と言っても、途方にくれるのが普通です。

 子供は、自分がよく知っていて慣れているもの、安心できるものしかやろうとしないのです。
 そこで、手助けが必要になります。

 これは、手助けというよりも、親が見本を見せてあげることで、子供が慣れて自信を持てるようにするためのものです。
 その手助けの最初のきっかけが、親子で書く構想図です。

 この動画は、初めて教室に来た幼長の生徒に、先生が初めて構想図を教える場面です。
 横にお母さんがいるので、子供にはやや安心できる場面ですが、どんなことをするかわからないので、多少不安もあったと思います。

https://youtu.be/RdLqUBxLc08


 この動画では、ただ構想図を書いただけですから、5分程度で終わっていますが、親子で書く場合は、ここに項目表の表現を入れます。
 例えば、こんな感じです。

親「じゃあ、そのときの『会話』ってあったかなあ」
子「うん、あったよ。先生が『きょうはたのしいはっぴょうかいにしましょう』ていったよ」
親「じゃあ、それ書こう。それから、『□○□○』ってあるかななあ」
子「えーと、ちょっと『ドキドキ』した。あと、みんなが『ガヤガヤ』としていたのが、きゅうにしずかになった」
親「なるほどね。では、ダジャレってどこかに入るかなあ」
子「うーん、わかんない」
親「じゃあ、これどうかなあ。『ハッピーなはっぴょうかい』って」
子「少しむりがあるとおもうけど」
親「……」
という感じで、親子で言葉遊びを楽しみながら構想図を書きます。

 そのあと、その構想図をもとにして作文を書きます。
 子供がまだ書けない場合は、親が書き、子供がある程度書ける場合は、その構想図を参考にしながら子供が書きます。
 しかし、書き手を限定する必要はないので、子供が書いたあとに親が書き、親が書いたあとに子供が書く形でもかまいません。
 お父さんにも登場してもらい、お父さんが続きを書いたりコメントを書いたりしてもいいのです。

 この親子で書く構想図で何が身につくかというと、子供の語彙力とコミュニケーション力です。
 そして、作文を書くというのは、簡単で楽しいものだという最初の見方が形成されます。

 お母さんの書いた作文には漢字のふりがながふってあるので、子供が読むこともできます。
 みんなの前でその作文を発表しているうちに、漢字の読みも覚えるし、読み方も上手になり、作文の書き方も自然に身につきます。

 そして、ほかの人の作文の発表について質問や感想を言ったり、それに答えたりしているうちに、子供どうしがいつの間にか友達のようになります。
 友達の前で作文や読んでいる本を発表するので、できるだけいいものを発表したいと思うようになります。
 誰かが暗唱を発表するようになると、自分も暗唱をしてみたくなります。
 というように、どんどんいい方向に回転していきます。

 幼児や低学年の作文の勉強は、勉強らしい雰囲気ではなく、遊びのような感覚でやっていくといいのです。

233-0015 横浜市港南区日限山4-4-9言葉の森オンラインスクール 電話045-353-9061
 
 同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
構成図(25) 親子作文コース(9) 

 コメント欄

nane 20190310  
 構想図を書くのに、ルールのようなものはありません。
 自由に書いていいし、話の本筋から離れて脱線してもいいのです。
 親子で書くときは、お喋りを楽しむ感じで、ひとりで書く場合は、自分との対話を楽しむ感じでやっていくといいのです。

森川林 20190310  
 事実という全体的なものを、文章という限られた世界に、書き言葉で切り取り、構成するというのは、子供にとっては複雑な作業です。
 そこで、事実と作文の間に、対話と構想図というステップを置くのです。
 このやり方であれば、小さい子でも、苦手な子でも、作文を書く一歩手前まで行くことができます。

コメントフォーム

お母さんとお喋りしながら作文の準備――親子で書く構想図の例【動画】 森川林 20190310 に対するコメント

▽コメントはここにお書きください。 お名前(ペンネーム):

 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。



受講案内の郵送(無料)をご希望の方は、こちらをごらんください。
(広告規定に基づく表示:受講案内の郵送を希望される方はご住所お名前などの送信が必要です)

電話通信の無料体験学習をご希望の方は、こちらをごらんください。
(無料体験学習をお申し込みの方に、勉強に役立つ小冊子をお送りします。)

Online作文教室 言葉の森 「特定商取引に関する法律」に基づく表示」 「プライバシーポリシー」