自学自習のいちばんの難点は、周りにいるお母さんやお父さんが、子供の勉強の様子を見ると、つい気になってしまうことです。
勉強の中には、鉛筆を動かして作業するような時間と、ただ考えているだけの時間があります。
また、考えるのにくたびれると横になったり、立ち歩いたりすることもあります。
気分転換に、近くにある本を読んだり、おやつを食べたりというようなこともあるかもしれません。
その様子を見ている親が、いったん気になり出すと、つい子供に注意してしまうことがあるのです。
子供が大きければ、その注意など気にせずに自分のやりたいようにやっていくかもしれません。
しかし、子供が小さいときは、親から、「もっと集中してやりなさい」などと言われると、親に注意されないような勉強の仕方をするようになるのです。
それは、要するに鉛筆を動かし続けるような勉強の仕方です。
鉛筆を動かし続けるためには、簡単な問題を作業的にやり続けるのがいちばんです。
つまり、すっかりできる問題を何題も解くような勉強の仕方になってしまうのです。
また、子供が親の言うことを聞かないぐらい大きな年齢になると、親は、子供の集中していないように見える様子が気になり、家で勉強するのは無理だから、塾にでも行かせようかと思うようになります。
ところが、家でしている勉強の仕方と塾で行う勉強の仕方で、子供の性格が変わるわけでありません。
集中度は同じようなものですから、ただ親の目から見えないから気にならないというだけです。
むしろ、自分で選ぶ勉強ではなく、人から与えられる勉強ですから、身につくものはかえって少なくなるのです。
家庭で行う勉強は、このように周りで見ているお父さんお母さんが子供の勉強の様子が気になって注意するためにうまくいかなくなるということが多いのです。
それでは、家庭での子供の勉強は、どのように見たらいいのでしょうか。
それは勉強している外見からではなく、勉強の中身から見ていくことです。
(つづく)
わかりやすく教えてもらうより、自分で考えてわかることで応用力がつく(1)
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家庭学習は、家庭でできるからいちばん能率がいいはずですが、そうならないときもあります。
その原因の一つは、親が子供の勉強の様子が気になり、つい口を出してしまうことです。
それも、勉強の中身についてではなく、勉強の外見について口を出すので、うまくいかなくなることが多いのです。
家庭学習をうまく進めるコツは、勉強の中身を見ることと、子供を信頼することです。
忙しい親が勉強の中身を見るためには、親が教えるのではなく、子供に教えてもらうことです。
子供の勉強の仕方につい何か言いたくなるのと同じことが、読書についてもあります。
以前、「家ではちゃんとした本しか読めないから」という理由で、教室で一生懸命『かいけつゾロリ』を読んでいる子がいました(笑)。
いい本しか読めないという形にすると、読書量が減ってかえってマイナスになることの方が多いのです。
大事なのは、読む時間を確保することであって、読むものを制限することではないのです。
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