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作文が書けない子にどう書かせるか  2022年6月18日  No.4484
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●動画:https://youtu.be/5qAZbFStm48

 作文が書けない子がいます。
 ひとつ、低学年で書けない子です。

 これは、学校の作文指導に問題があります。
 学校では、たぶん、みんなに一斉に作文を書かせて、書けたか書けないかを見るだけです。
 書けない子にどう指導するかということはありません。

 作文が書けない最も大きな原因は、本を読んでいないことです。
 だから、その子には、作文を書かせるよりも、まず本を読ませることなのです。

 しかし、そういう子でも、とりあえず作文を書かせる方法はあります。
 それは、お母さんでも、先生でもいいのですが、途中までその子が書く文章を言ってあげることです。
 これを本格的にやるとすれば、親子作文です。
 この方法で、誰でもすぐに作文を書けるようになるし、作文を書くことが楽しくなります。

 もうひとつは、高学年でうまく書けない子です。
 高学年で要求される作文は、生活作文ではなく、説明文や意見文です。
 高学年で書けなくなる原因は、説明文や意見文の本を読んでいないことです。

 小学4年生のころまで出来事中心の作文を上手に書いていた子が、中学生の意見文になると、途端に書けなくなるということがあります。
 それは、その子が、中学生が読むのにふさわしい本を読んでいないからです。

 逆に、小学生まであまり上手に作文を書けなかった子が、中学生以降にどんどん上手に書けるようになることもあります。
 それは、その子が、説明文や意見文の本を読んでいたからです。

 誰でも、作文を書くという表面的なところに目を向けがちですが、大事なのは、作文を書く土台に目を向けることです。
 作文は、表面に出た結果にすぎません。大事なのは、その内側にある原因の方なのです。

 表面に出た結果だけ見て直そうとすれば、作文が苦手になります。
 しかし、作文指導のほとんどは、結果を直す作文です。それが赤ペン指導です。
 だから、直せば直すほど、作文が苦手になっていくのです。

 高学年で作文を上達させるには、まず難しい説明文の本を読みこなせるようにすることです。
 それが、国語読解クラスの問題集読書です。

 しかし、低学年の場合は、国語読解クラスの問題集読書よりも、まず日常生活の読書の量を増やすことです。
 子供が読書をいやがるときは、親の読み聞かせです。

 幼児のときの読み聞かせというのは、誰でもやっています。
 大事なのは、小学生になっても、その子に応じた読み聞かせを続けていくことです。
 この読み聞かせをせずに、子供が自分で読める程度の絵の多い本ばかり読ませていても、読書力、作文力はつきません。

 気の長い話ですが、目安は半年です。
 半年、毎日読み聞かせを続けていれば、必ず読書も作文も変わってきます。

 親は、忙しいことを理由にすべきではありません。小学校低学年の時代は、通り過ぎればほんのわずかです。
 この時期にがんばることが、あとになって生きてくるのです。

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作文教育(134) 

 コメント欄

森川林 20220618  
 作文を書けない子が増えています。
 しかし、それは作文が書けないのではなく、実は読書をしていないということなのです。
 もし、読書をしているのに作文を書けないという子がいたら、それは教え方によって1日で書けるようになります。
 作文を書く力は、表面に出た結果です。
 本当の問題は、内側にあります。

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