文部科学省は1月21日、全国の小学5年生と中学2年生を対象に実施した「全国体力運動能力運動習慣等調査(全国体力テスト)」の結果を公表しました。
これを見ると体力上位県は、秋田県、石川県、福井県などとなっています。また、言い方はよくありませんが、下位県は、北海道、東京都、大阪府、福岡県などとなっています。福井県や秋田県は学力テストでも上位の成績でした。体力テストの下位の県と学力テストの下位の県も比較的共通しています。
学校教育における教員の力量の差は、たぶんほとんどないと思います。逆に、学習塾などの充実度は、都市部の方が高いはずです。原因が学校でも塾でもないとすると、帰するところは家庭の教育力になるのではないかと思います。
これは、小中学校にとどまらず、もっと上の高校や大学でも、同じようなことが言えるようです。聞くところによると、地方の公立高校出身者を高く評価する大学の先生が多いということです。
首都圏の私立高校の出身者とまとめていうと語弊があるかもしれませんが、受験のコツを知っているために、そのコツの延長で勉強に取り組んでしまっているのではないかと思うのです。そこでの勉強の目的は、点数を上げることであって、学力を深めることではないことが多いのです。
例えば、塾などでは、テストの成績を上げるために、時間切れになりそうなときや問題がよくわからないときは、とりあえず空欄を埋めておけという指導をします。しかし、わからないところは空欄のままにして×にしてもらった方が本当の実力がつきます。同じように、できない問題は飛ばしてできる問題から取りかかるという指導もよく行われています。しかし、長い人生では、できない問題に取り組むことこそが本当に価値のあることで、それがその人の実力につながことが多いのです。また数学の問題では、解法のパターンを理解することで成績が上がります。しかし、本当の学問の世界は、自分で創造的に考えるという姿勢が必要とされます。
本当は、この点数を上げるためのテクニックと、学力を高めるための勉強を、両方使えることが理想なのでしょう。少なくとも、テストの成績を上げるテクニックだけの勉強は空しいと思う感覚が必要です。塾におけるテストのための教育という偏りを是正するのが、家庭教育の役割になると思います。
これは推測ですが、学力テストや体力テストの上位の県では、家庭の中で、決まったことを毎日同じようにきちんとやるという文化があるのではないかと思います。そういう家庭では親子の間にちゃんとした対話があり、家庭における生活時間の流れも安定したものになっているでしょう。
私自身、これまでいろいろな子の成長を見てきました。その中には、小学生のころ成績がよくて、中学高校と上がるにつれてだんだん平凡になっていく子もいました。逆に、小学生のころはマイペースで、自分の好きなことばかりしていて成績はあまりよくないのに、中学高校と上がるにつれて、ぐんぐんと力をつけていった子もました。もちろん、人生は長いので、それらの子供たちはこれからの自覚と努力でまたいろいろな形に大きく変化していくと思います。
大事なことは家庭の中で、常に本物の教育ということを考えて子供たちを育てていくことだと思います。
(この文章は、構成図をもとに音声入力した原稿をamivoiceでテキスト化したものです)
マインドマップ風構成図
記事のもととなった構成図です。
(急いで書いたのでうまくありません)
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