「AIに負けない子供を育てる」という新井紀子さんの本に、子供の勉強に関する示唆的な話が載っていました。
富山県は全国学力テストでも上位の県です。
しかし、その富山県のある町で、小学校の成績がよい割に、中学での成績が伸び悩んでいるそうなのです。
その原因を探ってみたところ、それは小学校時代のプリント学習で穴埋め式の問題が出されすぎていたことにあったらしいのです。
穴埋め式の問題は作るのに手間がかかるので、先生の熱心さが表れやすいところですが、子供にとってはいくつかの単語から答えを類推できる勉強になってしまうので、本当の意味での読む力がつきません。
そのため、小学校時代の成績はよいものの、読み取る力が育っていないために、中学に入ってから学力が伸び悩むという関係になっていたようなのです。
小学校時代の成績のよさは、単純な知識や技能の成績のよさです。
中学、高校に上がってからの成績は、理解する力と考える力による成績です。
小学校時代に読む力や考える力をつけていないと、中学に入ってから成績が伸びず、それが高校生以降も続くのです。
では、小学校時代はどんな勉強をしたらよいかというと、それはいつも書いているように、小学生の間は読書を最優先し、その読書も説明文を含む読む力の必要なものに発展させていくことなのです。
読む習慣をつける最も簡単な方法は読書紹介です。
自分の今読んでいる本を他の人に紹介し、他の人から質問や感想を聞くということが、子供たちの毎日の読書の励みになっています。
読書紹介ができるのは、まだオンラインの生徒に限られていますが、いずれ全員ができるようにしていきたいと思っています。
233-0015 横浜市港南区日限山4-4-9
●言葉の森オンラインスクール 電話045-353-9061
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国語のよくできる子は、国語の問題集など解いていません。
何もしなくても国語の成績がいいのです。
それは、なぜかというと、毎日の読書生活の中で、自然に読む力をつけているからです。
しかし、この自然についた読む力では、百点を取ることはできません。
国語で百点を取るためには、解く力も独自につける必要があるからです。
先日、本屋さんの子供の図書コーナーに行って少し驚きました。
人気のある本というのが、題名だけはちゃんとしているものの、中身がほとんど漫画のようなものばかりだったからです。
スマホ時代の子供たちに合わせるために、ビジュアルな要素を大きく出して、できるだけ文章を読まなくても内容がわかるようにしているのです。
こういう本は、いくら読んでも知識が増えるだけで、読む力はつきません。
子供時代は、その子の読む力に少し負荷がかかる程度の文章中心の本を読んでいく必要があるのです。
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