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https://youtu.be/Xl-HVA32AEk
桃太郎の話を、昔、私は、いろいろな個性のある仲間がその個性を生かして協力することで敵に勝つという話だと思っていました。
しかし、その後、考えが変わりました。
犬と猿と雉(きじ)が仲間になるのは、物語の前半の重要な箇所ですが、なぜかれらが仲間になったのかというところの考えが変わってきたのです。
それは、桃太郎がたまたまキビダンゴを持っていて、犬と猿と雉がおなかがすいていたから仲間になったという単純な話ではありません。
大事なことは、桃太郎が、まずひとりで出かけたということなのです。
出発する時点で、桃太郎には、道の先に、犬と猿と雉が待っているという情報はありませんでした。
たったひとりで出かける覚悟で出発したあとに、たまたま犬と猿と雉がやってきたのです。
あとから振り返ると、まるで桃太郎が、みんなの協力を計画的に考えて行動を始めたように見えますが、本当はひとりの行動が最初にあり、その行動に引き寄せられて、偶然犬と猿と雉がやってきたのだというのが真相です。
大事なのは、行動の一歩を踏み出したことであって、入念に計画を作ったことではないのです。
だから、若い人で、これから何かを始めようとするときは、詳しい計画や協力できる仲間を最初に考えるのではなく、まず自分ひとりで出発することです。
もし、桃太郎の目的地が鬼ヶ島ではなく、その先にあるもっと遠い困難なところであったら、どうなったでしょう。
犬と猿と雉のあとに、今度は馬がやってきたのです。たぶん。
そして、更にもっと遠い困難なところが目的地であったら、どうなったでしょう。
馬のあとに、今度は龍がやってくるのです。
このように、「桃太郎」は、ひとりの行動が次々に新しい展開を生み出す物語として読むことができます。
大事なことは、まず桃太郎がひとりで歩き出したということなのです。