第四に、オンライン5人クラスでは、参加する生徒どうしの対話が可能であることです。
これは、読書紹介のあとの感想のやり取りなどが多いのですが、参加者がいつでも相手の発言に反応できる機会があるということが大事です。
あるひとつのクラスで親しくなった友達どうしが、ブレイクアウトルームに移動して授業後の交流を図ることもできます。
自習室というのは、授業とは関係なく自分で自由に勉強できる場所です。
この自習室に、あらかじめブレイクアウトルームをいくつも作っておけば、自習している生徒が他の生徒と打ち合わせをしてブレイクアウトルームで話をするというようなやり方もできるようになります。
勉強する人はメインルームで、話をする人はそれぞれのブレイクアウトルームで、というようなルールを決めれば、生徒どうしの交流は勉強と両立したものになるでしょう。
子供たちは、先生の評価よりも友達どうしの評価の方に敏感です。
生徒どうしの対話によって、相手のよいところを見つけようとすると、相手に共感する力が育ちます。
授業の中のさまざまな発表のあとの質問や感想の時間に、自分の発表が他の人に褒められるとすごく嬉しいので、それと同じようなことを他の人の発表に対してもするという感覚が自然に育ってきます。
これが子供たちの共感力を育てる機会につながっています。
授業の中で、生徒どうしが対話する機会というものは、多人数の双方向オンラインやリアルの教室ではまずできません。
双方向とは、先生と生徒集団の間の双方向ですから、生徒どうしの多方向のコミュニケーションはもともと想定されていません。
オンライン5人クラスの教育では、生徒どうしが対話をすることが授業の中にあらかじめ組み込まれているのです。
(つづく)
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子供たちが塾に行くときの楽しみは、帰りに友達とお喋りできることだと聞いたことがあります。
確かに、私も、小学校時代の楽しい思い出は、学校の帰り道にあちこち寄り道をして遊んだことです(笑)。
だから、本当は授業の中でも、子供どうしが対話できる機会があるといいのです。
ただ、それが単なるお喋りにならないように、読書紹介などで対話ができればなおいいと思うのです。
読書紹介や何かの発表会のあと、質問と感想の時間をとると、どの子も不思議と相手のいいところを見つけて感想を言います。
昔、ある有名な人が、人間は相互の批判の中で成長するというようなことを書いていましたが、そんなことはありません。
特に作文では、相手の欠点を見つけるようなことをしていると、だんだん言っている本人が作文を書けなくなるのです。
だから、相手のいいところを見つけて話をするというのは、自然にしていることであっても、本当はとてもいいことなのです。
最近の子供たちは、私たちが子供だったときよりも、明るいものの見方をする子が多いように思います。
「私たち」というのは、団塊の世代のちょっとあとぐらいの世代ですが。
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