勉強が最もよく身につく方法は、自ら学ぶという方法です。
自ら学ぶことの反対が、わかりやすく教えてもらうという方法です。
いい先生にわかりやすく教えてもらい楽しく勉強できるというのは、理想的な教育のように思われています。
しかし、教わる勉強の中で身につくものは実はかえって少ないのです。
子供が学力を身につけるのは、わからない問題を自分で考えてわかるようになったときです。
この場合、「考える」というのは、何もないところから哲学のように考えることではなく、問題の答えを理解するという意味の考えることです。
わからないことを自分で考えて理解するという理解の仕方を身につけると、その理解は確実に自分のものとして定着し、しかも他の問題に対する応用力もそこで身についてきます。
ところが、先生やお母さんにわかりやすく教えてもらうと、自分で考えて理解するという過程がないので、その理解は表面的なものにとどまります。
だから、同じような問題でも、やや違ったところから出されると、また解けなくなるというような応用力のない理解になることが多いのです。
算数の勉強では、子供が自分で問題集を解き、答えを見て自己採点し、できなかったところはまた別の日にやる、というようなやり方が最も能率のよい勉強の仕方です。
答えを見て、どうしても理解できない場合にだけ人に聞くというやり方で勉強していけば、教える先生が登場するのはほんのわずかで、時には教える先生が全く教えることがないまま勉強が進む場合もあります。
大事なのは、いつでも質問できる人がいるということであって、教えてもらうということではないのです。
ところが、この勉強法には、一つの難点があるのです。それは明日。(つづく)
わかりやすく教えてもらうより、自分で考えてわかることで応用力がつく(2)
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わかりやすく教えてもらうというのは、よく効く薬で治してもらうということと少し似ています。
そのときはそれでいいのですが、自分の力がつかないのでまた同じようなことになります。
そのうちに、教えてもらわないと勉強できないような考え方になっていくのです。
人間にはもともと治る力があるように、勉強も、もともとわかる力があるのです。
自ら学ぶ勉強の難点は、周りにいる人が、
「そんなので、本当に勉強になっているの。もっとわかりやすく教えてもらった方が(能率がよくて)いいんじゃない」
と言ってしまうことです。
すると、子供は、能率よく勉強している外見を作るために、できる問題だけを解くようになるのです。
今日の記事を国語に関連させて補足説明。
「教えてもらうより自分で考える」というのは、主に算数の勉強の場合です。
「わからない」にも三つあります。
第一は、知識として知らない場合です。例えば、漢字の書き方や言葉の意味がわからないというときです。これはすぐに教えてあげればいいのです。
第二は、理解できない場合です。これが算数の問題などのわからないです。これは解法を見て自分で考えさせるのです。
第三は、考える方向がわからない場合です。例えば、低学年の子が作文に何をどう書くのかわからないというようなときです。これは教えてあげるといいのです。それは、教えることが、その子の考え方の見本になるからです。
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