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教育は家庭の文化の中から——家庭での対話が学力の基礎  2009年4月3日  No.442
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 浪人時代に難しい本を読むことによって国語の成績が上がったという石田さんは、自分の経験から、難しい内容の文章をやさしく解説することによって子供たちの読む力がつくと考えました。そこで、子供たちに、わかりやすい解説をすることによって難しい本を面白く読めるようにするという形の勉強を進めたそうです。
 言葉の森でも、高校生の課題は長文自体が難しくなってくるので、その難しい課題をわかりやすい例で説明すると、子供たちは興味深く聞いています。ただ、事前に自分なりに読んでくる子は力がつきますが、自分なりに読まずに面白い解説だけ聞いていると力はなかなかつきません。
 この難しい内容のものをやさしく解説するということは、高校生だけでなく、小中学生にもそれぞれの学年に応じてあてはまります。そして、その役割はもっぱら家庭の中にあるのではないかと思います。
 全国の学力テストで、学力の高い県を調べてみると、意外なことに学習塾が盛んでないところほど全体の学力は高い傾向があるようでした。つまり、家庭生活の中での文化的な力が、学力の土台になっているのではないかと思われるのです。
 家庭の中で、難しい話を子供の理解力に応じてわかりやすく説明するような機会があれば、子供たちの学力は向上します。学力は、問題集を解くような形の勉強によってではなく、家族の知的で楽しい対話の中でこそつくのです。
(つづく)

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