覚えるために読むのであれば、短期間に何度も繰り返した方がいいのです。いわゆる一夜漬けの勉強法です。
覚えたことは、記憶の忘却曲線に沿って忘れていくので、忘れる前に同じことを覚え直せば、その記憶は残ります。だから、試験前はそういう勉強の仕方をするのです。
しかし、その記憶は頭の表面にとどまる記憶なので、時間がたてばすぐに忘れます。
人間の頭脳は、短期間に集中的に覚えたことは、一時的な記憶だとみなします。だから、忘れるのも早いのです。
すっかり忘れたあとに、また同じことを繰り返すと、最初に覚えたのと同じくらいの時間がかかります。だから、一見能率が悪いように見えます。
しかし、人間の頭脳は、忘れたころにまた同じことに遭遇すると、その記憶が人生にとって大事なことだとみなすらしいのです。だから、時間をかけて覚えたことほど、忘れにくくなります。
筋肉も同じです。
短期間でつけた筋肉は、運動をやめれば短期間で落ちます。
長い時間をかけてつけた筋肉は、運動をやめてもなかなか落ちません。
考える力や読む力をつける勉強は、一夜漬けの勉強ではありません。
試験に間に合わせるために読むのではなく、自分の実力をつけるために読む勉強です。
だから、問題集読書は、同じページを昨日も今日も明日も繰り返し読むのではなく、1冊を最後まで読んでから最初に戻って読み直すようにしているのです。
また、1冊が最後まで終わったら最初に戻るという方法なら、勉強の仕方に迷うことはありません。
これは、読む子供の立場に立ってみればわかりますが、同じものを今日も明日も明後日もやるというのは飽きるのです。
だから、昨日やったことがまだ残っているうちに、今日も同じことをやると、自然に斜め読みになります。
同じ文章を新鮮な気持ちで読むためにも、すっかり忘れたころに読むのがいいのです。
233-0015 横浜市港南区日限山4-4-9
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コメント欄
ご無沙汰しています。息子は高3 受験生になりました。
このお話、大学受験に通じます。学校でも予備校でも同じ
文章を繰り返し、とばかり教えるのですが、良い視点を
いただきました。ありがとうございます。
言葉の森に在籍していたおかげで高校生になってからも100冊
本を読みました。これからも記事を楽しみにしています。
お久しぶりです。
高校生で100冊本を読むというのは立派です。
そういう子は、受験勉強を超えて向上心があるので、将来いい仕事をすると思います。
ところで、受験は、過去問の分析が第一ですので、夏休み前に志望校の過去問を答えを見ながらでいいので、やってみるといいです。もうやっているかもしれませんが。
入学が決まりましたら、またお知らせください。
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