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全く書けなかった記述の問題が楽に書けるようになった――作文の教え方2  2019年12月17日  No.3949
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 褒める指導の要点は、事前の項目指導です。
 例えば、感想各指導の場合も、子供が作文の感想を書いたあとに、「感想がありきたりだ」とか、「物足りない」とか言っても、子供はどうしていいかわかりません。
 「物足りない」という評価をするのではなく、事前に、「『人間にとって』という大きい言葉で考えてみよう」という指導していくのです。
 そして、「人間」という言葉が入っていれば、それが内容的に物足りないものであっても、そういう表現をしたことを褒めるというのが事前指導です。

 低学年の場合は、「感想がありきたりだ」というのではなく、事前に、「感想は2行以上になるよう長く書いていこう」と言うのです。
 すると、子供は、「長く書く」という目標は努力によってできることなので、安心して書くことができます。
 長く書けば、自然に感想に自分らしさが出てきます。
 そして、長く書いたことだけを評価して、その内容については注意などはしないのです。

 先日、保護者懇談会で、こういう質問がありました。
 子供が、「それで」という言葉を何度も使って書くというのです。

 この場合、子供が書いたあとに、「同じ言葉を何度も使っていたらおかしい」というのでは、子供はどう書いていいか迷うようになります。
 というのは、「それで」という言葉が必要な場合もたまにあるからです。

 この場合はどうしたらよいかというと、「作文用紙1枚に『それで』という言葉はひとつだけなら使っていいが、二つ以上あったらその二つ以上のところはあとで消しておく」と言うのです。
 こういう客観的な説明であれば、子供は迷わずに書くことができます。

 子供の作文を見る人は、自分の感覚で作文を批評するのではなく、子供が明らかにわかるような言葉で事前指導をしてその事前指導ができた場合に褒めるというやり方をしていけばいいのです。

 このような作文指導を行っていると、書くことに迷いがなくなります。
 すると、記述問題も楽に書くことができるようになるのです。

 また、言葉の森では、記述問題の書き方のコツとして、「物事を対比して書く」という方法を教えています。
 この方法がわかると、中学生や高校生の記述も書き方がかなりしっかりとしてくるのです。

 この「対比して書く」という書き方は、作文指導の場合は、「反対意見に対する理解」や「自作名言」という項目にあたります。

 記述問題というのは、作文の問題を短くしたものと考えていけばよいのです。

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 コメント欄

森川林 20191217  
 子供が作文を書いたあとに直すのは、誰でもできます。
 難しいのは、子供が作文を書く前に、どう書いたらいいか指導をすることです。
 事前指導なしにただ書かせて、そのあとたっぷり注意をするから、子供は書くことが嫌いになるのです。
 記述問題が書けないというのも、この作文が苦手の延長にあります。


nane 20191217  
 作文を直して上手になるのは、最初のうちだけです。
 直す指導では、それ以上は上手になりません。
 しかし、それでも直す指導を続けていると、子供は作文が苦手になっていくのです。

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