言葉の森の長文は、科学的な内容のものが多いので、読むだけでも面白いものですが、ここに更に対話によって、お父さんやお母さんが話を発展させていきます。
例えば、ほかに似たような例は世の中にあるのだろうかとか、こういう仕組みが何に使えるだろうか、というような話です。
ここで創造性が必要になってきます。単なる知識を伝達するだけでなく、創造性を発揮できるという点で、対話は親自身も楽しめる機会になります。
大事なことは、子供に答えさせるというのではなく、親がたっぷり話をしてあげるということです。即興で創造する対話というのが大事なので、単に大人が知っている知識を子供に伝えておしまいというようなやり方ではありません。
また、子供は面白いことが好きなので、対話の中ではできるだけ面白い話をするように心がけます。茶の間にホワイトボードを置いておき、学校のようにホワイトボードで説明をしながら対話をしていくというのも子供は喜びます。
対話の結果、何か調べたいことが出てきたら、日曜日に実験をする計画を立てます。
このように、日常生活の中で知的な対話をふくらませていくと、知識だけでなく、子供の日本語力=思考力が育っていきます。
いったん知的な対話のある家庭ができれば、将来、子供が大きくなったときに、自分も親としてそういう家庭を築いていくでしょう。対話のある家庭では、テレビは主役にはなりません。テレビの話題をもとに、みんながわいわい話し合うのが茶の間の過ごし方の中心になります。テレビではなく家族一人ひとりが主役になるのが、本来の家族の過ごし方なのです。
しかし、親が子に話をするといっても、やはり何かの手助けがある方がやりやすいものです。
その一つは、生き物です。できれば、人間とコミュニケーションをとれる生き物の方がいいので、植物よりも動物です。犬や猫が難しいのであれば、手乗りの文鳥などでもいいと思います。家族の対話に文鳥も参加して、あっちの頭にとまったり、こっちの肩にとまったりして話題を盛り上げます。そして、その生き物自体が、またいろいろな研究のテーマを提供してくれます。
もう一つは、大人向けに書かれた理科や社会の本です。ナツメ社で出ている「図解雑学」シリーズは、雑学という名前がついていますが中身は大人でも十分に楽しめる本格的なものです。こういう本で科学的な土台を作って、子供に話をするのです。ただし、知識を伝えるだけの話ではなく、そこに自分の体験などを結びつけて独自なものを付け加えていきます。
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